
玄関の真上にツバメが巣を作り始めて、朝になると玄関前にふんが落ちている。
玄関の鳥の巣対策は、卵やヒナがいるかどうかでできることが変わってくる。
卵やヒナがいる巣は、勝手に取ることができない。
卵もヒナもいない巣なら、許可はいらないという自治体もある。
ここでは、法律の話、板が張れない玄関でのふん対策、巣立ちまでの日数、巣立った後の予防の順に説明する。
玄関の真上の鳥の巣がツバメか、作りかけかを見る
環境省の生物多様性センターは、ツバメの巣の材料を「泥と枯草」と書いている。
泥を「一粒ずつ積み重ねていくように作る」とも書かれている。
鳥取県は、ツバメについての問い合わせに「巣は1日・2日でつくられるものではありません。」と答えている。
もし泥が付き始めたばかりなら、まず巣の中に卵があるか確認しよう。
卵の産み方について、環境省はこう説明している。
「メスはそこに毎日1個ずつ卵を産みこみます。」
親鳥の様子も参考になる。
「親鳥が巣にすっぽりはまりこんだようにじっと座っていれば、抱卵しているのに違いありません。」
泥の巣がツバメのものか、ほかの鳥のものかの見分け方は、私は確認していません。
巣が玄関の外から見えず、屋根裏や天井裏の中に鳥が入っているときは、この記事とは場所が違う。
そのときは屋根裏の鳥を追い出す方法を読んでほしい。
玄関のツバメの巣に卵やヒナがいるときに法律でできないこと
法律の話をすると、鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)に決まりがある。
第八条には、「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。」と書かれている。
第二条では、「鳥獣」を鳥類か哺乳類に属する野生動物と定義している。
同じ第二条で、「捕獲等」は「捕獲等(捕獲又は殺傷をいう。以下同じ。)」とされている。
ツバメは狩猟鳥獣には含まれていない。
環境省の「狩猟制度の概要」によると、狩猟鳥獣は「鳥獣保護管理法施行規則により次の46種類を選定」とのこと。
その「鳥類(26種類)」の一覧に、ツバメの名前はない。
もし法律に違反した場合の罰則は、第八十三条第一項にある。
「次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。」
第一号は、「第八条の規定に違反して狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をしたとき(許可不要者であるときを除く。)。」となっている。
同じ条の第二項では、その未遂も罰すると定められている。
長岡京市も「1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金いずれかの刑罰が課される可能性があります。」と注意を促している。
第八条、第九条、第八十三条の条文には、「巣」という言葉は出てこない。
禁じられているのは、鳥獣の捕獲等と、鳥類の卵の採取等だ。
どうしても卵やヒナを撤去したい場合は、許可が必要になる。
第九条第一項には、「環境大臣の、それ以外の場合にあっては都道府県知事の許可を受けなければならない。」と書かれている。
鳥取県の例ではこうだ。
「どうしても卵とヒナを取り除きたい場合、ツバメの場合は、ツバメの卵の採取等は知事が、ヒナは市町村長が許可権限を持っていますので、それぞれ申請をしてください。」
これは鳥取県の場合であり、他の都道府県での取り決めは、私は確認していません。
作りかけの玄関の鳥の巣はどうするか
卵もヒナもいない巣の扱いは、法律の本文ではなく、自治体の案内に書かれている。
鳥取県はツバメについての問い合わせにこう答えている。
「鳥や巣の中の卵を許可なく取り除くことは、鳥獣保護管理法により禁止されています。」
「巣のみの場合は許可は不要で取り除くことができます。」
「困る場所に巣を作り出したときは、早目に撤去すれば別の場所へ移動しますので、軒下や車庫などを日常的に点検するようにしてください。」
長岡京市はこう書いている。
「巣については、鳥が巣立った後であれば撤去しても問題ありませんが、中に卵やヒナが残っていないか必ず確認してください。」
広島市はこう案内している。
「卵やヒナのいる巣を取り除くことはできません。巣立ちまで見守ってください。」
撤去する前に、巣の中に卵がないか確認する。
卵が1個でもあれば、取り除かない。
「巣のみ」の扱いについて、他の都道府県や市区町村がどう案内しているかは、私は確認していません。
住んでいる都道府県と市区町村の案内で確認するのが確実だ。
玄関の真上で板が張れないときのツバメのふん対策
広島市は、ふんについてこう説明している。
「糞でお困りの場合は、巣の下に台を設置するなど、工夫してください。」
環境省の生物多様性センターの調査では、ふんへの工夫が報告されている。
「いちばん多かったのは、糞に対する対策で、下に新聞紙を敷くという簡単なものから、ダンボールや傘などを利用して糞よけを作るなどの工夫が報告されました。」
「張り紙や看板で糞が落ちることへの注意を呼びかけている方も見られました。」
写真の説明には、「傘を利用した糞よけ。」「天井にしっかり止めてある」「小さめの巣台は糞がたまらなくて衛生的」とある。
玄関の真上、何も取り付けられない場所で使えるものを書いた公的な資料は、私は確認していません。
壁に何も付けずに使えるものとしては、新聞紙を下に敷く方法が公的な資料で言及されている。
今夜は、ふんが落ちる床に新聞紙を敷いて、朝にふんごと畳んで捨てよう。
来客や家族が踏まないように、張り紙で知らせることもできる。
玄関のツバメのふんの掃除で気をつけること
ツバメのふん掃除の仕方を書いた公的な案内も、私は確認していません。
寝屋川市はハトのふんについて、こう案内している。
「※ハトのふんの掃除方法 手袋やマスクをつけ、水で洗い流しましょう。洗い流せない場合でも、まずは飛散しないよう水でしっかり濡らし、それから片付けるようにしてください。」
また、野鳥の死体の項には、こう書かれている。
「細菌や寄生虫を保持しているおそれがありますので、使い捨てのビニール手袋やマスクなどを着用するなどし、野鳥や糞には直接触れないよう注意してください。」
もしハトのふんに関する案内をツバメのふんにも当てはめるとするなら、手袋とマスクを付けて、ふんを水で濡らしてから片付けることになる。
アルコールや次亜塩素酸などの薬剤を使った掃除方法については、私は確認していません。
賃貸の玄関に巣を作られたら大家・管理会社に知らせる
賃貸住宅で、大家や管理会社に何を伝えればよいかを書いた公的な資料も、私は確認していません。
似たような記述はあるが、ツバメに関するものではない。
寝屋川市はハトの項で「巣の撤去は、原則としてその敷地の管理者が行います。」と述べている。
鳥取県はカラスの問いで「巣の撤去は、土地所有者や施設の管理者が自ら行うことになります」と案内している。
このように、巣の撤去は敷地の所有者や管理者が行うと案内している自治体もある。
賃貸の玄関に巣がある場合は、自分で巣に触る前に、大家か管理会社に連絡しよう。
連絡する際は、巣の場所(玄関ドアの真上など)、卵やヒナがいるかどうか、ふんがどこに落ちているかを伝えると良い。
ツバメが巣立つまでの期間と、巣立ちのあとの玄関の鳥の巣対策
国土交通省 太田川河川事務所のページは、ツバメについてこう書いている。
「産卵期:4~6月」
「卵数は3~7個」
「抱卵日数は13~18日である。」
「巣立ちまでの日数は20~24日である。」
このページでは、「巣立ちまでの日数」の起点が書かれていない。
孵化からと読んで足すと、短くて13日+20日=33日、長くて18日+24日=42日となる。
つまり、抱卵が始まってから巣立ちまで、33〜42日かかることになる。
環境省は、抱卵が始まる時期についてこう説明している。
「卵を産み終わった日から、親鳥は卵の上に座って温め始めます。」
「約2週間の抱卵で、卵が孵化してヒナが生まれます。」
「約3週間の育雛の間に、ヒナには羽毛が生えて、やがて翼や尾羽も生えそろい、巣立ちの時を迎えます。」
合わせると、約2週間+約3週間=約5週間となり、先ほどの33〜42日の幅に収まる。
巣立ってからも、すぐにツバメとの関係が終わるわけではない。
「巣立ったヒナは巣の近くの電線などにとまり、しばらくは親鳥から餌をもらいます。」
「やがて、巣立ちヒナは親から独立し、親鳥は2回目の繁殖に入ります。」
2回目の繁殖があると、その分続く。
巣を取り除くのは、中に卵やヒナが残っていないか確認してからにしよう。
翌年のための予防策は、巣作りが始まる前に行うのが良い。
環境省の調査では「巣作りは4月上旬から多く見られるようになり、遅いものでは8月にも記録されました。」とある。
同じ調査は「約半数の方が6年以上前からと答えておられ、同じ建物に巣を作り続けているケースが多い」と書いている。
広島市は、巣作りの前にできることとして次を挙げている。
「進入路をふさぐ」
「進入路にテープや紐を垂らす」
「空になった古い巣を取り除き、壁面にビニールやアルミ箔などを張って、巣を作りにくくする」
鳥取県は「軒下や車庫などを日常的に点検するようにしてください。」と勧めている。
4月になったら、玄関の真上に泥がついていないか確認すると良い。
玄関の鳥の巣を市役所や業者に相談できるか
卵やヒナを取り除く許可については、都道府県や市町村の鳥獣担当窓口に問い合わせる必要がある。
例えば、広島市は各区の地域起こし推進課・農林課と、経済観光局 農林水産部 農政課 鳥獣対策担当を、長岡京市は環境経済部 農林振興課 西山森林整備係を挙げている。
お住まいの市区町村か都道府県の鳥獣担当部署に相談してほしい。
市役所が巣の駆除をしてくれるかは、雀の巣駆除は市役所に頼めるかで扱っている。
業者に巣の撤去を頼む場合の許可の扱いは、私は確認していません。
頼むときは、巣に卵やヒナがいるかを先に伝える。
まとめ:玄関の鳥の巣対策で今夜すること
- 巣の中に卵やヒナがいるかを見る。親鳥がじっと座っていれば、抱卵している
- 卵やヒナがいたら、巣を取り除かない。許可なく取ると、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金の対象になる
- ふんが落ちる位置の床に、新聞紙を敷く
- 掃除は、手袋とマスクを付け、水で濡らしてから片付ける(寝屋川市のハトのふんの案内)
- 賃貸なら、大家か管理会社に知らせる
- 巣立ちまでは、抱卵が始まってから33〜42日(約5週間)が目安
- 卵もヒナもいない作りかけの巣は、住んでいる自治体の案内を確かめてから取り除く
家の中の天井や屋根裏から物音がするときは、屋根裏の音の正体を絞り込む記事を読んでほしい。
この記事で引用した資料
- 環境省 生物多様性センター「ツバメの巣作りは歓迎されているの?」
- 環境省 生物多様性センター「ツバメ類の生活の様子は?」
- 広島市「毎年、玄関先にツバメが巣をかけて困っています。(FAQID-9999)」
- 鳥取県 農林水産部 鳥獣対策課「野生鳥獣の捕獲等に係るよくある質問」
- 長岡京市「行政の許可なくツバメの巣などを撤去すると、法律違反になる可能性があります。」
- e-Gov 法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」
- 環境省 自然環境局「狩猟制度の概要」
- 国土交通省 中国地方整備局 太田川河川事務所「ツバメ」
- 寝屋川市「カラス・ハトによる被害について」
(2026年10月27日に確認)
竹内 亮太(たけうち りょうた)
家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。
害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。
音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

