
雨戸の戸袋にムクドリみたいな鳥が巣を作ることがある。業者に頼むと、戸袋の鳥の巣の撤去費用はいくらかかるのか。ネットで調べても、業者によって金額が全然違う。
戸袋の鳥の巣を撤去する費用について、公的な機関のサイトに金額が載っているか、私は確認していません。環境省や国民生活センター、自治体のサイトを7つ見た範囲では、撤去費用は書かれていなかった。
そこでこの記事では、業者が公開している鳥の巣の撤去料金を3つ紹介する。これは2026年10月20日に確認したものだ。3つの例だけなので、他の業者もこの金額とは限らない。金額だけでなく、その料金に含まれるもの、含まれないものも書く。見積もりを取る前に、今夜のうちに自分で確認しておくべきことも順に説明する。
戸袋の鳥の巣の撤去費用は、料金に何が入っているかで変わる
業者が公開している料金を3つ並べるが、順位はない。作業内容も場所の条件も3つとも違うので、単純に金額だけで比較することはできない。
→ 表は横にスクロールできます。
| サイトの金額 | 入っている作業(ページの記載) | 入っていない作業・別の料金 | 場所の条件 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1件目:ある業者の料金表 | 1か所 75,000円+消費税(10%)=82,500円/2か所 99,000円 | 戸袋の鳥対策工事。すべて室内から作業。最長2年の再発保証 | 戸袋の項目に内訳の記載なし(同じサイトの別の料金表に、点検口の新設・巣の撤去と清掃・侵入口ふさぎ・消毒の単価) | 戸袋に限定 | サイトに載っている。「よほど特殊なケースでない限り」別料金の加算なし |
| 2件目:ある出品サイトの出品 | 基本料金 建物 20,000円/箇所(税込)+雨戸等の戸袋内・シャッターBOX内(1F)8,000円 | 「カラスの追い出し / カラスの巣跡の清掃 / カラスの侵入防止対策」(出品のカテゴリに共通の記載) | 侵入口の閉塞1箇所5,000円〜・高所(3m以上5,000円、5m以上10,000円)は追加。卵やヒナは要相談。対応地域外の出張費は問い合わせ | 戸袋内(1F)の追加料金がある | 足し算。20,000円+8,000円=28,000円(合計はサイトに無い) |
| 3件目:ある業者のサービス | 1ヵ所 8,800円(税込)+出張料 3,300円(税込) | 鳥の巣の撤去 | ゴミの回収、ダニやノミの駆除や消毒はしない。開口工事と壁の中の巣は別料金 | 戸袋とは明記なし。戸建て専門で、賃貸・借家は受けない。卵やヒナがいる巣は受けない | 足し算。8,800円+3,300円=12,100円(合計はサイトに無い) |
1件目:ある業者の料金表(2026年10月20日確認)
戸袋の鳥対策工事の料金が、戸袋に限定して書かれている。
- 1か所の場合:75,000円+消費税(10%)=82,500円
- 2か所の場合:99,000円
- 作業について、ページには「すべて室内から行います」とある
- 料金について、ページには「よほど特殊なケースでない限り、この金額に別料金が加算されることはありません。」とある
- 最長2年の再発保証がある
3つの中で、合計金額がサイトに載っているのはこの1件だけだ。
ただ、戸袋に関する項目には、工事内容の内訳が書かれていなかった。同じサイトの別の料金表には、点検口の新設、巣の撤去と清掃、侵入口をふさぐ作業、消毒の単価が載っている。これらが戸袋の工事費用に含まれているのかは、戸袋の項目には書かれていない。私は確認していません。
2件目:ある出品サイトの出品(2026年10月20日確認)
建物の基本料金に、巣がある場所ごとの追加料金が加わる形になっている。
- 基本料金(税込):建物 20,000円/箇所
- 場所の追加料金:雨戸等の戸袋内・シャッターBOX内(1F)8,000円
- 高所の追加料金:3m以上の高所5,000円、5m以上の高所10,000円
- 侵入口の閉塞1箇所5,000円〜は追加
- 卵やヒナがいる場合は要相談
- 対応地域ではない場合の出張費は問い合わせ
サイトの数字を足すと、1階の戸袋1か所で20,000円+8,000円=28,000円になる。この合計金額はサイトには書かれていない。追加料金の欄に、税込か税別かの記載もない。2階の戸袋の場合、高所作業の追加料金がかかるのかどうかも、サイトには書かれていない。私は確認していません。
作業内容として書かれているのは、「カラスの追い出し / カラスの巣跡の清掃 / カラスの侵入防止対策」だ。これは、出品のカテゴリに共通して書かれている内容で、ムクドリの巣のために書かれたものではない。
サイトの上部には「追加料金一切なし」と表示されている。しかし、同じページには「事前にうかがった状況と大きく異なる場合は、追加料金が発生することがあります」とも書かれている。
3件目:ある業者のサービス(2026年10月20日確認)
鳥の巣の撤去料金が「1ヵ所」という単位で書かれている。戸袋の料金とは明記されていない。
- 定価(税込):1ヵ所 8,800円、2ヵ所目以降は1ヵ所ごとに+1,650円
- 出張料:3,300円(税込)
- そのサービスを初めて使う人は、1ヵ所 6,600円で出張料が無料
定価と出張料を足すと、8,800円+3,300円=12,100円になる。この合計金額はサイトには書かれていない。
サイトの注意書きには、対応できない作業がいくつか並んでいる。
- 戸建て専門で、「賃貸物件、集合住宅(アパート・マンション)、ビル、店舗、工場等の作業はお受けすることができません」
- 借家も受けない
- 巣の中に卵やヒナがいる場合は受けない
- ハシゴが掛けられない場合と、3階の屋根部は受けない
- 作業で出たゴミは回収しない
- ダニやノミの駆除や消毒はしない
- 開口工事が要る場合と、壁の中の巣は別料金
1件目と3件目では、料金に含まれる内容が大きく違う。1件目は、室内から戸袋の工事を行う場合で、再発保証も付いている。3件目は巣の撤去で、消毒やゴミの回収は含まれない。金額の違いは、こうした内容の違いと切り離して考えることはできない。
ムクドリの巣の撤去費用で、別の料金になりやすい作業
3つの料金を見ると、基本料金とは別に書かれている作業もある。見積もりを取る際は、これらの作業が含まれているか確認しよう。
- 点検口の新設:1件目の別の料金表に、戸袋内点検口新設 12,000円/1個がある
- 巣の撤去と清掃:1件目の別の料金表に、巣撤去・清掃 4,500円/1㎡がある
- 侵入口ふさぎ:1件目の別の料金表に、小1,500円・中2,500円(1ヶ所)がある。2件目では侵入口の閉塞1箇所5,000円〜が追加料金になっている
- 消毒:1件目の別の料金表に、ノミ・ダニ消毒 950円/1㎡(10㎡まで)がある。3件目は消毒をしない
- 高所:2件目では、3m以上・5m以上の高所に追加料金がある
- 出張料:3件目は出張料3,300円(税込)が別になっている
1件目の別の料金表にある単価には、税込か税別かの記載がない。
巣が戸袋ではなく屋根裏にある場合は、屋根裏の鳥の巣についての記事にまとめている。
賃貸の戸袋の鳥の巣、撤去費用は誰が払うか
賃貸物件の戸袋に鳥の巣がある場合は、業者に連絡する前に、まず管理会社か大家に相談してほしい。
この問題に関係する民法の条文が3つある。
- 第606条第1項:「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。」
- 第607条の2:借りている人が自分で修繕できるのは、修繕が必要だと貸している人に通知したのに相当の期間内に修繕されないときか、急迫の事情があるとき
- 第608条第1項:「賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。」
条文には「鳥の巣」や「戸袋」という言葉はない。戸袋の鳥の巣の撤去が「使用及び収益に必要な修繕」にあたるかどうか、そして誰が費用を負担するかは、契約書の内容や個別の状況によって変わってくる。私は確認していません。
国民生活センターは、害虫・害獣駆除のトラブルについて2025年3月4日に発表した内容で、「賃貸住宅ならば、事業者へ依頼する前に管理会社や大家等に相談するのも一法」と述べている。ただし、この発表の事例はゴキブリ駆除のもので、鳥の巣の事例ではない。
先ほど紹介した3件目の業者は、賃貸物件や借家の作業は受けないとサイトに書いている。賃貸に住んでいる方は、この料金では依頼できない。
卵やヒナがいる巣は撤去を頼めないことがある
鳥獣保護管理法の第8条では、「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。」と定められている。
第83条第1項第1号は、第8条に違反して「狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をしたとき」に罰則が適用されるとしている。罰則は「一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」だ。
環境省の狩猟制度に関する案内によると、ムクドリは狩猟鳥獣に含まれている。また、同じ環境省の捕獲許可制度の表では、狩猟の対象は「狩猟鳥獣(46種、鳥類のひな及び卵を除く)」と書かれている。ムクドリのヒナが第83条第1項第1号のどの文言に当たるのかは、私は確認していません。
巣自体の扱いについては、自治体の案内が参考になる。西東京市の案内では、巣にヒナや卵がいる場合、カラス・ドバト・ムクドリの巣を市民が撤去するには東京都の鳥獣捕獲許可が必要とされている。浦安市の案内には、「すでに卵や幼鳥がいる場合は、捕獲などの許可を受けた事業者などで作業を行う必要があります」と書かれている。
業者によっても対応が分かれる。2件目の出品は、卵やヒナがいる場合は相談が必要としている。3件目の業者は、卵やヒナがいる巣は受け付けていない。見積もりの前に、戸袋の中に卵やヒナがいるかどうかを伝えられるようにしておこう。
戸袋の巣の取り方と、撤去した後のふさぎ方については、戸袋の鳥の巣の記事に分けて説明している。
鳥の巣の撤去費用で揉めないために、見積もりで聞くこと
3つの料金の違いを踏まえると、見積もりで確認すべき点は以下の通りだ。
- 料金に何が入っているか(巣の撤去・清掃・侵入口ふさぎ・消毒・点検口)
- 合計はいくらか。基本料金に足す追加料金はあるか
- 出張料は別か
- 2階や高い場所の戸袋に追加料金が当たるか
- 作業で出たゴミを持ち帰るか
- 卵やヒナがいる場合に受けるか。許可が要る場合、誰が取るのか
- 賃貸や借家でも受けるか
国民生活センターは2024年4月24日に、害虫・害獣駆除サービスのトラブルについて発表した。問題点として、インターネット上の料金と実際の料金が大きく異なること、不安をあおって契約を急がせること、書面に具体的なサービス内容が書かれていない場合があることなどを挙げている。この発表の事例はゴキブリ、ハチ、ネズミ、コウモリのもので、鳥の巣の事例ではない。
2025年3月4日の発表では、「〇〇円から」と表示された料金で必ずしも依頼できるとは限らないこと、複数の業者から見積もりを取ること、納得できない場合はその場で支払わないことなどを挙げている。
見積もりや請求で困ったときは、消費者ホットライン「188」に相談してほしい。
自分でできることの限界と、業者に頼む目安
巣が空であれば、業者に頼まずに済む場合がある。西東京市の案内では、「巣が空の状態なら、野鳥の種類に関係なく誰でも巣を撤去できます」とある。浦安市の案内にも、巣が空であれば取り外してごみとして処分できると書かれている。
西東京市によると、巣を作ってから1か月から1か月半ほどでヒナが巣立ち、巣は空になる。
卵やヒナがいる場合は、前の項で説明した通りだ。西東京市の案内では、ムクドリの巣を市民が撤去するには東京都の許可が必要だ。浦安市は、私有地の巣は所有者が撤去するか専門業者に依頼するもので、市では撤去できないとしている。西東京市も、市では撤去や費用の負担はしないと書いている。
業者に依頼する目安は、次の3つだ。
- 卵やヒナがいて、巣立ちを待てない
- 戸袋が2階以上で、自分では手が届かない
- 巣を取ったあと、侵入口ふさぎや消毒まで頼みたい
まとめ|戸袋の鳥の巣の撤去費用
- 戸袋の鳥の巣の撤去費用は、業者が公開している3件(2026年10月20日確認)で、82,500円(税込・戸袋1か所)、ページの数字を足すと28,000円(1階の戸袋1か所)、12,100円(税込・場所の限定なしの1ヵ所)だった
- 3件は、料金に入っている作業も場所の条件も違う。金額だけで比べない
- 賃貸なら、業者より先に管理会社か大家に連絡する
- 卵やヒナがいる場合は、西東京市の案内では、ムクドリの巣を市民が撤去するのに東京都の許可が要る。受けない業者もある
- 巣が空なら、誰でも撤去できると西東京市は案内している。営巣から1か月から1か月半くらいで巣は空になる
- 見積もりでは、何が入っているか・追加料金・出張料・ゴミの回収・消毒を聞く。困ったら188
戸袋ではなく、天井裏や屋根裏から音がして正体が分からないなら、屋根裏に何かいる|音と鳴き声で正体をどこまで絞れるかで、音と鳴き声からどこまで絞れるかを書いている。
この記事で引用した資料
- 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 第8条・第83条(e-Gov 法令検索・2026年10月20日確認)
- 民法 第606条・第607条の2・第608条(e-Gov 法令検索・2026年10月20日確認)
- 環境省「捕獲許可制度の概要」「狩猟制度の概要」(2026年10月20日確認)
- 国民生活センター「ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意-若い年代でトラブル急増中!-」(2024年4月24日公表・2026年10月20日確認)
- 国民生活センター「【広告の格安料金に要注意!】作業後に高額請求する害虫駆除トラブル」(2025年3月4日公表・2026年10月20日確認)
- 西東京市「野鳥」(2026年10月20日確認)
- 浦安市「ムクドリやカラスなどの鳥獣について」(2026年10月20日確認)
- 業者が公開している料金のページ3件(2026年10月20日確認)
竹内 亮太(たけうち りょうた)
家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。
害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。
音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

