雨戸の戸袋に鳥の巣|ピイピイ鳴くとき今夜は開けずに確かめること

雨戸の戸袋からピイピイと鳥の声がして、雨戸が最後まで閉まらない。これで、戸袋に鳥の巣があることに気づくこともある。

戸袋の鳥の巣は、卵やヒナがいるかどうかで、取っていいかが変わる。だから、すぐに戸袋を開けるのはやめて、まずは外から中がどうなっているか確認しよう。

ここでは、戸袋の鳥の巣を今取っていいのか、いつ取るべきか、取った後にどうすればいいのかを、法律や自治体の情報をもとに説明する。

戸袋からピイピイ・カサカサ聞こえるとき、鳥の巣かどうか開けずに分かること

外から分かることは3つ。戸袋の中から聞こえる声、戸袋の出入り口を行き来する鳥の姿、そして雨戸が戸袋に収まらないこと。

三鷹市のムクドリに関する情報には、「営巣場所は雨戸の戸袋」という見出しで、「もともと大きな木の洞(うろ)に巣を作る鳥ですが、都市化した場所では、しばらく使っていない部屋の雨戸の戸袋などに巣を作ることがよくあります。」と書かれている。

ただし、鳥の声だけでは種類を特定するのは難しい。三鷹市ではムクドリの声を「キュルキュル、ジャーなど地味な声で鳴き、さえずることはありません」と説明しているが、ヒナの声がこれと同じかは、私は確認していません。

鳥の種類を知りたいなら、まずは戸袋に出入りする親鳥の姿を見て、出入りする様子を観察するのが良い。三鷹市によれば、ムクドリの全長は24cmほどだ。

戸袋の鳥の巣は今取っていいか|卵・ヒナがいるとき・空のとき

法律の条文に書いてあること

鳥獣保護管理法第8条では、「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない」と定められている。

第8条の条文には「巣」という言葉はないが、対象は「鳥獣」と「鳥類の卵」だ。

第83条第1項第1号では、第8条に違反して「狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をしたとき」には、「一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」が科せられる。

環境省の狩猟制度によると、ムクドリは狩猟鳥26種に含まれている。しかし、同じ環境省の捕獲許可制度では、狩猟の対象は「狩猟鳥獣(46種、鳥類のひな及び卵を除く)」となっており、ムクドリであってもヒナと卵は狩猟の対象外となる。ヒナや卵に手を出すには、捕獲許可の手続きが要る。許可の申請先は都道府県知事等で、多くの都道府県が権限の一部を市町村長に移している。

ムクドリのヒナが鳥獣保護管理法第83条第1項第1号のどの部分に該当するかは、私は確認していません。

自治体(西東京市)の案内に書いてあること

巣そのものに関する扱いは、法律ではなく自治体の案内に書かれている。西東京市は「野鳥の巣」に関する案内で、ヒナや卵がいる巣の扱いに触れている。

  • 「巣が空の状態なら、野鳥の種類に関係なく誰でも巣を撤去できます。」
  • 巣にヒナや卵がある場合、カラス・ドバト・ムクドリの巣を市民が撤去するには、東京都の鳥獣捕獲許可が必要
  • それ以外の野鳥は、農業被害が出た場合を除き、ヒナが巣立つまで撤去できない
  • 市は撤去をせず、費用も負担しない。卵・ヒナのいる巣の撤去を希望するときの相談先は、市のページに載っている

これは東京都の市の案内だが、東京都以外でヒナや卵がいる巣の許可についてどうなっているかは、私は確認していません。お住まいの市区町村の案内を確認してほしい。

法律全体や、屋根裏の巣については「屋根裏の鳥の巣」の記事で説明している。市役所がどこまで対応してくれるかについては、ムクドリの記事で触れている。

戸袋の中にヒナがいるかを、雨戸を開けずに確かめる

まず時期を確認しよう。西東京市は「4月から7月にかけて、野鳥が繁殖期に入るため、民家の戸袋や街路樹に巣を作ります。」と説明している。新潟市も、ムクドリについて「3月下旬から7月の間に繁殖します。」と書いている。

次に、巣が空になる時期の目安を知っておく。西東京市によると、「営巣してから1か月から1か月半くらいでヒナが巣立って、巣は空になります」。

外から確認することは2つ。戸袋の中から鳥の声がするか、親鳥が戸袋の口に出入りしているかだ。どちらかが続いている間は、中にヒナか卵がいると考えて、手を出さないようにしよう。

声も出入りも止まって日がたってから、次のステップに進む。何日待てば巣が空だと判断できるかについての基準は、開いた公的資料には見当たらなかった。

巣立つまでの間、部屋側でやってよいこと

部屋側での対処について、西東京市の案内には「ダニの発生や糞害を防ぐためには、巣を作り始めた時点で巣を壊すか、ネットやミラーCD等、野鳥が寄り付かない対応が必要です」とある。

これは巣を作り始めた時点での話であり、ヒナがいる間の部屋側での対処を書いた公的資料は、私は確認していません。

雨戸を開け閉めすると、雨戸が戸袋に出入りする。巣立ちを待つと決めたら、その窓の雨戸は動かさないようにしよう。

戸袋の鳥の巣の撤去と掃除|雨戸が外れるか・1階か2階かで、自分でやるか頼むかを分ける

巣を撤去できるのは、巣が空になってからだ(西東京市)。その上で、自分でやるか、業者に頼むかを、3つの点で判断する。

  1. 雨戸が外れるか。外れないと、戸袋の中に手が届かない
  2. 戸袋の板が外れるか。外れない作りだと、口から掻き出すしかない
  3. 戸袋が1階か2階か。2階の外側に回る作業は、はしごや屋根の上での作業になる

雨戸や戸袋の外し方については、開いた公的資料には書かれていなかった。家の作りがそれぞれ違うため、ここでは手順を説明しない。

1階で、雨戸を室内側から外せて、巣が空なら、自分で巣を取り除くことになる。2階で外からの作業が必要な場合、雨戸が外せない場合、まだヒナや卵がいる場合は、自分で進めずに相談しよう。

掃除の後の消毒や、虫への対処に何を使えばよいかについては、私は確認していません。

ムクドリが戸袋に入らないように隙間をふさぐ|時期と場所

ふさぐ時期は2つしかない。巣を作り始める前か、巣立って空になった後だ。中に鳥がいる間にふさいでしまうと、ヒナや親鳥を閉じ込めることになる。ふさぐ前に、声も出入りも無いことを必ず確認しよう。

ふさぐ場所は、鳥が出入りしていた口だ。浦安市の案内では、防鳥ネットについて「軒下や戸袋などに張っておくと、鳥が侵入しにくくなる効果があります。」とされている。浦安市は他に、鳥用の忌避剤、天敵の模型、大きな音、強い光の対策も挙げているが、音や光については近所との合意が必要とも書かれている。

西東京市は、巣を作り始めた時点で「ネットやミラーCD等、野鳥が寄り付かない対応が必要です」と述べている。

どのような隙間まで詰めればよいか、どのような材料が適しているかについては、私は確認していません。一度ふさいでも鳥が再び入ってきた場合、その理由についてはここでは書かない。ふさいだ口とは別の隙間がないか、次の繁殖期が始まる前(西東京市が示す4月より前)に戸袋の周りを点検しよう。

自分でできることの限界と、業者に頼む目安

自分でできるのは、巣が空になってから、1階で、雨戸を外して巣を取り除ける場合に限られる。

以下のような場合は、業者に相談する目安となる。

  • 戸袋が2階にあり、外側から作業する必要がある
  • 雨戸や戸袋の板が外れない
  • 巣にまだヒナや卵がいて、待たずに取りたい(許可の手続きが要る。東京都の場合は西東京市の案内のとおり)
  • 巣を取ったあと、口をふさぐ作業まで任せたい

業者に依頼する際は、ムクドリなどの鳥の巣の撤去に対応しているか、事前に業者のウェブサイトや電話で確認しておこう。

費用は、戸袋の数、階数、作業内容によって異なる。金額の目安は、この記事では扱わない。

まとめ|戸袋の鳥の巣

  • 戸袋の鳥の巣は、卵やヒナがいるかどうかで扱いが変わる。今夜は開けない
  • 鳥獣保護管理法の第8条の対象は「鳥獣」と「鳥類の卵」で、条文に「巣」の語は無い
  • 西東京市の案内では、空の巣は種類に関係なく誰でも撤去できる。ヒナや卵のいるムクドリの巣の撤去には、東京都の許可が要る
  • 繁殖期は4月から7月(西東京市)。ムクドリは3月下旬から7月(新潟市)
  • 営巣から1か月から1か月半で巣立つ(西東京市)。声と出入りが止まってから次へ進む
  • ふさぐのは、巣を作る前か、空になった後だけ。浦安市は戸袋に防鳥ネットを張る方法を挙げている
  • 2階・雨戸が外れない・ヒナがいるときは、自分で進めず相談する

戸袋ではなく、天井裏や屋根裏から音がするなら、屋根裏に何かいる|音と鳴き声で正体をどこまで絞れるかで、音と鳴き声からどこまで絞れるかを書いている。

この記事で引用した資料

  • 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(e-Gov 法令)第2条・第8条・第83条 2026-10-20 確認
  • 環境省「狩猟制度の概要」https://www.env.go.jp/nature/choju/hunt/hunt2.html 2026-10-20 確認
  • 環境省「捕獲許可制度の概要」https://www.env.go.jp/nature/choju/capture/capture1.html 2026-10-20 確認
  • 三鷹市「みたかいきもの図鑑 ムクドリ」https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/019/019473.html(最終更新 2023年6月5日) 2026-10-20 確認
  • 西東京市「野鳥」https://www.city.nishitokyo.lg.jp/kurasi/kankyo/animals/yachou.html(最終更新 2024年5月22日) 2026-10-20 確認
  • 浦安市「ムクドリやカラスなどの鳥獣について」https://www.city.urayasu.lg.jp/todokede/kankyo/1015349/1022571.html(更新 令和6年7月2日) 2026-10-20 確認
  • 新潟市「ムクドリによる生活環境被害」https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/kankyo/hozen/shizenfureai/wild/injury/greysterling.html(最終更新 2012年6月1日) 2026-10-20 確認

竹内 亮太(たけうち りょうた)

家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。

害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。

音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

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