害獣駆除が高い|見積もりの内訳の読み方と契約前に聞くこと

※このサイトには広告を含みます。

天井裏の音が気になって害獣駆除の業者を呼んだら、見積もりが予想より高くて驚いた。この金額が何に対するものなのか、妥当なのか、他にどんな選択肢があるのか、契約前にきちんと理解したい。

ここでは、国民生活センターや消費者庁などの公的資料に書かれていること、書かれていないことを整理し、契約前に確認すべきことを順番に説明する。

先に結論を書く。

  • 害獣駆除の費用の目安の金額は、開いた公的資料8件には書かれていなかった。資料の相場と比べて高いかどうかは決められない
  • 国民生活センターの資料によると、全国の消費生活センター等に寄せられた害虫・害獣駆除サービスの相談は2023年度に2,290件(シロアリ駆除を除く)
  • 特定商取引法の訪問販売に該当する場合は、契約書面を受け取った日から数えて8日以内ならクーリング・オフができる
  • おかしいと思ったら、消費者ホットライン188に電話する。住んでいる地域の消費生活センター等を案内してもらえる

害獣駆除の費用が高いかどうかは、公的資料の数字では決められない

今回調べた8件の公的資料には、害獣駆除の費用の目安や相場は載っていなかった。調べたのは国民生活センター2件、消費者庁1件、国税庁2件、そして東京都の中央区、文京区、新宿区の資料だ。環境省・農林水産省・厚生労働省・都道府県の資料と、ペストコントロール協会のページに費用の目安があるかは、私は確認していません。だから、「公的な相場は無い」と断言はできないが、調べた範囲では金額に関する情報は見つからなかった。

国民生活センターが書いている「料金が変わる理由」

国民生活センターが2024年4月24日に出した資料「ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意」によると、「駆除の作業内容および料金は、住宅の大きさや構造、害虫・害獣の発生原因や発生状況などによって、さまざまになることが一般的です」とされている。また、「3 ケタ台の極端に安い料金が表示されている場合、最低料金で依頼できることはまずありません」とも書かれている。料金が高くなる理由として「さまざまになる」という説明以外には、具体的な内訳は資料にはなかった。

広告の金額と見積もりの金額が離れた事例

同資料には、ネズミとコウモリの駆除事例が2つ紹介されている。これらはあくまで個別の事例であり、相場ではない。ネズミの事例では、ネットに「一軒家約 5,000 円~」と表示されていたのに、実際の見積もりは約13万円だった。業者からは「人が入れない場所があるので半分だけ調査する」と言われたそうだ。別の業者には「約 13 万円は高額だ」と指摘されたという。コウモリの事例では、ホームページに「約 8,000 円から」とありながら、契約金額は約130万円になった。このケースでは、契約して5日目にクーリング・オフの通知が出されている。

ハクビシン駆除で100万円という見積もりが出た時、その額が高すぎるかどうかも、公的資料の数字では決められない。国民生活センターのこの資料のページに並ぶ相談事例5つは、ゴキブリ・ハチ・ネズミ・コウモリのもので、ハクビシンの事例は入っていない。ハクビシン駆除の金額を書いた公的な資料は、私は確認していません。金額の大きさだけで決めるより、下で書く5つの項目のどこにいくらかかっているかを、契約の前に聞きたい。

検索で出てくる相場の数字の見方

インターネットで検索すると、動物の種類ごとの相場を載せている記事が見つかることがある。しかし、その金額の根拠がどの資料に基づいているのか明記されていないことがある。見積もり額を比較する際は、まずその相場情報の出典を確認することが大切だ。

害獣駆除の相場や、床下のネズミ駆除費用の相場を探している時も、ここは同じだ。国民生活センターのこの資料のページには、動物ごとや、床下・天井裏など場所ごとの金額は書かれていない。床下の作業で金額がどう変わるかを書いた公的な資料は、私は確認していません。床下の見積もりも、次の5つの項目に分けて読むと、どの作業の金額が大きいかを比べやすい。

害獣駆除の見積書を、作業ごとの項目に分けて読む

ここからは、見積書の見方について説明する。これは公的資料の言葉ではなく、この記事での考え方だ。見積書の作業内容を、次の5つの項目に分けて確認する。

  • 調査:どこに何がいるか、どこから入っているかを見る作業
  • 追い出し・駆除:動物を外に出す、または捕る作業
  • 封鎖:入口をふさぐ作業
  • 清掃・消毒:ふんなどを片付ける作業
  • 修繕:傷んだところを直す作業

もし見積書がこれらの項目に分かれていない場合は、それぞれの作業内容と金額について業者に詳しく説明を求める必要がある。自分が「高い」と感じた金額が、どの作業に対するものなのかを明確にすることができれば、他の業者の見積もりと比較しやすくなる。

「一式」としか書かれていないとき

国民生活センターの資料には、契約書にサービス内容が「一式」とだけ書かれていた害虫駆除の事例が紹介されている。資料では、「交付される書面に具体的なサービス内容等が明記されていない場合がある」ことを問題点の一つとして挙げている。特定商取引法の訪問販売に該当する場合、業者は契約書面を渡す義務がある。その書面には「商品や役務の種類や数量、価格など」を明記する必要がある、と資料は書いている。もし見積書に「一式」という項目があれば、その中にどのような作業が含まれているのかを業者に確認し、書面に追記してもらうことが重要だ。

天井裏の音だけで頼んだとき|正体が分からないと見積もりで確かめること

天井裏の音だけでは、そこにどんな動物がいるのか、どこから侵入しているのかを特定することはできない。天井裏を確認しなければ、動物の種類や侵入経路はわからない。正体がはっきりしないまま見積もりを依頼した場合、業者に以下の3点を確認するようにしよう。

  • 何を見て、その動物だと判断したのか
  • 天井裏のどこまでを調べたのか
  • 見積もりのどこまでが調査の金額で、どこからが駆除の金額なのか

国民生活センターのネズミの事例では、業者が「人が入れない場所があるので半分だけ調査する」と述べている。もし調査されていない場所があるのであれば、その分の費用が見積もりに含まれているのかどうかを確認する必要がある。

区が無料で家を見る制度がある地域

東京都文京区では「ネズミ防除訪問診断」という無料のサービスがある。これは専門業者が家を訪問して診断するもので、ページには「ネズミの駆除は行いません」と書かれている。この診断サービスは区内在住者の民家が対象で、共同住宅の場合は自身の部屋が対象となる。他の自治体にも同様のサービスがあるかは、私は確認していません。お住まいの市区町村のウェブサイトで確認してみると良いだろう。

害獣駆除の見積もりが高いと感じたら、契約前に聞く順番

国民生活センターの資料では、「消費者の不安をあおり、契約を急かす勧誘が行われている」ことも問題点として挙げられている。もし業者に契約を急かされても、その場で即決する必要はない。確認すべきことの順番は以下の通りだ。

  1. 見積書を、作業ごとの項目に分けてもらう。「一式」の行は中身を聞く
  2. 何を見てその動物だと判断したのかを聞く
  3. 調べた範囲を聞く。調べていない場所の分が入っているかも聞く
  4. ほかの会社にも見積もりを頼むと伝える
  5. 契約書面を受け取った日を控えておく

4つ目について、国民生活センターの資料は「複数社から見積もりを取る前提で業者に連絡しましょう」とアドバイスしている。また、「事前に複数見積もりを取ることができない」という問題点も指摘されている。もし比較できる見積もりが1社分しかないのであれば、契約を決めるのは2社目の見積もりを見てからでも遅くない。

5つ目を控えるのは、クーリング・オフの8日を数える起点が「契約書面を受け取った日」となっているためだ。

害獣駆除業者の選び方について、国民生活センターの同じ資料は「アドバイス」を4つ挙げている。業者を選ぶ前の目安になるのは、そのうちの「極端に安い価格を表示するサイトや広告には注意。」と「複数見積もりを取って比較・検討する時間を与えない事業者とは契約しない。」の2つだ。残りの2つは、クーリング・オフ等ができる場合があることと、おかしいと思ったらすぐに消費生活センター等に相談することだ。

上の順番の4つ目「ほかの会社にも見積もりを頼むと伝える」は、後者の目安を確かめる場面にもなる。伝えたあとに、その場で契約するよう急かされないかを見る。どの業者が良いかの順位や、口コミの数で選んでよいかは、この資料には書かれていない。

害獣駆除の料金トラブルについて国民生活センターが書いていること

ここからは、国民生活センターの2024年4月24日付の資料に記載されている情報のみを基に説明する。

相談の件数

害虫・害獣駆除サービスに関する相談件数は、2023年度に2,290件にのぼった。これは2024年3月31日までにPIO-NETに登録された件数であり、シロアリ駆除の相談は含まれていない。資料の本文には「2023 年度は 2022 年度同期と比べて約 1.5 倍に増加し、2,000 件を超える相談が寄せられました」とある。害獣別では、2023年度のネズミに関する相談が385件、コウモリが114件だった。ネズミは「冬(10~12 月)に相談が増加する傾向」、コウモリは「夏(8~9月)に相談がピーク」と書かれている。イタチ、ハクビシン、アライグマに関する相談件数は、この資料には記載されていなかった。

資料が挙げている問題点

資料では、害虫・害獣駆除サービスにおける問題点を6つ挙げている。

  • インターネット上に記載されている料金と実際の料金がかけ離れている
  • 消費者の不安をあおり、契約を急かす勧誘が行われている
  • 強引に作業を行い代金を請求している
  • 事前に複数見積もりを取ることができない
  • 交付される書面に具体的なサービス内容等が明記されていない場合がある
  • クーリング・オフ妨害をしている事例が見られる

ネズミの事例では、契約書にクーリング・オフに関する記載があったにもかかわらず、申し出た際に「できない」と言われたケースがあった。

ハクビシン駆除の悪徳業者を見分けたい時も、手がかりになるのはこの6つだ。ネットの料金と見積もりがかけ離れていないか、不安をあおって契約を急かされないか、ほかの会社の見積もりを取る時間をくれるか、書面にサービスの中身が書かれているかを見る。資料のページのアドバイスには「複数見積もりを取って比較・検討する時間を与えない事業者とは契約しない。」とある。業者の名前で良し悪しを分けた公的な資料は、私は確認していません。

クーリング・オフが使える場合

資料によると、見積もりを取るつもりで家に来てもらった業者と、その場で説明されたサービス内容について契約した場合などは、特定商取引法における訪問販売に「該当する可能性があります」とされている。ただし、クーリング・オフが適用されるかどうかは契約内容によって異なり、必ず適用されるとは明記されていない。

消費者庁の特定商取引法ガイドでは、訪問販売を「事業者が消費者の自宅等に訪問して、商品や権利の販売又は役務の提供を行う契約をする取引のこと。キャッチセールス、アポイントメントセールスを含みます。」と定義している。国民生活センターの資料によると、訪問販売に該当する場合、「契約書面を受取った日から数えて8日以内」であれば、クーリング・オフ(無条件での契約解除)が可能だ。通知は書面またはメールなどの電磁的方法で行う。期間内に工事が行われていても、「無償で元どおりに戻すよう求めることができます」と書かれている。また、8日を過ぎても解約できるケースがある。例えば、業者から事実と異なる説明を受けて誤認した場合、その誤認に気づいた時から1年間、または契約から5年間は契約を取り消すことができる。

相談する先

資料では、おかしいと感じたら、すぐに消費生活センターなどに相談することが推奨されている。消費者ホットライン(全国共通の3桁の電話番号188)にかけると、お住まいの地域の消費生活センターなどを案内してくれる。

資料には、ペストコントロール協会が全国47都道府県に地区協会を持ち、各協会の「害虫相談所」で電話相談などを無料で行っていることも記されている。ただし、協会のウェブサイトそのものは、私は確認していません。

害獣駆除の費用は、自治体の制度や税金で軽くなるか

東京都の3区で書かれていたこと

東京都中央区では「地域ねずみ防除促進事業」という補助金制度がある。ただし、これは個人ではなく、町会や自治会などの地域団体が対象となる。補助率は3分の2で、上限額は構成員の数によって20万円から100万円まで分かれている。実行委員会を置かない団体は、補助率が2分の1になる。補助金を受けるには事前の相談が必要だ。文京区には前述の無料訪問診断があるが、駆除費用に対する補助金については、開いたページには書かれていなかった。新宿区のウェブサイトでは、「区で駆除は行っていません」と明記されており、保健所で駆除方法に関する相談を受け、粘着シートや殺そ剤のサンプルを配布している。3区とも、個人の住宅におけるネズミ駆除費用に対する補助金制度については、開いたページには書かれていなかった。他の自治体の制度や、ネズミ以外の動物に関する制度については、私は確認していません。ご自身でお住まいの市区町村のウェブサイトで確認する必要がある。

雑損控除

国税庁のタックスアンサー No.1110 には、雑損控除の対象となる損害の原因の一つとして「害虫などの生物による異常な災害」が挙げられている。また、国税庁の質疑応答事例では、シロアリ被害の修繕費用や駆除費用が雑損控除の対象となるケースが示されている。ただし、「シロアリの被害を事前に防止するための費用及びシロアリの駆除とともに行う予防のための費用」は対象外となる。ネズミやハクビシン、コウモリなどの害獣駆除費用が雑損控除の対象になるかどうかは、今回確認した国税庁の2ページには記載がなかった。これらの費用が対象になるかについては、直接税務署に確認するのが確実だ。

自分でできることの限界と、業者に頼む目安

自分でできる対策は、見積書を項目ごとに分けて内容を確認すること、2社目の見積もりを取ること、そして188や区の窓口に相談することまでだ。ネズミの場合、新宿区のように保健所で駆除方法の相談ができる自治体もある。

自分では確認できないのは、天井裏の状況だ。天井裏に上がってみなければ、何がいるのか、どこから侵入しているのかは分からない。音だけでは、見積もり内容の妥当性を判断することはできない。

ここからは、この記事での考え方として、業者に依頼するかどうかを判断する目安を2つ挙げる。

  • 天井裏の音が続いていて、音だけでは正体が分からない
  • 手元の見積もりが1社分しかなく、高いかどうかを比べられない

現地調査や見積もりを無料で行っている業者もある。1社目の見積もり内容に納得がいかない場合、2社目の比較対象として相談することで、1社目の見積もりのどの項目が高いのかが見えてくることがある。

▶ 手元の見積もりが1社分しかなく高いかどうかを比べられないときに、2社目の現地調査と見積もりを害獣の業者に電話かメールで相談する

※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山

まとめ|害獣駆除が高いと感じたときに確かめること

  • 害獣駆除の費用の目安の金額は、開いた公的資料8件には書かれていなかった。国民生活センターは、料金は家の大きさや構造、発生状況などで「さまざまになることが一般的」と書いている
  • 見積書は、調査・追い出し・封鎖・清掃・修繕に分けて読む。「一式」の行は中身を聞く
  • 音だけで頼んだときは、何を見てその動物と判断したのか、どこまで調べたのかを聞く
  • 国民生活センターは「複数社から見積もりを取る前提で業者に連絡しましょう」と書いている
  • 訪問販売に該当する場合は、契約書面を受け取った日から数えて8日以内ならクーリング・オフができる
  • 困ったら消費者ホットライン188に電話する
  • 区の補助と雑損控除は、開いた範囲では個人の害獣駆除の費用に使えるとは書かれていなかった。住んでいる市区町村と税務署で確かめる

▶ 天井裏の音の正体が分からず見積もりの項目を比べたいときに、天井裏を調べて見積もりを出してもらえるか害獣の業者に電話かメールで相談する

※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山

この記事で引用した資料

  • 国民生活センター「ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意-若い年代でトラブル急増中!-」(2024年4月24日)ページ
  • 国民生活センター 同資料の本文(PDF)ページ
  • 消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」ページ
  • 国税庁 タックスアンサー No.1110「雑損控除」ページ
  • 国税庁 質疑応答事例「シロアリの駆除費用」ページ
  • 東京都中央区「地域ねずみ防除促進事業のご案内」ページ
  • 東京都文京区「ネズミ防除訪問診断」ページ
  • 東京都新宿区「ねずみにお困りの方へ」ページ

竹内 亮太(たけうち りょうた)

家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。

害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。

音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

おすすめの記事