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マンションでも家鳴りはする。鉄筋コンクリートだからって、音がしないわけじゃないんだ。
夜中に「ミシミシ」って音がすると、まず「家が壊れるんじゃないか?」って不安になる。次に「隣の部屋の音かな?」って思う。この記事では、その順番で話を進めていこうと思う。
公的な資料を6件当たって、中身を読めたのは5件だった。そのうち「家鳴り」という言葉が出てきたのは2件で、どちらも地すべりとか土砂災害の前兆の話ばかりだった。住んでいる住宅で起こる家鳴りについて、公的な資料で説明されているものは、この探し方では見つからなかったんだ。
公的資料に「家鳴り」が出てくるのは土砂災害の前兆だけだった
例えば、佐倉市の防災ガイドブックには、土砂災害の前兆現象として、いくつかの項目が挙げられている。
〈前兆現象〉●地鳴り、家鳴りがする ●根の切れる音がする
農林水産省の地すべりに関する資料にも、住民の人たちの証言が載っていて、家鳴りについても触れられている。
納屋がミシミシ鳴っていた。
大きな木が倒れるときにはミシミシといった音がする。
柱や障子の変形がひどくなり、隙間を埋めるなどの補修をしても、しばらくするとまたあいてくる。
建具の建て付けが悪くなることがある。
つまり、公的な資料で家鳴りが危険だとされているのは、この2つのケースだけ。どちらも地面が動いているような状況の話で、平地に建つマンションの話とは少し違う。
もし斜面やその近くに住んでいるなら、この前兆に当てはまるかどうか、確認してみる価値はある。例えば、「地鳴りと一緒に家鳴りがする」とか、「木の根が切れるような音がする」、「戸や障子が急に閉まりにくくなった」なんてことがあれば、単なる建物の音と片付けず、土砂災害の前兆かもしれないと思って、お住まいの市区町村の防災窓口に連絡するのがいいだろう。
そうでないなら、この2つのケースは当てはまらない。そして、平地のマンションで起きる家鳴りを危険と結びつけた公的な資料は、この探し方では見つからなかった。音がするだけで、建物が倒れるかどうかを判断する材料は、公的な資料にはなかったんだ。
ネットで検索すると、上位に出てくるページは「家鳴りとは何か」を説明しているものが多い。読めば分かったような気になるけど、その説明の出どころは、必ずしも公的な資料ではないみたいだ。
家鳴りがひどいマンションでも、音が隣から来ているとは限らない
壁から「ミシミシ」って音がすると、つい隣の部屋を疑ってしまう。天井から音がすると、上の階を想像する。
でも、大阪府が出している「くらしの騒音問題ハンドブック」では、そういった疑い方を正面から否定している。
固体伝搬音は、建物の構造体を広く伝搬するため、天井から騒音が聞こえたとしても、音源は直上とは限らず、斜め上の場合や、極端な例では、隣や下階という場合もあります。
同じ資料には、音がどう伝わるかについても説明がある。
足音や物音などにより、建物の構造体(鉄筋コンクリートや鉄骨など)が振動し、隣家だけでなくある程度遠くの家まで、天井や壁から音として伝わります。
つまり、音が聞こえた壁の向こうに、必ずしも音源があるわけではないってこと。斜め上から聞こえてくることもある。資料では、極端な例として、隣や下の階から聞こえる場合もあると書かれている。
隣に苦情を言う前に、このことを知っておくといい。音の聞こえ方と、実際の音が出ている場所は、鉄筋コンクリートの建物だと、離れていることがあるんだ。
家がミシミシ音がする鉄筋でも矛盾しない|鉄筋が強いのは空気を伝わる音
鉄筋コンクリートは、一般的に音が伝わりにくいと言われている。UR都市機構の説明も、そういった内容だ。
一般的に木造は鉄筋コンクリート造に比べて防音が難しく、遮音性能が低くなる傾向にあります。
遮音等級の目安なんかも示されている。
・L-50(鉄筋コンクリート造)子供の泣き声や走り回る音、大きな音は聞こえますが、日常の生活音レベルであればほぼ問題ありません。
・L-75(木造)隣の部屋のテレビや電話の音など、日常の生活音でも聞こえます。
ここで、大阪府の資料とURの説明を組み合わせて考えてみよう。
URが挙げている音の中で、声やテレビの音は「空気を伝わる音」だ。この音は、コンクリートの厚みで減衰する。一方、足音や物音のような「構造体を伝わる音」は、鉄筋を通って広く伝わってしまう。大阪府の資料が言っているのは、まさにこの構造体を伝わる音のことなんだ。
だから、「鉄筋コンクリートなのに音がする」というのは、矛盾していない。空気を伝わる音は入りにくいけど、構造体を伝わる音はまた別の話ってことだ。
ただし、家がミシミシ音がするマンションで、具体的にどこが鳴っているのかを書いた公的な資料は、この探し方では見つからなかった。検索で上位に来るページも見てみたんだけど、質問サイトがほとんどで、鉄筋コンクリート造の家鳴りをきちんと解説している記事は、ほとんど見当たらなかったんだ。
暖房と冷房をつけたときに家鳴りがするなら
公的な資料で分かっているのは、木材の中の水分量が、温度や湿度によって変化するということまでだ。
国土交通省の資料では、木材の性能に影響を与える要因として、水分が挙げられている。
水分(雨水、生活用水、それらの漏水、結露、雪氷、湿気)(温湿度の変化による含水率の変動)
温度や湿度が変化すれば、木材の中の水分量も変わる。
ただ、水分量が変化したときに、木材がどれくらい動くのか、その具体的な数値までは、公的な資料では見つけられなかった。森林研究・整備機構の資料に当たろうとしたけど、取得できなかったんだ。これが6件のうち読めなかった1件になる。そして、木材の含水率の変動がマンションの家鳴りの原因だと書いた公的な資料も、この探し方では出てこなかった。
だから、ここでは記録をつけることを提案したい。日付、時刻、暖房か冷房をつけたか、あるいは切ったか、そしてどんな音だったか。これを数日間記録してみると、エアコンの操作と音のタイミングが重なっているかどうかが見えてくるはずだ。管理会社や業者に相談する際の材料にもなるだろう。
動物の音とどう分けるか
天井裏に動物がいる場合も、「ミシミシ」という音が出ることがある。断熱材や配線を押しのける力があれば、建材が動くこともあるからだ。
音を分けるための手がかりは3つある。
まず1つ目は、エアコンの操作と連動するかどうか。温湿度に連動する音は、エアコンをつけたり切ったりした直後に集中することが多い。一方、動物の音は、エアコンの操作とは関係なく、もっとランダムに出ることがある。中野区の資料には、ネズミについての記述がある。
夜行性のため、おもに夜間に活動します。ただし、安全だと判断した場合は、昼間でも活動する場合があります。
もし、エアコンを切っている時間帯にも音が続いているのに、夜間に音が偏っているなら、動物のほうに寄る。
昼間に家鳴りがする場合、鳴った時刻だけでは判断が難しい。動物も、安全だと感じれば昼間に活動することがあるからだ。この場合、昼に鳴ったかどうかではなく、エアコンの操作と重なるかどうかを見るのがポイントになる。
2つ目は、音が鳴る場所が変わるかどうか。いつも同じ場所から音がするのか、それとも天井の端から端へと移動しているのかを聞き分けて、記録してみよう。ただし、動物の音が建物の構造体をどう伝わるかについては、公的な資料では確認できないので、鳴る場所だけで断定するのは避けた方がいい。
3つ目は、音の後に何か痕跡が残るかどうかだ。動物がいる場合、フンや天井のシミが見つかることがある。もし天井にシミが出ているなら、音よりも先にシミの確認をした方が早い。
ただ、大阪府の資料では、「足音や物音」について触れているだけで、動物の音については具体的に書かれていない。動物の音も、人の足音と同じように構造体を伝わるのかどうかは、この資料からは判断できない。この資料で確かめられるのは、人の足音や物音が構造体を広く伝わり、音源が必ずしも直上とは限らない、というところまでだ。
自分で確かめられること、確かめられないこと
自分で確かめられることは、以下の4つだ。音の種類から正体を絞る手順は別にまとめてある。
- 日付と時刻、エアコンの操作状況、音の種類を数日間記録する
- 音が鳴る場所が一定か、それとも移動しているかを聞き分ける
- 戸や障子、サッシの開け閉めが、急に重くなっていないか試してみる
- 天井や壁にシミが出ていないかを確認する
3つ目の建具の動きについては、地すべりの前兆の聞き取り調査にも出てきた項目だ。建具の建て付けが悪くなる、隙間を埋めてもまた開いてくる、こうした状況があれば、斜面の近くに住んでいるなら注意して見ておくべきだろう。
一方で、確かめられないこともある。コンクリートの中や天井板の上は、外からは見えない。躯体のひび割れや、床下の状態も同様だ。動物がいるかどうかも、点検口から覗き込まないと分からない。
音の記録を持って、管理会社か管理組合に相談するのが次の一手になる。分譲マンションなら管理組合、賃貸なら管理会社か大家さんだ。同じ棟の他の部屋でも、似たような相談が出ていないかを聞いてみるのもいいだろう。
▶ フンやシミなど動物の跡が見つかったら、無料の電話かメールで相談してみる(マンションにも対応)
※相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
まとめ|家鳴りがマンションで起きたときにやること
まずは、日付と時刻、エアコンの操作状況、音の種類を数日間記録してみよう。音が鳴る場所が一定か移動しているかを聞き分けることも大切だ。戸や障子の開け閉めが重くなっていないか試してみたり、天井や壁にシミが出ていないか確認したりするのもいい。
公的な資料を6件当たって、中身を読めたのは5件。「家鳴り」という言葉が出てきたのは2件で、どちらも地すべりや土砂災害の前兆に関するものだった。平地のマンションで起こる家鳴りとは、少し状況が違うんだ。
音が聞こえる場所に、必ずしも音源があるわけではない。大阪府の資料によると、天井から音が聞こえても、音源は直上とは限らず、斜め上だったり、極端な例では隣や下の階だったりすることもある。隣に苦情を言う前に、このことは知っておくといい。
鉄筋コンクリートが音に対して強いのは、空気を伝わる音に対してだ。構造体を伝わる音は、それとはまた別なんだ。木材の中の水分量は、温度や湿度で変化する。ただ、マンションのどこが鳴っているのかを具体的に書いた公的な資料は、この探し方では見つからなかった。
昼間の家鳴りについては、鳴った時間帯だけでは原因を特定しにくい。エアコンの操作と重なるか、あるいは音の後に何らかの痕跡が残るかで判断するのがいいだろう。
コンクリートの中や天井板の上は、自分では見ることができない部分だ。記録をまとめて、管理会社か管理組合に相談するのが次の一手になる。もしフンやシミが出ているようなら、動物の可能性から先に調べてみるのがいい。
この記事で引用した資料
本文で引用した資料を、引用した順に並べた。

