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壁の中から音がしても、それがネズミかどうかも、壁の中のネズミがどこから入ってきたのかも、すぐには分からない。中野区保健所の写真集には「一般の家には外壁と内壁があり、天井、床下、全ては空間でつながっています。」とある。だから、ネズミの入り口は家の外側の隙間が考えられる。
中野区の写真集では、屋外編の見出しで「ポイントは 2.5cm の隙間です」と書いている。同じ写真集の4ページには「1cm程度の隙間から侵入します。」とも書かれている。
音だけでは、壁の中にいるのがネズミとは限らない。今夜できることは、音がした時間と場所をメモしておくこと、そして明るくなってから家の周りのどこをチェックするか決めておくことくらいだ。
壁の中のネズミはどこから入るか|家の外とつながる隙間
東京都保健医療局の「行政担当者のための ねずみについてよくある質問&回答集」には、壁の中の音についての質問がある。「1 ねずみの生態に関する質問」の Q6 で、「夜中に壁の中で音がするが、ねずみは壁の中にも入るのか。」という問いだ。
これに対する答えは、「入る。特に床下や天井、戸袋から侵入しやすい。場合によっては壁の割れ目からも侵入する。」となっている。
壁の中にいる理由についても、同じ回答で触れられている。「内壁と外壁の間には断熱材などが入れられており、さらに雨風や外敵からも守られているので暖かく、ねずみにとって絶好の営巣場所である。」
どこから入ってくるかについては、同じ回答集の「3 ねずみの防除に関する質問」の Q3 にある。「ねずみがどこから入ってくるのか判らない。どうしたらいいか。」という質問だ。
答えでは、木造住宅で侵入口になりやすい場所がいくつか挙げられている。「エアコンのダクトや電線を通すために外壁に開けた貫通部分の隙間、屋根と壁の間の隙間、外壁にできた割れ目や穴、家の基礎の通気口など」だ。
入り口の目印についても書かれている。「ねずみの侵入口には、体の汚れがついて黒く汚れていたり、足跡、齧り跡などのいわゆるラットサインがあったりするので、これらを目安に侵入口を見つけて塞ぐことが大事である。」
天井で音がする場合の答えは、同じ章の Q4 にある。外から天井までの間に、どこか侵入口があるだろうという内容だ。この Q4 は、ネズミの音がする天井を叩く前の記事でも触れている。
壁の中で音がする場所と、侵入口の場所|天井裏・床下とのつながり
中野区の写真集の4ページ「ネズミの侵入路を断つ」には、「一般の家には外壁と内壁があり、天井、床下、全ては空間でつながっています。家の外・内両方の点検が重要です。」と書かれている。
壁の中は、天井裏や床下とつながっている。だから、音がする壁の裏だけが入り口の候補というわけではない。
東京都の回答集の「1 ねずみの生態に関する質問」の Q6 でも、入りやすい場所として、まず床下・天井・戸袋が挙げられている。壁の割れ目については「場合によっては」と書かれている。
中野区の写真集の1ページ目(屋外編)には、戸袋や換気扇の例も載っている。写真の説明には「雨戸の戸袋から壁の内部へ侵入することが多い」「戸袋内部の石膏ボードが削られていた例」「換気扇のダンパーが閉じないと壁を登り直接台所へ」とある。
音がする場所と実際の入り口が、家の中でどれくらい離れているかについて書かれた資料を、私は確認していません。だから、音がする壁の近くを見るだけでなく、家の周り全体をチェックする。
中野区と北区のページでは、家で見られるネズミの種類として、クマネズミが壁の中や天井裏に住むと書かれている。ただ、壁の中の音だけでクマネズミだと断定はできない。
今夜、壁の中の音を記録する項目
東京都の回答集の「1 ねずみの生態に関する質問」Q2 には、こう書かれている。「屋内に生息するねずみは、人に依存して生活しているので、人の生活パターンに左右され、人が寝静まった夜間や留守で人が不在の時間帯等に活動することが多い。」
中野区のページには「ネズミは寒さに弱いため、冬期や夜に家の中に侵入してきます。」とある。そして、「ほとんどの場合、屋内と屋外の出入りを繰り返しています。」とも書かれている。
今夜は、音がしたら次のことをメモしておく。
- 聞こえた時刻
- どの部屋の、どの面の壁か
- 床に近いか、天井に近いか
- 音が上へ動くか、下へ動くか、横へ動くか
- 聞こえた音を自分の言葉で(カリカリ、ガサガサなど)
- その日の天気と寒さ
この記録は、明るくなってから家の周りをチェックするときや、保健所や業者に相談するときに役立つだろう。
中野区のページには、ネズミの音の例が4つ載っている。かじる音の「カリカリ、ガリガリ」、天井裏を走る音の「ドドド、バタバタバタ」、断熱材のある屋根裏を走る音の「カサカサ、カサカサ」、鳴き声の「チューチュー、キーキー」だ。
Q&Aサイトの質問では「ガサガサ」という音を挙げる人もいるが、中野区の4つの例には「ガサガサ」は含まれていない。「ガサガサ」という音がネズミによるものかどうかを書いた公的な資料を、私は確認していません。壁の中の音がネズミなのかどうかを見分ける方法については、壁の中のカリカリ音の記事にまとめた。
家の外まわりで侵入口を見る所|中野区の写真集にある場所
中野区保健所の「ネズミの侵入箇所点検実例写真集」の1ページ目は屋外編で、見出しは「ポイントは 2.5cm の隙間です」。写真が12枚あり、説明が添えられている。
- 床下通風口の破損
- 破損はないが上部に隙間がある(鏡を使い下から見ること)
- フタなし散水栓ボックス
- 基礎と壁の間に隙間あり(鏡と指を使い点検)
- 角に特に隙間ができやすい(鏡の中に隙間が見えます)
- バランス釜排気口の上部
- 水道管の壁貫通部分
- エアコン配管の壁貫通部分(パテがはがれている)
- 配管にカバーがついている場合開口部に注意
- 雨戸の戸袋から壁の内部へ侵入することが多い
- 戸袋内部の石膏ボードが削られていた例
- 換気扇のダンパーが閉じないと壁を登り直接台所へ
同じ写真集の4ページ目「① 外壁の点検」には、「外側から、ガス管、水道管、電線、エアコン配管等の貫通部、通風口、戸袋の奥、基礎の通気口、基礎のズレ、トンネル等を確認します。窓、ドアの開けっ放しも要注意です。」とある。
中野区のページの「点検のポイント」では、外壁と室内で分けている。外壁については「通風口、戸袋、エアコンの配管・水道管などパイプ貫通部分、出窓の下部、屋根まわり」。室内については「換気扇、下水管、押入れの奥、引き出しの奥、戸棚の裏、配電盤、なげしの内側」だ。
見るべき場所は地面の近くだけではない。東京都ねずみ防除指針の「窓口対応の実践例」には、クマネズミについてこう書かれている。「クマネズミは壁や配管を上り下りし、配線や針金を渡り、1.5m程の幅を飛び越えることができ、また、1.25cm 程度以上のすき間があれば通り抜けるため、このような隙間がないか、建物外部の屋上から地上まで、及び建物内部を丹念に探すことが大切である。」
隙間の大きさについては、資料によって数字が異なる。
- 中野区の写真集:屋外編の見出しは「2.5cm の隙間」。4ページの本文は「1cm程度の隙間」
- 中野区のページ:「1センチメートル程度の隙間や穴からでも、自由に出入りができます。」
- 北区のページ:「ネズミの子どもや小型のネズミでは1センチメートル程度、大型のネズミでは2.5センチメートルのすき間が目安となります。」
- 東京都の回答集(3 ねずみの防除に関する質問 Q3):「クマネズミの場合、1.25㎝ の隙間があれば通り抜けることができる。」
中野区の写真集には、2.5cm や 1cm 程度という数字が、どのネズミの幅を指すのかは書かれていない。北区のページでは、小型は1センチメートル程度、大型は2.5センチメートルと分けて書かれている。
分電盤の周りは、自分で塞がない方がいい。中野区の写真集の2ページ目には、「分電盤やブレーカー周辺は、自分で穴ふさぎを行わないでください。感電や火災など思わぬ事故につながる恐れがあります。疑わしい時は必ず電気工事業者に依頼してください。」とある。
床下の通風口の話は、床下のカリカリ音の記事でも触れている。
侵入口を先に塞ぐか、追い出すのが先か|東京都の指針にある順番
東京都ねずみ防除指針の「防除の基本」には、穴を塞ぐ順番が書かれている。「穴塞ぎの手順は、最初は内側(居住空間側)から塞いでいき、各部屋ごとで区切り、ねずみの出ない部屋を作っていく。最後まで出る部屋、特によく見る部屋でねずみを追い詰めて粘着トラップ等で捕獲し、最後に外側から塞ぐ。」
外側から塞ぐのは、最後に行うことだ。
壁の中に巣がある場合の駆除方法については、東京都の回答集の「3 ねずみの防除に関する質問」の Q9 に答えがある。「壁の中で巣を作っているねずみは、どうやって駆除すればいいか。」という質問だ。
答えの始まりは「まず、壁の一部を取り外したり、切って穴を開け、巣を取り除くことが基本である。」となっている。続けて「壁への侵入口が分かればその周辺に毒餌を仕掛け、駆除された後、穴を塞いでおく。」とある。答えの最後は「専門業者に依頼する方がよい」となっている。
回答集の「3 ねずみ防除の技術的質問」の章にも、隙間を塞ぐことについての質問がある(この回答集では「3」の章が2つある)。Q3 は「家屋の隙間をふさいだら、逃げ場を失ったねずみはどうなるのか。」というものだ。
答えはこうだ。「屋内での餌の保管方法が完全なら、ねずみは餓死する。しかし、隙間は逃げるだけではなく、侵入にも使用されているので、家屋内の状況がそのままなら、従来どおり生息し続ける。」
同じ章の Q4 には「侵入のポイントとなる外部とつながった隙間は、通常はそれほど多くはない。」と書かれている。「目に付く隙間から塞いでいけば、次第に侵入ポイントが絞られてくる。」とも書かれている。
毒餌を使う際の注意点は、同じ章の Q8 にある。「毒餌による死に場所は限定できないので、家の中で死なれたくない場合は、トラップによる捕獲など殺そ剤以外の方法をとる方がよい。」
塞ぐ材料については、中野区のページにこう書かれている。「大きな穴にはトタン板や金網などを貼ります。小さな穴には金属たわしを詰めて塞ぎます。配電盤にはパテを使います。」
東京都の指針では、狭い場所の材料についてこう書かれている。「壁の穴や配管の貫通部分などの小さな空間には、不燃性のパテや金属タワシ、亀甲金網などねずみが嫌う、変形しやすいものを使用する」
北区のページには「ガス管や水道管、エアコン配管の貫通部分に隙間があれば、パテやモルタルで埋める。」とある。「換気扇のシャッターがきちんと閉じるか点検する。」とも書かれている。
かじられにくさについては、東京都の回答集の「1 ねずみの生態に関する質問」の Q10 にこうある。「ほとんどの建材はかじられる。金属でも、アルミニウム程度だとかじられる。」
壁の中のネズミは自分で捕ってよいか|保健所・区の窓口
環境省の「鳥獣保護管理法の概要」には、こう書かれている。「いえねずみ類3種については、鳥獣保護管理法の対象外とされています。」
このページには3種類の名前は書かれていない。中野区と北区のページでは、家で見られるネズミとして、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種類を挙げている。家ネズミと法律の関係については、ネズミを殺してはいけないかの記事にまとめてある。
区の窓口での対応は、区によって違う。
中野区のページには「ネズミでお困りの方に粘着シートと毒餌を無料で配布しています。(1家庭1回のみ)」とある。同じページには「区の事業として、ネズミの駆除はしていません。また、駆除費用の助成も行っていません。」とも書かれている。中野区の写真集には「ネズミ駆除に関するご相談は、中野区保健所 ☎ 3382-6662」とある。
北区のページには「保健所の窓口では、ネズミが侵入しやすい場所を明示したリーフレット等の資料を用いて、具体的な防除方法の助言をしています。」とある。「必要に応じて捕獲器の貸し出しを行っております。」とも書いている。殺鼠剤や粘着板のサンプルの配布は、令和3年3月31日で終了した。問い合わせ先は北区保健所 生活衛生課 環境衛生(電話 03-3919-0720)だ。
他の区や市の窓口で何をしているかについては、私は確認していません。住んでいる区や市のウェブサイトで、ネズミ相談の窓口を確認するのが良いだろう。
賃貸・集合住宅で壁の中から音がするとき
東京都の回答集の「3 ねずみの防除に関する質問」の Q7 には、マンションについてこう書かれている。「マンションの場合は管理組合が主体となって対策をとることが肝要である。」
同じ回答集の「2 ねずみの被害に関する質問」の Q8 は「集合住宅に住んでいるが、自分の家では駆除しても、また他から来てしまう可能性はあるか。」という問いだ。答えは「その可能性はある。近隣が一斉に駆除を行ったり、ねずみがいない時に防そ工事を施したりするなどの対策が重要である。」となっている。
賃貸の部屋で壁の中から音がするとき、管理会社にどう伝えればいいかについて書かれた公的な資料を、私は確認していません。管理会社への伝え方については、マンション・アパートの壁の音の記事や、天井がネズミ臭いときの記事にまとめた。
自分でできることの限界と、業者に頼む目安
自分でできることとしては、音を記録すること、家の周りの隙間やラットサインを見つけること、そして小さな隙間を塞ぐことくらいだ。
資料によると、業者に頼む場面もある。
- 壁の中の巣:東京都の回答集(3 ねずみの防除に関する質問 Q9)は「専門業者に依頼する方がよい」
- 高い所や広い範囲:同じ回答集(3 ねずみ防除の技術的質問 Q4)は「高所のため危険であったり、広範囲にわたって塞ぐ必要があるなどの場合は、専門の業者に頼む手もある。」
- 自分で塞げないとき:中野区のページは「自分で塞げない場合は、大工さんや専門業者などに依頼します。」
- 分電盤やブレーカーのまわり:中野区の写真集は「疑わしい時は必ず電気工事業者に依頼してください。」
業者の探し方については、中野区と北区のページで同じところが挙げられている。公益社団法人東京都ペストコントロール協会(03-3254-0014)だ。
北区のページには「防除を依頼する場合は、ご自身での費用負担となります。」とある。同じページでは、複数の業者から見積もりを取ってから依頼するように書かれている。
業者に相談するなら、害獣プロガードの公式ページで、対応エリアと現地調査・見積もりの扱いを先に確かめる
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
まとめ|壁の中のネズミの侵入口を探す順番
- 壁の中は天井裏や床下とつながっている(中野区の写真集)。音がする壁の裏だけを見ない
- 今夜は、音の時刻・壁の場所・動く向きを書き留める
- 明るくなってから、外まわりの貫通部・通風口・戸袋・基礎のまわりを見る。黒い汚れ・足跡・齧り跡が目印になる(東京都の回答集)
- 隙間の目安は資料ごとに違う。中野区の写真集は 2.5cm と 1cm 程度、東京都の回答集はクマネズミで 1.25cm
- 塞ぐ順番は、東京都の指針では内側から塞ぎ、最後に外側から塞ぐ
- 分電盤やブレーカーのまわりは自分で塞がない
- 区の窓口でしていることは区によって違う。賃貸なら管理会社にも話す
壁の中の侵入口が自分で見つからないときの相談先として、害獣プロガードの公式ページで対応エリアと見積もりの出し方を確かめる
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
この記事で見た資料
調べた日:2026年10月23日
- 東京都保健医療局「行政担当者のための ねずみについてよくある質問&回答集」 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/hokeniryo/shiryou_2
- 東京都保健医療局「東京都ねずみ防除指針」第三部「Ⅰ 防除の基本」「Ⅱ 窓口対応の実践例」 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/hokeniryo/kihon-1 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/hokeniryo/jissen
- 中野区保健所「ネズミの侵入箇所点検実例写真集」 https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kenko_hukushi/pet-eisei/pet-doubutsu/nezumi.files/nezumi2020.pdf
- 中野区「ネズミの被害にご注意を」 https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kenko_hukushi/pet-eisei/pet-doubutsu/nezumi.html
- 東京都北区「暮らしの中のネズミ対策」 https://www.city.kita.lg.jp/socialcare-health/hygiene/1008979/1026180/1009001/1009002.html
- 環境省「鳥獣保護管理法の概要」 https://www.env.go.jp/nature/choju/law/law1-1.html
竹内 亮太(たけうち りょうた)
家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。
害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。
音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

