スズメの糞害|車・洗濯物・ベランダのフンに今夜すること

家の周りにスズメが集まって、車の屋根や洗濯物、ベランダの手すりに毎日フンが落ちる。
スズメの糞害は、どこからフンが落ちてくるかで、相談する相手が変わる。
もし電線から落ちているなら、送配電会社に連絡する。近所での餌やりが原因でスズメが集まっているなら、市区町村や自治会に相談する。
スズメは狩猟鳥獣に指定されているが、だからといって家の周りで勝手に捕まえていい鳥ではない。
ここでは、フンの掃除の仕方、フンを減らすための工夫、相談先、スズメを捕まえられない理由、そして巣がある場合の対応について、順に書く。

スズメのフンを掃除するときに気をつけること

スズメのフンに特化した掃除方法について、公的な案内は、私は確認していません。
似たものとして、東大阪市がハトのフンについて次のように案内している。
「ハトのふんには有害な菌が含まれている場合がありますので、掃除をする際は、フンに直接触れたり、乾燥し飛散したフンを吸入しないよう、手袋やマスクを装着し、まず水で流すか、流せない場合でも一度水に濡らして、飛散しないようにして片付けてください。」

これはハトについての市の案内だが、スズメのフンにも同じような菌が含まれているかは、私は確認していません。
もし、この方法をスズメのフンに適用するとしたら、手袋とマスクを着用する。乾いたフンはそのまま掃かずに、水で流すか、水で濡らしてから片付ける。

東大阪市は、フンがあるとハトが安心して寄ってくるため、まずフンを掃除して清潔に保つよう勧めている。
これもハトについての案内だ。車の塗装や洗濯物についたスズメのフンを落とす方法について、公的な案内は、私は確認していません。

車・洗濯物・ベランダのスズメの糞害を減らす方法

ベランダの手すりに止まらせない

ハトについての東大阪市の案内には、手すりやひさしにハトが止まるのを防ぐ方法として「テグス法」が紹介されている。
これは、釣りに使うテグス糸やステンレスワイヤーを、手すりの上面から5〜6センチメートルの位置に張る方法だ。手すりの幅が広い場合は、約5cm間隔で数本張る。
それでも効果がない場合は、進入口全体をネットで覆うことも提案されている。その他にも、不要なものを片付ける、人の気配を出す、夜間にライトを当てる方法も書かれている。

これはハトについての市の案内であり、スズメに対して同じ高さや間隔が有効かどうかは、私は確認していません。

エサになるものを外に出さない

北九州市は、野生の鳥や獣に餌を与えると、「市街地に多くの鳥獣が集まり、フン害や鳴き声による騒音など、生活被害や農作物への被害が起こる」と注意を促している。
同じページでは、餌となるごみやペットの餌を屋外に放置していると、野生の鳥獣を呼び寄せる原因になるとも書かれている。家の外に、ごみやペットの餌を出しっぱなしにしていないか確認する。

車と洗濯物の真上に何があるかを見る

フンが落ちている場所の真上に電線がある場合は、次の見出しの送配電会社への相談が当てはまる。
もし真上が軒下や屋根の場合は、巣がないか確認する。
洗濯物を干す場所や車を止める場所を、フンが落ちる場所から移動できるなら移動させる。車や洗濯物をスズメのフンから守るための道具について、公的な案内は、私は確認していません。

電線にとまるスズメの糞害は電力会社に相談できるか

電線にとまった鳥のフンに関する相談を受け付けている送配電会社がある。
ウェブサイトを確認した3社は、どれもスズメの名前は挙げず、鳥のフンの相談として案内している。

東京電力パワーグリッドは、鳥の糞害に関する問い合わせについて、こう案内している。
「鳥の糞害に関するお問い合わせにつきましては、東京電力パワ-グリッドのHPからお申し込みをお願いしております。」

四国電力送配電は、電線に鳥が止まって下の車や洗濯物が汚れるという問い合わせに対し、「現地確認の上、鳥害を防止するための効果的な対策について、ご相談させていただきますので、当社の最寄りの事業場までご連絡ください。」と回答している。

九州電力送配電は、「鳥の糞被害でお困りの場合は、最寄りの当社配電事業所へご相談ください。」と案内している。

これらの3社とも、具体的にどのような対策を行うかについては、開いたよくあるご質問のページには書かれていなかった。また、費用がかかるかどうかや、どのような器具を取り付けるかについては、私は確認していません。
この3社以外の送配電会社の案内についても、私は確認していません。
お住まいの地域の送配電会社の問い合わせ窓口で、電線にいる鳥のフンについて相談に乗ってくれるか確認する。

近所の餌付けでスズメが集まるときの糞害の相談先

新潟市は、野鳥に餌をあげる人がいてフンの被害が出ているという相談に対して、野鳥に餌をやること自体には鳥獣保護管理法上の制限はないと説明している。ただし、鳥や獣に安易に餌を与えないように、国や県から指導があることも伝えている。また、餌をやりすぎると、結果的に近所に迷惑がかかることがあるとも述べている。
その上で、新潟市は「自治会長などと相談しながら、まずは地域内での解決を試みてください。」と答えている。問い合わせ先は、各区役所の区民生活課生活環境係と、環境部環境政策課だ。

北九州市は、市内で野生の鳥や獣への餌やりに関する被害の相談や目撃情報が多く寄せられていると書いている。市では、餌やりをしないように促すチラシも用意している。このページの作成者は産業経済局農林水産部鳥獣被害対策課だ。

これらの2市は、どちらもスズメの名前を具体的に挙げてはいない。あくまで野鳥や野生鳥獣というくくりでの説明だ。
野鳥への餌やりは、鳥獣保護管理法では特に制限されていない(新潟市)。
新潟市がまず勧めているのは、自治会長などと話しながら、地域内で解決策を探ることだ。
問い合わせ窓口の部署名は市によって違うので、お住まいの市区町村の環境や鳥獣担当の部署に聞く。
近所での餌やりを条例で禁止している自治体があるかどうかは、私は確認していません。

スズメを捕まえて減らせない理由と、自分でできることの限界

鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)には、決まり事が定められている。
第八条には、「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。」と書かれている。
第二条第一項では、「鳥獣」を、鳥類か哺乳類に属する野生動物と定義している。
第八条で禁止されていることにも例外があり、第九条第一項の許可を得た場合や、第十一条第一項に基づいて狩猟鳥獣を捕獲する場合などが該当する。

スズメは狩猟鳥獣に含まれる。
環境省の「狩猟制度の概要」によると、狩猟鳥獣は鳥獣保護管理法施行規則で46種類(鳥類26種類、獣類20種類)と定められている。
その鳥類26種類の一覧には、スズメの名前も載っている。

ただし、狩猟鳥獣であっても、誰でも自由に捕獲できるわけではない。
狩猟を行うには、まず狩猟免許を取得し、狩猟を行う都道府県で狩猟者登録をする必要がある。
狩猟免許には、網猟、わな猟、第一種銃猟、第二種銃猟の4種類がある。
狩猟ができる期間は、北海道以外の地域では毎年11月15日から翌年の2月15日までだ。
北海道以外の猟区内では10月15日から翌年3月15日まで、北海道では10月1日から翌年1月31日までとなっている。
対象となる狩猟鳥獣や都道府県によっては、この期間が延長または短縮されることもある。

禁止されている猟法の中には、以下の2つがある。
「鳥類並びにヒグマ及びツキノワグマの捕獲のため、わなを使用する方法」
「つりばり又はとりもちを使用する方法」

罰則については、第八十三条第一項に定められている。
このうちスズメに関係する次の3つの号は、いずれも一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金の対象になる。

  • 第一号:第八条に違反して、狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲等、又は鳥類の卵の採取等をしたとき。「鳥類の卵」に鳥の種類の限定は無いので、スズメの卵もここに入る
  • 第二号:狩猟可能区域以外の区域で、又は狩猟期間外に、狩猟鳥獣の捕獲等をしたとき
  • 第六号:第五十五条第一項に違反して、登録を受けないで狩猟をしたとき

同じ条の第二項では、第一号から第三号までなどの行為の未遂も罰するとされている。
第九条第一項では、鳥獣の管理などの目的で捕獲などをする場合は、都道府県知事の許可を得る必要があると定めている(国指定鳥獣保護区などでは、環境大臣の許可が必要だ)。

狩猟免許も登録も持っていない人が、家の周りにいるスズメをわなやとりもちで捕まえて減らすことはできない。
自分でできることとしては、フンの掃除をしたり、スズメが止まりにくくする工夫をしたり、餌になるものを片付けたりすることくらいだ。
電線のフンについては送配電会社に、近所での餌やりについては市区町村や自治会に相談する。

軒下・屋根にスズメの巣があるとき

第八条で禁止されているのは、鳥獣の捕獲等や、鳥類の卵の採取等だ。
第八条、第九条、第八十三条の本文には、「巣」という言葉は出てこない。
それでも、巣に卵がある場合、その卵を取ることは第八条の「鳥類の卵」の採取等にあたる。

巣の撤去に許可がいるか、市役所に頼めるかは、雀の巣駆除は市役所に頼めるかで扱っている。
玄関の真上にツバメの巣があり、ふんが落ちるときは、玄関の鳥の巣対策を読んでほしい。

まとめ|スズメの糞害に今夜すること

  • フンは、手袋とマスクを付け、水で流すか濡らしてから片付ける(東大阪市のハトのふんの案内)
  • フンの真上に何があるかを見る。電線か、軒下や屋根の巣か
  • 電線なら、住んでいる地域の送配電会社に相談する(開いた3社は相談を受け付けている)
  • ベランダの手すりには、ハトの案内では上面から5〜6センチメートルの位置にテグスを張る方法がある
  • ごみやペットのエサを外に出したままにしない
  • 近所の餌やりは、自治会長などと相談し、住んでいる市区町村の担当に聞く
  • スズメを自分で捕まえない。卵の採取や狩猟期間外の捕獲は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金の対象になる

家の中の天井や屋根裏から物音がするときは、屋根裏の音の正体を絞り込む記事を読んでほしい。

この記事で引用した資料

  1. e-Gov 法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000088
  2. 環境省 自然環境局「狩猟制度の概要」 https://www.env.go.jp/nature/choju/hunt/hunt2.html
  3. 新潟市役所コールセンター「野鳥に餌をやっている人がいてフンの被害があるのですが、どうしたらよいですか。」 https://www.4894.call.city.niigata.jp/Faq/B0042712
  4. 北九州市「野生鳥獣への餌付け防止のお願い」 https://www.city.kitakyushu.lg.jp/contents/27500065.html
  5. 東大阪市「ハトの被害にお困りの方へ」 https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000022077.html
  6. 東京電力パワーグリッド よくあるご質問「電線に鳥が止まり、糞害にあって困っているのでなんとかしてほしい」 https://pgfaq.tepco.co.jp/faq/show/412
  7. 四国電力送配電 よくあるご質問(電線に止まる鳥で下の車や洗濯物が汚れるという問い) https://faq-nw.yonden.co.jp/hc/ja/articles/5030237787422
  8. 九州電力送配電 よくあるご質問「電柱や電線にとまった鳥の糞で困っているのですが?」 https://www.kyuden.co.jp/td/functions/faq/distribution.html

(2026年10月27日に確認)


竹内 亮太(たけうち りょうた)

家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。

害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。

音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

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