
※このサイトには広告を含みます。
夜、床下からカリカリ音がする。ガリガリとかじるような音や鳴き声が混じることもある。ネズミが床下から音を立てているのか、他の動物なのか、あるいは家の音なのか、音だけでははっきりしない。
この記事では、まず今夜、床下に入らずに確認できることから説明する。その後、毒餌を使う前のこと、捕獲に関する決まり、そして誰に相談すればよいかについて述べる。記事中の数字や決まりは、東京都の各区・保健所、大東市、福井市、環境省、国民生活センターの情報を参考にした。
床下からカリカリ音がするとき、資料で言えるのは「かじる音の可能性」まで
中野区のウェブサイトでは、ネズミがいる可能性が高い音として「木をかじっている。(カリカリ、ガリガリ)」を挙げている。また、「鳴き声が聞こえる。複数いる可能性が高い。(チューチュー、キーキー)」という音も紹介している。
ただし、中野区ではこれらの音の場所を「天井や壁の内側」としている。床下という言葉は、このページには無い。そのため、床下から聞こえるカリカリ音にそのまま当てはまるかどうかはこの情報だけでは判断できない。
ネズミがかじる理由について、中野区は「ネズミは一日に0.5ミリメートルずつ伸びる歯を削るため、堅いものをかじります。」と説明している。「隙間を広げ通りやすくするためにもかじります。」ともあり、かじられたものの例として「電線」「ガス管」「壁」を挙げている。
歯が伸びることについては、天井のガリガリ音の記事で詳しく書いた。
今回参照した公的なページには、床下の音を種類だけで動物ごとに見分ける情報はなかった。
床下のガリガリ音と鳴き声|ネズミか、ほかの動物か
床下にはネズミ以外の動物も住み着くことがある。自治体のページには、次の動物が床下に住み着くことがあると書かれている。
- イタチ:「床下、天井裏に住み着くこともあり」(大東市)
- アナグマ:「床下に住み着くことがある」(福井市)
- タヌキ:「床下に住み着くことがある」(福井市)
大東市は、イタチが「断熱材(グラスウール)を剥ぎ取り、巣材とすることもあります」とも書いている。
ネズミにも種類があり、北区はドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種類を挙げ、ドブネズミは「地面に穴を掘る」としている。どの種類が床下に多いかについては、私は確認していません。
鳴き声で床下の動物の正体を見分けられるかだが、今回参照した公的ページで鳴き声が記載されていたのはネズミ(中野区の「チューチュー、キーキー」)だけだった。イタチ・アナグマ・タヌキ・ハクビシン・アライグマの鳴き声は、私は確認していません。鳴き声だけで判断するのは避けた方が良い。
床下のイタチについては、床下のイタチの記事にまとめている。
床下の音が水を使ったあとだけなら|配管の音を先に外す
床下の音が、台所や風呂場、トイレで水を使った後にだけ聞こえる場合がある。その際は、音が鳴った時刻と水を使った時刻が重なるか記録する。もし重なるなら、動物だと断定する前に水回りをまず確認する。
壁の中で響くドン・コンという水道の音については、壁のドン音の記事で触れている。床下の配管の音を書いた公的なページは、私は確認していません。
今夜、床下にもぐらずに見るところ|床下収納・点検口と外の通気口
正体が分からないうちは、床下には入らない。家の中と外から見える範囲だけを確認しよう。
家の中:床下収納・点検口
台所の床下収納や点検口を開け、懐中電灯で照らせる範囲を見る。フンや毛を見つけた場合は、触らずにその場所を記録しておく。
多摩立川保健所は、ネズミの「痕跡(糞・毛など)」を持ち込めば「可能な範囲で同定」すると案内している(事前に電話が必要)。他の保健所が同様の対応をしているかは、私は確認していません。
家の外:床下の通気口
家の外からは、床下の通気口(通風口)を確認する。金網が破れていないか、周囲に隙間がないかを見る。
ネズミが通れる隙間の大きさは、自治体によって記述が異なる。
- 北区:「1センチメートル程度」(子どもや小型のネズミ)、「2.5センチメートルのすき間が目安」(大型のネズミ)
- 江東区:「約1.5センチメートルぐらい」
- 中野区:「1センチメートル程度の隙間や穴からでも、自由に出入りができます」
北区は通風口について、「金網を張るなどして隙間を1センチメートル以下にする」と書いている。福井市も、アナグマやタヌキ対策として「床下の通風口をしっかり修理する」ことを挙げている。
ネズミより大きな動物では、イタチは「3cm程度の隙間にも侵入」する(大東市)。ハクビシンは「8センチメートル四方の隙間にも入り込む」(中野区)。
床下のカリカリ音を今夜から記録する項目
記録する項目は5つある。
- 鳴った時刻と、続いた長さ
- 鳴った場所(台所の下、床下収納のあたり、トイレの下、風呂場の下など)
- 音の種類(カリカリ・ガリガリ、走る音、鳴き声)
- 水を使った時刻と重なるか
- 録音できたか
中野区は、ネズミは「夜行性のため、おもに夜間に活動します」と書いている。「ほとんどの場合、屋内と屋外の出入りを繰り返しています」ともある。これらの項目を数日間記録しておくと、相談する際に役立つ。
天井裏の音で記録する項目についても、天井のガリガリ音の記事で触れている。
床下に毒えさ・くん煙剤を使う前に|奥で死んだときのこと
江東区は、殺そ剤について「殺そ剤を食べたねずみはどこで死ぬかわからず、腐敗しやすいため、気温が高い時期の使用は推奨しません。」と注意を促している。
殺鼠剤を置いた後についても、「当日中は食べないことがあるので、数日間は様子を見てください」とあり、さらに「乳幼児やペットが誤って殺そ剤を口にしないよう」注意を求めている。
殺鼠剤の効果には限界がある。北区は、殺鼠剤は「一般的に、クマネズミには効きにくいといわれています」とし、「ネズミの好む環境がある限り、殺鼠剤や粘着板による駆除を行っても、十分な効果が得られない可能性があります」とも述べている。江東区も、わなと殺鼠剤は「いずれの方法も一時的な解決に過ぎない」としている。
死骸の処理について、中野区は「すぐに回収し処分しましょう」と指示し、「清掃事務所で引き取ります」としている。床下の奥で死んだ場合の取り出し方については、ここでは公的な情報を見つけられなかった。
くん煙剤(バルサンなど)を床下で使用する際の注意点を書いた公的なページは、私は確認していません。
床下の動物は勝手に捕まえられないことがある|自治体の窓口
環境省によると、鳥獣保護管理法の対象には、平成14年の法改正でネズミやモグラ類も含まれるようになったが、「いえねずみ類3種」は対象外とされている。これらの3種については、天井のガリガリ音の記事で詳しく説明している。
それ以外の鳥獣は、「原則としてその捕獲、殺傷又は採取」が「禁止されています」(環境省)。許可を出すのは「環境大臣又は都道府県知事」だ。
自治体のページにも同様の記載がある。
- 大東市(イタチ):「許可のない駆除や捕獲はできません」
- 中野区(ハクビシン・アライグマ):「野生鳥獣は法律により、許可なく捕獲することはできません」
アナグマやタヌキの捕獲に関する扱いは、福井市のページには書かれていなかった。他の資料でも、私は確認していません。
捕獲器を貸し出している自治体もある。大東市では、許可証を出したうえで、イタチ用の捕獲器を原則2週間貸し出している。中野区の箱わな(ハクビシン・アライグマ)は、対象が「戸建て住宅」で、設置期間は「1週間」。「ベランダや天井裏への設置はできません」とある。床下に関する記載は、このページにはなかった。
東京都の各区や保健所では、ネズミに関する相談を受け付けている。ただし、多摩立川保健所は「防除や駆除作業は実施しておりません」と明記している。中野区も、区の事業としてネズミ駆除は行っておらず、費用助成も行っていない。
対応内容は区によって異なる。
- 北区:助言と「必要に応じて捕獲器の貸し出し」
- 江東区:「必要に応じて殺そ剤を窓口で配付」
- 中野区:粘着シートと毒餌を「無料で配布」(「1家庭1回のみ」)
この3区と多摩立川保健所のほかで、どのような対応がされているかについては、私は確認していません。お住まいの区市町村のページや窓口で確認する必要がある。
賃貸・集合住宅の1階で床下から音がするとき
集合住宅の場合、自治体の対策対象から外れることがある。中野区の箱わなは、マンションやアパートなどは対象外となっている。
江東区のページには、私有地については「当該私有地の管理者(所有者)に直接ご相談ください」という一文がある。これは公共施設などの相談先を並べた中の一文であり、賃貸物件の床下の音について直接書かれたものではない。
賃貸物件の床下の音について、管理会社に伝えるべきかどうかを書いた公的なページは、私は確認していません。マンションやアパートの音と管理会社については、壁のカリカリ音(マンション・アパート)の記事にまとめている。
自分でできることの限界と、業者に頼む目安
自分でできるのは、確認と記録、そして外の通気口のチェックまでだ。ネズミであれば、殺鼠剤や粘着シートを置くことも可能だ。ただし、江東区は、わなも殺そ剤も「一時的な解決に過ぎない」と書いている。いえねずみ類3種以外の動物は、原則として許可がなければ捕獲できない。
業者に相談する目安は、いくつかある。
- 記録しても、ネズミかほかの動物かを絞れない
- ネズミ以外の動物で、許可がないと捕まえられない
- 住んでいる区市町村が駆除をしていない
- 毒えさを使うと、床下の奥で死ぬのが心配
業者の紹介は、公益社団法人東京都ペストコントロール協会が行っている。電話番号は「03-3254-0014」(北区・江東区・中野区のページで同じ番号)で、費用は自己負担となる。複数の業者から見積もりを取るよう案内されている。
床板を剥がす工事を勧められた場合は、見積もりの内訳で、どこをどの範囲まで作業するのかを確認することが大切だ。床板を剥がす必要があるかどうかの判断基準を書いた公的なページは、私は確認していません。
国民生活センターは、「害虫・害獣駆除サービス」の相談が「2023年度は2022年度同期と比べて約1.5倍に増加」したと公表している(2024年4月24日)。注意点として、「消費者の不安をあおり、契約を急かす勧誘」や「極端に安い価格」を挙げている。困ったときの相談先は、消費者ホットライン「188(いやや!)」だ。
業者ごとに、対応している動物や地域が異なるため、相談前に公式ウェブサイトで確認しておくと良い。
業者に相談するなら、害獣プロガードの公式ページで、対応エリアと現地調査・見積もりの扱いを先に確かめる
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
まとめ|床下からカリカリ音がした夜にすること
床下からのカリカリ・ガリガリ音の原因を、音だけで特定することは難しい。中野区は、木をかじるカリカリ・ガリガリをネズミの可能性が高い音としているが、その場所は天井や壁の内側としている。
今夜することは4つだ。
- 床下にもぐらない
- 床下収納や点検口から見える範囲と、外の通気口を見る
- 時刻・場所・音の種類・水を使った時刻を記録する
- 動物を自分で捕まえようとしない
明日からは、お住まいの地域の保健所や窓口に相談する。業者に依頼する場合は、見積もりの内訳で作業の範囲を確認すること。契約で困ったことがあれば、「188」に電話して相談しよう。
床下の音の正体が絞れないときの相談先として、害獣プロガードの公式ページで対応エリアと見積もりの出し方を確かめる
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
この記事で引用した資料
調べた日:2026年10月22日
- 東京都北区(ネズミの防除) https://www.city.kita.lg.jp/socialcare-health/hygiene/1008979/1026180/1009001/1009002.html
- 東京都多摩立川保健所(衛生害虫などの相談) https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/hokenjyo/tthc/kankyou/soudan/eiseigaichuu/soudandouteikuzyo
- 江東区(ねずみ) https://www.city.koto.lg.jp/260403/fukushi/ese/sekatsu/nezumi_index.html
- 中野区(ネズミ) https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kenko_hukushi/pet-eisei/pet-doubutsu/nezumi.html
- 中野区(ハクビシン・アライグマ) https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kenko_hukushi/pet-eisei/pet-doubutsu/hakubishin.html
- 環境省(鳥獣保護管理法の概要) https://www.env.go.jp/nature/choju/law/law1-1.html
- 環境省(捕獲許可制度の概要) https://www.env.go.jp/nature/choju/capture/capture1.html
- 大東市(イタチ) https://www.city.daito.lg.jp/soshiki/35/24912.html
- 福井市(アナグマ・タヌキ・イタチ) https://www.city.fukui.lg.jp/sigoto/nourin/choujyu/p021462.html
- 国民生活センター(2024年4月24日 公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240424_1.html
竹内 亮太(たけうち りょうた)
家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。
害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。
音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

