家鳴りが多い・頻度が高いのは異常か|ミシッ・パキッを今夜数える

家鳴りが多い。何十秒かおきにミシッ、パキッと鳴るんだけど、この家鳴りの頻度は普通なのか、それとも誰かに見てもらった方がいいのか、はっきりしない。

結論から言うと、家鳴りの回数に「何回までなら普通」という基準は、住まいの公的な相談窓口と国の資料には書かれていなかった。

だから今夜は、どれくらい鳴るのか、どのくらいの間隔で鳴るのか、どこで鳴るのかを数える。この記録があれば、専門の人に相談するときや、動物の音じゃないか確認するときに役立つはずだ。

家鳴りの頻度に「何回までなら普通」という公的な基準はあるか

「住まいるダイヤル」っていう、国土交通大臣が指定している相談窓口がある。これは「公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が運営しているものだ。

このセンターの「よくあるご相談一覧」には、家鳴りという言葉は載っていなかった。

同じセンターが出している『住宅相談統計年報2025』にも、「家鳴」という言葉は見当たらない。

大阪府のくらしの騒音の資料や、国土交通省の木材の経年変化の資料にも、家鳴りの回数の目安は書かれていなかった。

この4つのほかに家鳴りの回数の基準があるかは、私は確認していません。

インターネットで検索すると、家鳴りを経験する家の割合や、家鳴りが落ち着くまでにかかる年数についての情報が出てくるページもある。ただ、その数字の元になっている元の情報(一次情報)は、私は確認していません。

公的な統計で「音」に関するものとしては、「床鳴り」がある。年報では、音に関する相談を「床鳴り」「異常音」「遮音不良」の3つに分けて集計している。

戸建て住宅では、この3つの中で床鳴りの割合が一番高い。

でも、床鳴りは家鳴りとは違うものとして扱われている。だから、床鳴りの数字をそのまま家鳴りの数字として当てはめることはできない。

家鳴りが多くなる季節・冷暖房・築年数について公的資料で言えること

国土交通省の資料では、木材の変形の発生要因として「温湿度の変化による含水率の変動」が挙げられている。

具体的な現象として書かれているのは「収縮、膨潤、隙間、曲り、反り、暴れ、捻れなど」だ。

干割れが起きやすい部材には「空調機の温風が直接あたるような部材」が挙げられている。

木材の接合部分で「ゆるみ」や「隙間・がたつき、釘の浮き」が起こる原因にも、「温湿度の変化による木材の膨潤・収縮」がある。

ただ、この資料には音についての記載はなかった。木が伸び縮みすることが音につながる、とは書かれていないのだ。

なので、季節の変わり目や暖房を使い始めた日に家鳴りが多くなるかどうかは、自分の家で記録を取って比べてみるのが一番確実だろう。

家が建ってからの年数についても同じだ。家鳴りが何年くらいで減るのか、という公的な数字は、私は確認していません。

床鳴りについては、年報に数字がある。新築の相談で床鳴りが起きた時期は、「1年未満までに4割弱」だった。

これはあくまで床鳴りの数字だ。家鳴りにも同じことが言えるかどうかは、この年報からは分からない。

家鳴りの頻度を今夜から数える項目(時刻・場所・音・間隔・天気)

家鳴りを数えるときは、時間を決めて行うといい。例えば30分間、というように時間を区切って、その間に何回鳴ったかを数える。

書いておく項目は次のとおり。

  • 鳴った時刻
  • 部屋の名前と、天井・壁・床のどこから聞こえたか
  • 聞こえたままの音(ミシッ、パキッ、ピシッなど)
  • 前の音からの間隔(何秒、何分)
  • 決めた時間の中での回数
  • その日の天気と、暖房や冷房を入れていたか
  • 音が1か所で鳴ったのか、場所が動いたのか

間隔で伝えると、相手にも状況が伝わりやすいだろう。Yahoo!知恵袋には、「家鳴り(ミシッ、パキッ)が40秒くらいに一回」という築14年の家についての質問もあった。

これを数日続けてみると、家鳴りが増えたのか、それとも天候や冷暖房の使用と重なっているのかが見えてくるはずだ。

最後の「場所が動いたか」という項目は、次の2つの見出しで使うことになる。

家鳴りが多いうえに、戸の閉まりにくさや壁のすき間があるとき

鳴った回数と合わせて見ておきたいのは、家自体の変化だ。例えば、ドアや窓が閉まりにくくなった、壁や床に隙間やひび割れができた、などの変化だ。こうした変化が家鳴りの増え方と重なるようであれば、記録を持って専門家に相談した方が良いだろう。

住まいに関する相談をするなら、「住まいるダイヤル」の電話相談が利用できる。

電話番号は03-3556-5147だ。

受付は10:00~17:00(土、日、祝休日、年末年始を除く)。

相談に答えてくれるのは建築士だ。窓口のページには「経験豊富な建築士が、直接電話で相談をお受けします」と書かれている。

相談時間は30分程度が目安だそうだ。

「固定電話からは、全国どこからでも市内通話料で利用出来ます(一部のサービスを除く)」とも記載されている。

混み具合については、「月曜日・金曜日・連休明け、午前中から14時頃までは電話が込み合う傾向」とある。

電話相談の予約をすることも可能だ。

家鳴りという言葉が出てくる公的な資料で、土砂災害に関するものもある。群馬県砂防課のページでは、地すべりの前兆の一つとして「家鳴りがする!」という項目が挙げられている。

その説明は「地すべりにより斜面が急激に移動することで、地面の変形や移動している斜面の境界付近で変状が起きて、建物等に傾きやきしみが生じ、家鳴りを起こす現象です」だ。

同じ表には、「建物等の変形!(戸の締まりが悪くなる。壁に隙間ができる)」という項目も並んでいる。

群馬県のページで挙げられているのは、斜面が動くことで起こる家鳴りだ。公的な資料で家鳴りがどのように扱われているかについては、「家鳴りはマンションでも起きる|鉄筋のミシミシ音の見分け方」に書いた。

家鳴りではなく動物の音のことがあるとき(足音・ガリガリ・カサカサ)

家鳴りが多いと感じる音の中に、実は性質の違う音が混ざっていることがある。

例えば、天井の端から端へ音が移動するような場合。あるいは、ガリガリと何かを削るような音がずっと続く場合。カサカサ、トトトと連続して鳴る音などもそうだ。こういう音は、1回ずつ「ミシッ」「パキッ」と鳴る音とは分けて記録しておく必要がある。

音の種類だけで、その正体を断定することはできない。音が移動したり、かじるような音が続いたりする場合は、別のページにその確認方法をまとめている。

自分でできることの限界と、業者に頼む目安

自分でできることとしては、鳴った回数、間隔、場所を記録すること、そして家の変化を観察することまでだ。

家鳴りの原因を、音だけで判断することはできない。

もし、家自体に変化があったり、家鳴りの回数が急に増えて何日も落ち着かなかったりする場合は、記録を持って住まいの相談窓口へ行くのが良いだろう。住まいるダイヤルの他に、家を建てた会社やリフォーム会社に相談するという方法もある。

音が移動するような音や、かじるような音が続く場合は、家鳴りとは分けて考える。先ほど触れたガリガリ音のページで確認方法を見た上で、害獣の業者に見てもらうかどうかを判断するといいだろう。

まとめ|家鳴りが多いと感じたら今夜やること

  • 家鳴りの回数に「何回までなら普通」という基準は、住まいの公的な相談窓口と国の資料には書かれていなかった
  • 今夜は時間を決めて、家鳴りの回数・間隔・場所・音を数える
  • 天気と冷暖房も書いておくと、家鳴りが多い日と重なるかを比べられる
  • 戸の閉まりにくさや壁のすき間が重なるなら、記録を持って住まいるダイヤル(03-3556-5147)などに相談する
  • 音が動く・かじるような音が続くなら、家鳴りとは分けて、動物の音のページで確かめる

この記事で引用した資料

確認日はどれも2026年10月21日。

  • 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいるダイヤル」 https://www.chord.or.jp/
  • 同「電話相談サービスのご案内」 https://www.chord.or.jp/consult_tel/index.html
  • 同「よくあるご相談一覧」 https://www.chord.or.jp/faq/index.html
  • 同『住宅相談統計年報2025』 https://www.chord.or.jp/assets/NP2025_web..pdf
  • 大阪府 くらしの騒音の資料 https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/86011/siryohen.pdf
  • 国土交通省「資料編(施設の性能に影響を与える木材の経年変化)」 https://www.mlit.go.jp/common/001192969.pdf
  • 群馬県 砂防課「土砂災害の前兆現象!(一例)」 https://www.pref.gunma.jp/page/11345.html

竹内 亮太(たけうち りょうた)

家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。

害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。

音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

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