ドタドタがハクビシンならなぜ自分で駆除できない?資格と今夜すること

※このサイトには広告を含みます。

天井裏のドタドタがハクビシンだとしても、許可を得ずに自分で捕まえて駆除することは、原則としてできない。なぜ駆除できないのか。鳥獣保護管理法で、ハクビシンを捕まえるには原則として許可が必要だからだ。狩猟免許という資格を取っただけでは不十分で、狩猟者登録と、決められた狩猟期間を守ることも必要になる。自治体は、住民ができる対策として、追い出すことと侵入口をふさぐことを案内している。この記事では、なぜ駆除できないのか、資格はいるのか、市役所が何をしてくれるのかを、法律と環境省・自治体のページで確かめた範囲で書く。

ハクビシンを自分で駆除できないのは、捕まえるのに原則として許可が要るから

鳥獣保護管理法は、第8条で鳥獣の捕獲等をしてはならないと定めている。

ただし、都道府県知事などの許可を受けた場合や、狩猟のルールに従って狩猟鳥獣を捕る場合などは例外だ。

鳥獣保護法とハクビシンの関係や、ハクビシンの捕獲と法律の関係を調べている時に開く法律は、e-Gov法令検索の「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(平成十四年法律第八十八号)だ。環境省は、この法律を「鳥獣保護管理法」と書いている。第8条が例外として挙げているのは、第9条の許可を受けて捕るとき、第11条で狩猟鳥獣を捕るとき、第13条に当たるときの3つだ。「鳥獣保護法」という呼び方を法律の名前として書いた公的な資料は、私は確認していません。

環境省は、狩猟で捕る場合を除いて、鳥獣の捕獲や殺傷は原則として禁止されていると説明している。被害がある場合は、許可を得れば捕獲できる。その許可を出すのは都道府県知事だ。多くの都道府県では、この許可の一部を市町村長に任せている。

各自治体の案内も同じ向きだ。千葉県の市川市は「ハクビシンは鳥獣保護管理法によって、県からの許可なく捕獲することが禁止されている野生生物です。」と書いている。東京都の八王子市も、許可なく捕獲することは鳥獣保護管理法で禁止されていると案内している。

罰則は第83条第1項にあり、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金だ。無許可でハクビシンを捕った場合にどの号に当たるかは、私は確認していません。

だから、許可を得る前に、箱わなを買ってきて天井裏に仕掛けるのはやめておく。

ハクビシン駆除に資格はいるか|狩猟免許と捕獲の許可は別のもの

資格と聞いて思い浮かぶのは狩猟免許だ。狩猟免許には網猟、わな猟、第一種銃猟、第二種銃猟の4種類があり、箱わなを使うならわな猟免許になる。免許は、都道府県知事が実施する試験に合格して取る。

ハクビシンは狩猟鳥獣に入っている。狩猟鳥獣は46種類で、獣類にはハクビシン、アライグマ、タヌキなどがある。

ただ、免許を持っているだけでは捕まえられない。環境省は、狩猟をするには次の3つが要ると書いている。

  • 狩猟免許を取る
  • 狩猟をする都道府県に狩猟者登録をして、狩猟税を納める
  • 区域、期間、猟法などの制限を守る

狩猟期間は、北海道以外の区域で毎年11月15日から翌年2月15日までだ。都道府県によって延ばしたり縮めたりしている。また、都道府県によっては、狩猟鳥獣であっても捕獲が禁止されていたり、数が制限されていたりする。

狩猟期間の外に捕るなら、狩猟ではなく許可捕獲になる。許可捕獲は、都道府県知事などに許可を申請する。許可捕獲なら、許可された期間の中で、年中どの時期でも捕獲できる。

つまり、狩猟免許という資格と、捕獲の許可は別のものだ。

ハクビシンの捕獲許可をどこに申請するかも、法律に書かれている。第9条第2項は、許可を受けようとする者は環境大臣又は都道府県知事に申請しなければならないと定めている。環境省によると、環境大臣が許可するのは国指定鳥獣保護区の中、希少鳥獣、かすみ網を使う捕獲の場合で、それ以外は都道府県知事だ。多くの都道府県は、この権限の一部を市町村長に任せている。許可の基準(鳥獣の種類・員数・期間・区域・方法など)は知事が作る鳥獣保護管理事業計画の中にあり、詳しくは各都道府県の担当部局に確かめるよう書かれている。住んでいる市町村が許可の窓口になっているかどうかは、私は確認していません。

アライグマとはどこが違うのか|ハクビシンは特定外来生物ではない

屋根裏に入る外来の動物として、アライグマとハクビシンはよく並べて挙げられる。でも、法律の上の扱いは同じではない。

東京都環境局の「法令等の位置づけ」では、こうなっている。

  • アライグマ:鳥獣保護管理法の狩猟鳥獣。外来生物法の特定外来生物
  • ハクビシン:鳥獣保護管理法の狩猟鳥獣。生態系被害防止外来種リストの重点対策外来種

ハクビシンは、特定外来生物には入っていない。外来の動物だからといって、自由に捕ってよいわけではない。

アライグマ、ハクビシン、タヌキの3種で手続きがどう分かれるかは、ハクビシンの親子かタヌキか|屋根裏の正体の見分け方 の「3種とも、勝手に捕まえられない。ただし制度は3つに分かれる」に書いた。

ハクビシンの追い出しと入口ふさぎ|捕まえる・殺すとの線

法律が原則として禁止しているのは、捕獲、殺傷、採取だ。

自治体は、住民が自分でできる対策として、追い出しと侵入口をふさぐことを案内している。八王子市の手順は3つだ。

  1. 侵入口を確認する
  2. 動物を建物から追い出す
  3. 侵入口を金網などで塞ぐ

ハクビシンは8cm四方のすき間があれば入れる。八王子市は、軒下のすき間、床下の通気口、換気口、戸袋、増築した部分のすき間を侵入口として挙げている。「侵入口が1か所とは限りません」とも書いている。

市川市は、換気口、屋根、床下のすき間をふさぐこと、木の枝を切ること、エサを外に置かないことを挙げている。忌避剤には、木酢液を薄めたものや市販のものがある。市川市によると、日が経つと効果が薄れるので、定期的にまく。

追い出しに許可が要らないとはっきり書いた公的な文書は、私は確認していません。自治体が住民の対策として追い出しを案内している、というところまでが確かめられた事実だ。

しかし、追い出すだけでは終わらない。東京都環境局は、追い出した動物が別の家に入ることがあり、数を減らす解決にはつながらないと書いている。そのため、侵入口をふさぐところまでがひと組の対策になる。

天井裏の音がハクビシンか決まらないうちに、しないこと

天井裏で大きな音がする場合、東京都も八王子市も、アライグマやハクビシンなどが入っている「可能性があります」と書いている。音だけで決めてはいない。

正体がはっきりしないうちにしないことは2つある。

1つ目は、わなを仕掛けること。八王子市は「許可のない方による捕獲やわなの設置は法律で禁止されています。」と書いている。

2つ目は、先に侵入口をふさぐこと。八王子市の手順は、追い出してから塞ぐ順番になっている。中にいるうちにふさぐと、この順番が逆になる。

天井裏の音の原因がネズミだった場合は、扱いが違う。ネズミのことはねずみは殺してはいけない?|鳥獣保護管理法が適用されない3種に書いた。音からどこまで絞れるかはドタドタはネズミかハクビシン・タヌキか|駆除の前に今夜確かめることに書いた。

市役所に聞くと何をしてくれるか|八王子市と市川市の場合

市役所がしてくれることは、自治体によって違う。開いたのは東京都環境局と2市のページだ。

東京都環境局は、区市町が東京都の防除実施計画に基づいてアライグマとハクビシンを捕獲していると説明している。まずは各区市町の環境部署や清掃部署などに問い合わせる。東京都の窓口は、23区内が03-5388-3505、多摩地区が042-521-2948だ。

八王子市では、市が現地を確認して箱わなを置く。住民に貸し出すのではない。

  • 対象は、アライグマ、ハクビシン、タヌキ、アナグマの被害を、自分が持っていて住んでいる家で受けている個人と、町会・自治会。集合住宅などは除く
  • 同じ場所につき、年度ごとに1回
  • わなを置くには、31cm×91cm×36cm以上の場所が要る
  • 「個人宅の敷地内(地面)に設置します。天井うら、屋内、ベランダ等には設置できません。」

市が置く箱わなは許可を得ていると、八王子市は書いている。申し込みから設置までの日数は、このページには書かれていない。

八王子市は、屋内の調査、天井裏に入った動物や侵入口の特定、天井裏の清掃・消毒、建物の補修はしていないと書いている。自分で対応が難しいときの相談先として、東京都ペストコントロール協会を挙げている。民間の事業者の紹介で、有料だ。

一方、市川市は「市では、ハクビシンの捕獲や駆除を行っておりません。」と書いている。自宅や敷地で被害があるときは、県から許可を得た専門の業者に頼むことを考えてほしいという案内だ。民間の駆除業者が入る組合も紹介している。相談は無料で、現地調査や駆除には費用がかかる。

開いた3か所には、住民に捕獲器を貸し出すという案内はなかった。ほかの自治体は、私は確認していません。賃貸に住んでいる場合にどうするかを書いた公的なページも、私は確認していません。八王子市の箱わなは自分が持っている家が対象で、市川市も自分の持っている住居や敷地と書いている。

自分でできることの限界と、業者に頼む目安

自分でできるのは、侵入口を探すこと、追い出すこと、ふさぐことまでだ。捕まえるには、原則として許可が要る。

自治体が対応しない範囲も決まっている。八王子市は天井裏の動物や侵入口の特定、清掃・消毒、補修をしていない。市川市は捕獲や駆除をしていない。

次のどれかに当てはまるなら、専門の業者に相談する目安になる。

  • 天井裏に何が入っているか、自分では確かめられない
  • 侵入口がどこか分からない。1か所とは限らない
  • 屋根や高い所にすき間があって、自分ではふさげない
  • 天井裏の清掃・消毒や補修まで頼みたい
  • 自治体が捕獲をしていない、または対象に入らない(借りている家など)

市川市は、県から許可を得た専門の業者に頼むことを案内している。費用のことは害獣駆除の費用の記事に書いた。

▶ 天井裏のドタドタが何か確かめられない、侵入口が見つからない・自分でふさげないときに、調べて追い出し、ふさぐところまで頼めるかを害獣の業者に電話かメールで相談する

※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山

まとめ|ハクビシンを自分で駆除できないとき、今夜すること

ハクビシンは、鳥獣保護管理法で、捕まえるのに原則として許可が要る。狩猟免許だけでは足りず、狩猟者登録が要り、狩猟期間(北海道以外は11月15日から翌年2月15日)も守る必要がある。

今夜できることは3つある。

  • わなを仕掛けない。音だけでハクビシンと決めない
  • 家の外回りで、8cm四方のすき間を探しておく
  • 明日、市役所や区役所の環境部署・清掃部署に電話して、捕獲をしているかを聞く

市が捕獲をしていないときや、侵入口が見つからないとき、天井裏の清掃や補修まで頼みたいときは、業者に相談する。

▶ 市が捕獲をしていない、または侵入口が見つからないときに、天井裏の音の時刻と見つけたすき間を伝えて、害獣の業者に電話かメールで相談する

※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山

この記事で見た資料

  • e-Gov法令検索 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(第8条・第9条・第11条・第39条・第83条)
  • 環境省「捕獲許可制度の概要」
  • 環境省「狩猟制度の概要」
  • 東京都環境局「アライグマ・ハクビシン対策について」「アライグマ・ハクビシンについて」「被害を防ぐために」「防除実施計画について」
  • 市川市「ハクビシンについてのご案内です」
  • 八王子市「アライグマ・ハクビシンの被害について」「市街地の生活環境被害防止に係る有害獣捕獲事業の実施について」

(調べた日:2026年10月20日)


竹内 亮太(たけうち りょうた)

家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。

害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。

音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

おすすめの記事