雀の巣駆除は市役所に頼めるか|屋根の巣の撤去と今夜確かめること

屋根の瓦の隙間に雀の巣ができて、取ってもまた作られる。スズメの巣作りがしつこいと、雀の巣駆除を市役所に頼めるのか、自分で撤去していいのかが気になる。

判断の基準は、巣に卵やヒナがいるかどうか。熊本市、名古屋市、大阪府、神戸市のページを見ると、どれも卵もヒナもいない巣なら撤去していいと書いてある。熊本市と名古屋市は、その場合、許可は要らないとも。卵やヒナがいる巣は、巣立ちを待つか、許可を得てから撤去することになる。

市役所に巣の撤去作業を依頼できるかどうかは、自治体によって対応が違う。この記事では、屋根の雀の巣について、市役所に相談できること、撤去していい時期や順番、何度も巣を作られるときの考え方について説明する。

屋根・瓦にあるのは雀の巣か、屋根に上らず地上から確かめること

屋根から鳥の声や物音がしても、音だけでは何の鳥か、どこに巣があるかは特定できない。決め手になるのは、出入りする鳥の姿を目にすることだ。

スズメは全長14〜15cmの小さな鳥。農研機構の資料によると、スズメは人家の屋根や壁などの隙間に、わらくずなどで巣を作る。三鷹市のページでも、スズメは人家の瓦の隙間などに巣を作ると書かれている。

地上から確認できるのは、次の3つの状況だ。

  • 瓦の隙間に出入りしている鳥がスズメか
  • 出入りしているのは瓦の隙間のどのあたりか
  • わらくずなどの巣材を運び込んでいるか

巣材を運び込んでいるところを見たら、まだ巣を作っている途中かもしれない。ただ、瓦の下の巣は外から中が見えにくい。もし卵やヒナがいるかどうかわからない場合は、いるものとして慎重に扱うべきだ。

屋根の上での作業は、転落の危険が伴う。確認作業は必ず地上から行う。

音が屋根の上ではなく天井裏から聞こえるなら、鳥が屋根裏(小屋裏)に入っている場合もある。屋根裏の巣は屋根裏の鳥の巣、入口の探し方は屋根裏に鳥が入ったとき、鳴き声の聞き分けは屋根裏の鳥の鳴き声にまとめた。ネズミやハクビシンの音と見分けたいときは、屋根裏のネズミの音とドタドタはネズミかハクビシンかを読むとよい。

雀の巣駆除は市役所に頼めるか|市がすること・しないこと

市役所に「巣を取りに来てほしい」と依頼できるかどうかは、自治体によって対応が異なる。

大阪府のページでは、よくある質問の欄で「巣の撤去は行っていません。」とはっきり書かれている。

熊本市、名古屋市、神戸市、北九州市、東京都のページには、市や都が巣を撤去するという記述はない。北九州市と東京都の記述は、ハトの巣に関するものだった。

これらのページで市役所の役割として書かれているのは、撤去作業そのものではなく、許可や相談に関するものだ。

  • 熊本市は、市が捕獲許可を出せる鳥にスズメを入れている。卵やヒナがいる巣については「ふん害等によりやむを得ず、ヒナや卵がいる巣を撤去する場合は、捕獲許可申請を行いご自身で撤去するか、専門の業者等に依頼してください(費用は自己負担になります)。」と書いている。
  • 神戸市は「糞害等の被害のため撤去されたい場合は、市の有害鳥獣捕獲許可が必要です。」とし、「専門業者の団体をご紹介できる場合があります」と書いている。
  • 北九州市はハトのページで「卵やヒナがいる巣を撤去するには、捕獲の許可が必要になりますので、市役所にご相談ください。」としている。

許可を出すのは、法律上は環境大臣か都道府県知事だ。環境省の捕獲許可制度のページには、多くの都道府県が地方自治法第252条の17の2などの規定に基づき、捕獲許可の権限の一部を市町村長に移譲していると記載されている。その上で、「詳細は、各都道府県担当部局に確認して下さい。」としている。熊本市や神戸市のように、市が許可を出しているケースもある。

お住まいの市のページは、私は確認していません。まずは市のホームページで「野鳥の巣」や「捕獲許可」などの語で検索し、市役所の鳥獣の担当に問い合わせてみるのが良いだろう。

ムクドリの巣の場合は、ムクドリ駆除は市役所に頼めるかにまとめた。

卵・ヒナがいる雀の巣は許可なしに撤去できない:許可と、巣立ちまでの日数

鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)の第八条には、次のように定められている。

「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。」

例外として、第九条の許可を受けた場合などが挙げられる。許可を出すのは環境大臣か都道府県知事だ(第九条第一項)。

スズメは狩猟鳥獣に含まれる。ただし、狩猟の対象は「鳥類のひな及び卵を除く」とされているため、スズメのヒナや卵は狩猟で捕獲することはできない。

許可なく鳥類の卵を採取等すると、第八十三条第一項第一号の罰則に該当する。これは一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金だ。

大阪府のページには、巣の撤去について「撤去することで卵やヒナを損傷、殺傷することが明白な場合、許可を得ていなければ、法に抵触するおそれがあります。」と注意書きがある。

巣を撤去したあとで、中に卵が入っていたと気づくこともある。瓦の下の巣は、外から中が見えにくいので、撤去する前に卵やヒナがいるかどうかを確かめる。もし判断がつかない場合は、市の鳥獣担当部署に相談するのが確実だ。

巣立ちまでの日数は、農研機構の資料にある。スズメは1回の繁殖で4〜8個の卵を産む。抱卵を始めてから約12日で卵がかえり、そこから約14日で巣立つ。

つまり、温め始めてから巣立ちまでは、約12日+約14日=約26日かかる計算になる。

この26日というのは、温め始めた日から数えた日数だ。卵を見つけた日からの日数ではない。いつ温め始めたのかは、外からでは分からない。また、巣立った後も、ヒナは約10日間、親鳥から餌をもらって育つ。

名古屋市のページでは、鳥全般について「おもな鳥の巣立ちに要する期間は3から4週間程度ですので、緊急に巣を除去する必要がなければ、ヒナが巣立ってからの除去にご協力ください。」と協力をお願いしている。

屋根の雀の巣を撤去する時期と順番

巣の撤去は、巣の中身を見て順番を決める。

  1. 卵もヒナもいないと分かる巣は、許可なしで撤去できる。熊本市は「巣の中にヒナや卵がない場合はご自身で許可なしに撤去できます。」と書いている。東京都はハトの巣について「巣を作り始めた時点で取り除くか、巣を作らせないことが大切です。」としている。
  2. 卵やヒナがいる巣、いるかどうか分からない巣は、巣立ちを待つ。大阪府は「巣立ちまで温かく見守っていただき、巣立ち後に撤去してください。」と書いている。
  3. ふん害などで巣立ちまで待てないときは、市役所の鳥獣の担当に、捕獲許可が出るか・申請先はどこかを聞く。熊本市では「申請を受理してから、許可証の発行までに1週間~10日程度要します」。許可を出すかどうかと申請先は自治体で違う。
  4. 巣立ったあとに巣を撤去し、巣のあった隙間をふさぐ。

スズメの繁殖期は2月から9月で、年に1回から3回子育てをする。1回巣立っても、その年の繁殖期が終わったとは限らない。巣立った後、次の巣作りが始まる前に巣のあった場所を塞ぐ必要がある。

瓦の下の巣を撤去するには、屋根の上での作業が必要になることがある。屋根の上での作業は、落ちる危険が伴う。北九州市はハトのページで「ご自身で出来ない場合は、民間業者にお願いする方法もあります。」と案内している。

スズメの巣作りがしつこいのはなぜか|何度捨てても作られるとき

何度撤去しても巣が作られてしまう理由として、公的な資料からは繁殖期の長さと回数が挙げられる。

農研機構の資料によると、スズメの繁殖期は2月から9月で、多くは3月から6月だ。年間に1回から3回繁殖する。

同じ資料には、1回目の繁殖が終わった後も、2回目以降の繁殖があることも記されている。

スズメの成鳥は、1年中決まった行動範囲で生活する定住性の鳥だ。ただし、冬が厳しい地域では、成鳥も移動することがある。

春から夏にかけて、巣を撤去してもまた作られてしまう時期は、この繁殖期の長さと回数に重なる。

同じスズメが同じ場所に戻ってくる習性があるかどうかについては、私は確認していません。

巣を撤去するだけでは、繁殖期の間にもう一度巣が作られてしまうことがある。大阪府は「巣を造られたくない場所には、野鳥が侵入できないようにあらかじめ対策をお願いします。」と案内している。

何度か巣を撤去しているうちに、巣の中に卵が入っていることもある。卵が入った巣は、許可なく撤去することはできない。撤去する前には、必ず中身を確認する。

瓦の隙間をふさぐ:屋根に雀の巣を作らせない対策と、頼む先

巣を作らせないためには、スズメが入り込む瓦の隙間を塞ぐことになる。

隙間を塞ぐのは、巣が空の状態か、巣立った後に行う。卵やヒナがいる時期に作業をすると、大阪府のページがいう「卵やヒナを損傷、殺傷することが明白な場合」にあたるおそれがある。

瓦の隙間をどのような材料で、どのように塞ぐのが適切かについては、私は確認していません。ボンドやモルタルで詰めても良いかどうかも、私は確認していません。

瓦の隙間を塞ぐ作業は、屋根の工事にあたる。屋根の工事を専門とする業者に、巣があった場所を見てもらい、塞ぎ方について相談する。

自分でできることの限界と、屋根の雀の巣で相談する先

自分でできることは、次のとおりだ。

  • 地上から、出入りする鳥と巣材の運び込みを見る
  • 卵もヒナもいない巣を撤去する
  • 住んでいる市のページで、野鳥の巣と捕獲許可の扱いを読む

自分で行わない方が良いことは、次のとおりだ。

  • 卵やヒナがいる巣を、許可なしに撤去する
  • 屋根に上って作業する

相談する先は2つある。

  • 市役所の鳥獣の担当:卵やヒナがいる巣の許可と相談。神戸市のように、専門業者の団体を紹介できる場合があると書く市もある
  • 屋根の工事をする業者:巣の撤去と、瓦の隙間をふさぐ工事。卵やヒナがいる巣の撤去を頼むときは、熊本市のように、許可を取ったうえで業者に頼む形になる

巣が戸袋にある場合は戸袋の鳥の巣、屋根裏の音がコウモリかを知りたいときは屋根裏のコウモリの音にまとめた。

まとめ|雀の巣駆除と市役所、屋根の巣に今夜すること

  • 雀の巣駆除を市役所に頼めるか:大阪府は「巣の撤去は行っていません。」と書いている。熊本市・名古屋市・神戸市・北九州市・東京都のページも、市や都が撤去するとは書いていない。書かれているのは許可と相談だ
  • 卵もヒナもいない巣は、許可なしで撤去できる
  • 卵やヒナがいる巣は、巣立ちを待つか、許可を取って撤去する。温め始めから巣立ちまでは約12日+約14日=約26日だ
  • スズメの繁殖期は2〜9月で、年に1〜3回繁殖する。取るだけでは、また作られることがある。巣立ったあとに瓦の隙間をふさぐ

今夜することは3つだ。

  1. 巣に触らない。卵やヒナがいるか分からないうちは、いるものとして扱う
  2. 住んでいる市のホームページで「野鳥の巣」「捕獲許可」のページを探す
  3. 明るくなったら、地上から出入りする鳥と巣材の運び込みを見る

この記事で引用した資料


竹内 亮太(たけうち りょうた)

家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。

害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。

音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

おすすめの記事