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新築の家で天井から音がするのは気になりますよね。家自体の問題なのか、それとも天井裏に何かいるのか、どちらか気になるところです。
音だけでは何が原因か分かりません。この記事では、新築の天井から聞こえる音を「家鳴り」「設備」「動物」の3つに分けて説明します。そして、その音について施工会社に相談すべきか、専門業者に天井裏を見てもらうべきかを判断するための記録の取り方を紹介します。
新築の天井から音がするとき、この記事で分けるのは家鳴り・設備・動物の3つ
まず1つ目は「家鳴り」です。これは、木材が乾燥する時に出るきしむような音のことです。
2つ目は「設備」の音です。換気ダクトが振動して、それが支えの部品を通して天井に伝わることがあります。水道管や排水管から音が出ることもあります。
3つ目は「動物」です。天井の上で何かが動いているような音が聞こえる場合です。
新築の家の天井から聞こえる音で、この3つのどれが多いかを示す公的なデータは、私は確認していません。
音だけで原因を特定するのは難しいので、記録を取って、相談する相手に見せられるようにしておくのが良いです。
音の種類ごとの絞り込みについては、天井の物音の記事で詳しくまとめています。ここでは、新築だからこそ起こりやすいことと、施工会社に伝えるべきか、業者に依頼すべきかの判断基準について説明します。
新築の天井でパキッ・ミシミシと鳴る音|木材の乾燥によるきしみ音か
「住まいるダイヤル」(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)の専門家相談事例に、「新築木造住宅の天井付近から異常音が発生している」という相談がありました。
この相談は2014年1月のものです。家は建ててから2年経っていました。
ベランダの真下にあたる1階の天井付近から、冬になると木がきしむような「ミシミシ」という音がするという内容でした。施工業者が対応してくれなかったという話も書かれていました。
これに対して回答した建築士は、「木材の乾燥による“きしみ音”」の可能性を指摘しています。
その上で、冬の乾燥する時期や「天井裏の温度と内部の温度差が大きい時に」、「数年にわたり大きな音がすることがあります」と答えています。
これはあくまで1件の相談への回答です。新築の家鳴りが何年くらい続くのかを示す公的なデータは、私は確認していません。
同じ回答では、建物の構造に問題がない限りは、様子を見ても良いとしています。また、施工業者に原因調査を改めて依頼することも提案されています。
この相談事例で挙げられている音は「ミシミシ」という音です。「パキッ」という音を家鳴りとして扱った公的な資料は、私は確認していません。
家鳴りが起こる仕組みについては、マンションの家鳴りに関する記事で説明しています。
新築の家で「ミシミシ」という音がする場合は、その音が鳴った日の季節や天気、時刻を記録しておくと良いです。冬の乾燥や温度差と関係があるのかどうかが、後で分かるようになります。
新築の天井に伝わる配管・換気ダクトの音
平成15年7月の建築基準法改正により、1時間あたり部屋の容積の0.5回分の換気を、24時間行うことが義務付けられました。
「住まいるダイヤル」の住宅紛争処理技術関連資料集では、換気設備の騒音について、いくつか分類しています。
ファンモーターの音や振動。
空気がファンやグリルを通るときの音。
換気装置の振動が、支えの部品を通して天井材やダクトに伝わる音。
外の音や隣の部屋の声が、ダクトから入ってくる音。
騒音の種類を記録する際、「運転時に天井や壁を伝わってくると思われる唸りのような騒音」という項目があります。
原因としては、「風の強い日に、排気口に風の圧力がかかり」ファンの音が大きくなることが挙げられています。
防振ゴムがないこと、接続部分の緩み、逆流ダンパーの癒着なども原因として考えられます。
給水管や排水管も騒音源として挙げられています。給水管では、水の流れる音や、水を急に止めたときに発生する「ウォーターハンマ音(水撃作用音)」があります。
排水管では、流水音と流下音が発生します。
同じ資料集には、「騒音の種類の特定は難しいため、先入観で断定することは避けること」とも書かれています。
資料集で設備の音として挙げられているのは、唸り音、流水音、ウォーターハンマ音、ファンの音です。
換気設備の音かどうかは、換気を止めて確認することができます。資料集に載っている確認方法では、すべての換気装置を止めてから、1台ずつ運転して音を確認します。
24時間換気システムは、スイッチを長押しするなどして止めるタイプのものがあります。停止方法は取扱説明書で確認してください。
風の強い日にだけ音が大きくなる場合は、その日の天気も記録しておきましょう。
一定の間隔で音が鳴る場合の測り方については、天井の音が一定の間隔で鳴る場合の別の記事で説明しています。
天井で足音やカサカサが動くとき|新築の天井裏の動物と鳥
この記事で引用した家鳴りや設備の資料には、きしみ音、唸り音、流水音、ファンの音が出てきます。天井の上を動くような足音は、これらの音には含まれていません。
もし、足音や「カサカサ」という音が天井の上を移動するようであれば、天井裏に動物や鳥が入っている可能性も考えてみてください。
家の築年数と、動物が入りやすいかどうかを関連付ける公的なデータは、私は確認していません。新築だからといって、動物が入らないとは限りません。
鳥については、先ほどの資料集に手がかりがあります。換気設備の使い方の確認項目に、「排気口内部に鳥などが巣を造っていることがないか確認する」というものがあります。
天井裏にスズメなどの鳥が入る頻度や季節を示す公的なデータは、私は確認していません。
鳥の巣を見つけても、すぐに撤去できるとは限りません。
「鳥獣保護管理法」の第8条には、「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。」とあります。条文には「巣」という言葉は出てきません。
環境省のウェブサイトには、「鳥獣又は鳥類の卵については、狩猟により捕獲する場合を除いて、原則としてその捕獲、殺傷又は採取(以下「捕獲等」という)が禁止されています」とあります。
被害がある場合などは、環境大臣または都道府県知事の許可があれば捕獲等が可能になります。
巣の扱いについては、自治体のウェブサイトに記載されています。
大阪府のウェブサイトには、「巣の中に卵やヒナがいる場合、巣を撤去していただくことはできません。」とあります。
また、「巣の中に卵やヒナがいない場合は、巣を撤去していただくことは可能です。」とも書かれています。
ツバメについては、「ヒナは約2週間で巣立ちます。」とあります。
世田谷区のハトに関するページには、「ヒナや卵がある場合は、巣立ってから巣を取り除いてください。」と書かれています。作業を行う際は、「必ず手袋やマスクをつけて」行うように注意書きがあります。
足音の正体が何であるかは、音だけでは判断できません。どのような擬音でどこまで絞り込めるかについては、天井の物音に関する別の記事で説明しています。
新築の天井の音を今夜から記録する項目(時刻・天気・場所・続き方)
「住まいるダイヤル」の資料集では、紛争処理の調査で事前に確認する項目として、「不具合事象の発見時期(新築後経過年数)」と「季節・天候等との相関関係」を挙げています。
施工会社に伝える場合も、専門業者に天井裏を見てもらう場合も、これらの項目を記録しておきましょう。
今夜から、以下の項目を記録してみてください。
- 日付と時刻
- 天気と風の強さ
- 音がした場所(どの部屋の天井か、部屋のどのあたりか)
- 聞こえた音(聞こえたままの言葉で)
- 続き方(一度で終わったか、続いたか、天井の上を動いたか)
- 換気を止めたときに音が止まったか
- 引渡しの日から何年たったか
音が録音できる場合は、スマートフォンなどで録音しておきましょう。言葉での説明と録音の両方があると、相手に伝えやすくなります。
施工会社に伝えるとき|引渡しからの年数と10年の範囲
新築住宅の売主や請負人には、法律で定められた10年間の責任があります。ただし、その10年間が適用される範囲は決まっています。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品確法)」の第94条は、注文住宅の請負人の責任について定めています。
請負人は、「注文者に引き渡した時から十年間」、建物の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について、担保責任を負います。
第95条では、建売住宅の売主についても、同様に引き渡しから10年間の担保責任を定めています。
国土交通省のウェブサイトにも、新築住宅の売主などは「10年間の瑕疵担保責任を負うこととされています」と記載されています。
契約によっては、この期間を延長することも可能です。第97条には、「注文者又は買主に引き渡した時から二十年以内とすることができる」とあります。
法律でいう「新築住宅」とは、第2条第2項で「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)」と定義されています。
10年間の担保責任が適用される具体的な部位は、施行令の第5条に列挙されています。
構造耐力上主要な部分とは、基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版、横架材を指します。
雨水の浸入を防止する部分とは、屋根、外壁、これらの開口部の戸やわくなどの建具を指します。また、雨水を排除する排水管のうち、屋根や外壁の内部、または屋内にある部分も含まれます。
このリストに、「天井」という言葉は含まれていません。
そのため、天井から音がするというだけで、直ちに10年間の瑕疵担保責任の対象になるとは限りません。
対象になるかどうかは、音の原因が、上記の10年間責任の対象となる部位の瑕疵にあるかどうかで決まります。どの音がそれに当たるのかについては、私は確認していません。まずは施工会社に原因を調べてもらうことから始まります。
10年間の対象とならない部分については、先ほどの相談事例で弁護士が回答しています。その期間は契約書で定められており、多くは「1〜2年程度」とのことです。これは法律で定められた期間ではなく、あくまで1件の相談事例における見解です。お手元の契約書で期間を確認してください。
原因を調べるために、天井に穴を開けることがあります。同じ相談事例の弁護士は、調査費用をどちらが負担するかを、調査前に決めておくようにアドバイスしています。
施工した会社が倒産しているなどで、修理してもらえない場合もあります。
国土交通省のウェブサイトによると、保険が付いた新築住宅であれば、保険法人に直接保険金を請求できます。保険に加入しているかどうかは、契約時の説明や契約書面で確認してください。
連絡先については、「引渡し時に受け取った書類に記載されている保険法人に連絡してください」とあります。
施工会社との話し合いで解決しない場合は、「住まいるダイヤル」の電話相談を利用できます。相談の例に、「住宅の不具合について、事業者との話し合いがまとまらない」というものがあります。
電話番号は03-3556-5147です。受付時間は10:00〜17:00で、土曜、日曜、祝休日、年末年始は休業です。
「固定電話からは、全国どこからでも市内通話料で利用出来ます(一部のサービスを除く)」と書かれています。
「評価住宅、保険付き住宅の方はフリーダイヤルを利用できます」ともあります。フリーダイヤルの番号は別のページにあります。その番号は、私は確認していません。
相談には、「経験豊富な建築士が、直接電話で相談をお受けします」とあります。相談時間は30分程度が目安です。
自分でできることの限界と、業者に頼む目安
ご自身でできることとしては、音の記録を取ること、換気をすべて止めてから1台ずつ運転して音を確認すること、そして引き渡し日と契約書の期間を確認することです。
天井の中は、下から見ても分かりません。音だけで原因が特定できないのは、そのためです。
鳥の巣が見つかっても、卵やヒナがいる場合は撤去できません。
換気を止めて音が消えるようであれば、設備からの音である可能性が高まります。唸り音もこちらに含まれます。流水音は、換気ではなく給水管や排水管の音として資料に出てきます。新築の場合、まずは施工会社に伝えましょう。
冬の乾燥した日や、温度差が大きい時に「ミシミシ」と音がする場合は、家鳴りの可能性があります。記録を続け、建物の構造が気になる場合は、施工会社に原因調査を依頼してください。
天井の上を足音や「カサカサ」という音が移動する場合は、天井裏に何かが入っている可能性を調べる必要があります。天井裏の調査を行っている業者に見てもらうことを検討してください。
▶ 天井の上を足音やカサカサが移動するときに、天井裏を見てもらえるか害獣の業者に電話かメールで相談する
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
まとめ|新築の天井から音がしたら今夜やること
新築の家の天井から聞こえる音は、「家鳴り」「設備」「動物」の3つに分けて考えると分かりやすいです。音だけで原因を断定することはできません。
今夜からできることは、次の3つです。
- 日付、時刻、天気、場所、聞こえた音、続き方を書き留める
- 換気を全部止めてから1台ずつ動かして、音が出るか確かめる
- 引渡しの日と、契約書の期間を確かめる
建物の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵については、引き渡しから10年間の担保責任があります。天井から音がするだけで直ちにこの対象になるとは限らないため、まずは原因調査を施工会社に依頼しましょう。
天井の上を足音が移動する場合は、天井裏を専門業者に見てもらうことを検討してください。
▶ 天井の上を足音が移動するときに、天井裏を調べてもらえるか害獣の業者に電話かメールで相談する
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
この記事で引用した資料
- 住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)専門家相談事例「新築木造住宅の天井付近から異常音が発生している」ページ
- 住まいるダイヤル 住宅紛争処理技術関連資料集「換気設備からの騒音」ページ
- 住まいるダイヤル 住宅紛争処理技術関連資料集「設備からの騒音」ページ
- 住まいるダイヤル「電話相談サービスのご案内」ページ
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律 第2条第2項・第94条・第95条・第97条(e-Gov 法令検索)
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令 第5条(e-Gov 法令検索)
- 国土交通省「住宅瑕疵担保履行法について」ページ
- 国土交通省「住宅瑕疵担保責任保険について」ページ
- 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 第8条(e-Gov 法令検索)
- 環境省「捕獲許可制度の概要」ページ
- 大阪府「野鳥が巣を作ったときの対応」ページ
- 世田谷区「ハトが巣をつくってしまった」ページ
竹内 亮太(たけうち りょうた)
家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。
害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。
音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

