ハクビシンを寄せ付けない方法|庭のぶどう・果樹と家で今夜すること

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庭のぶどうが食べられた。ハクビシンを寄せ付けないためには、まず何をすればいいのか。

山形市は、ハクビシンが家に近づいてくる理由をこう説明している。

「ハクビシンは果実の取り残しやペットフードなどを食べるために人家に近づいてきます。」

同じページには、庭の木から屋根に飛び移って家に入り込むこともあると書いてある。庭の果物の話と、屋根裏の話が、同じページに載っている。

この記事では、庭の果樹にハクビシンを寄せ付けない方法、食べたのが本当にハクビシンなのかを確かめる方法、そして家に侵入させない方法について、公的機関や研究機関の資料を見ながら順に見ていく。

すでに屋根裏に入られている場合は、この記事より先に屋根裏のドタドタ、ハクビシン駆除は何から?を読んでほしい。

ハクビシンが庭と家に寄ってくる理由

山形市によると、ハクビシンの性質はこうだ。

「夜行性で木登りが得意で、果実や昆虫なども食べる雑食性です。」

東京都環境局も、食べ物の中では「特に果実を好む」と説明している。

庭のぶどうや果樹の実は、ハクビシンの好みにぴったりだ。

木に登れるという性質も、庭から家へ移動するのに役立っている。東京都環境局は「木登りが得意、柱に登る、電線を伝い歩きする」と説明している。

休む場所については、山形市はこう書いている。

「ハクビシンは人家の屋根裏をねぐらにすることがあり、同じ場所にふん・尿をする習性があります。」

山形市が挙げる対策の一つは、食べ物の管理だ。

「ハクビシンを寄せ付けないために、エサとなる食べ物などの適正な管理をお願いします。」

庭のぶどうを食べたのはハクビシンか|食べ跡で確かめること

ただ、ぶどうを食べる動物はハクビシンだけではない。

農研機構の鳥獣害痕跡図鑑「ぶどう」によると、ぶどうの主な加害種はカラス、ムクドリ、アライグマ、ハクビシンだ。

動物によって対策の効果も変わってくるので、まずは食べ跡を確認すると、次の対策を選びやすくなる。

皮が残っているだけでは決められない

農研機構の図鑑には、こう書かれている。

「ハクビシンやアライグマは果肉を吸い取った果皮をその場で吐き出して積み重なっていることが多い。」

果皮を吐き出すのは、ハクビシンとアライグマに共通する特徴だ。

しかし、東松山市の資料には、こう書かれている。

「ブドウ以外の果樹でも皮が落ちていたらハクビシンの被害と考えられるので注意が必要です。」

資料によって見解が異なる部分もある。皮の残り方だけでハクビシンだと断定するのは難しい。

カラスとの違いについて、図鑑には、カラスが残した皮は、ハクビシンが吐き出した「潰れた形状とは異なり、丸い形状を保っていることが多い」と書かれている。

果実袋の破れ方を見る

もし果実袋をかけていた場合、袋の破れ方も手がかりになる。

図鑑によると、ハクビシンについてはこうだ。

「ハクビシンは果実袋を口でくわえて、上から下に引き破ることが多い。」

「その穴から顔を突っ込んで実を食べる。」

一方、アライグマについてはこうだ。

「アライグマは果実袋を、前肢を使って開けるため、破け方が雑になる。」

「泥がつくことも多い。」

どちらも「多い」という書き方なので、必ずそうなるわけではない点には注意が必要だ。

土と爪痕も合わせて見る

東松山市の資料でも、アライグマの食べ跡についてこう書かれている。

「アライグマは前足が手のように使えるため被害作物には土の付着と爪痕が残ります。」

袋の破れ方や、泥、土、爪痕など、複数の手がかりを合わせて判断することが大切だ。

動物の姿を見た場合も、思い込みには注意が必要だ。東京都環境局は、アライグマ・ハクビシンが「在来種のタヌキやアナグマと顔の特徴が似ているため、見間違えられることがよくあります」と指摘している。

屋根裏の音から正体を絞る場合は、ドタドタはネズミかハクビシン・タヌキかにまとめてある。音だけで正体は決まらない。

庭の果樹にハクビシンを寄せ付けない|取り残しの実とエサの片付け

今夜できることとして、山形市が挙げた2つの対策を庭で実施することが考えられる。

一つ目は果実の取り残し。庭に残っている熟した実や、収穫しきれずに木に残った実を取り除くこと。

二つ目は、ペットフードの管理だ。外に出したままの皿や袋は、夜になったら家の中に入れるようにする。

山形市の説明では、食べ物として「果実の取り残しやペットフードなど」と書かれているが、「など」の先に何が含まれるかは、そのページには明記されていない。

ぶどうの房をハクビシンから守る|イヌの被毛(農研機構の試験)と袋かけ

袋かけだけでは防ぎきれない

果実袋についてだが、ハクビシンが破ってしまうこともある。先ほど見たように、図鑑にはハクビシンが袋を口でくわえて破る様子が書かれている。

だから、袋をかけてさえいれば安心とは言えない。

イヌの被毛を使った試験

農研機構の成果情報には、ぶどうの食害対策として、イヌの被毛を使った試験を行ったという報告もある。担当は成果情報の表記で「神奈川農技セ」、研究期間は2007~2009年度だ。

試験は、ブドウ平棚栽培園で行われた。家の庭での話ではない。

やり方はこうだ。

  • イヌの被毛を10gずつネットの袋に入れる
  • 主幹と、すべての支柱と周囲柱に付ける
  • 高さは「作業性の観点から地表0.8m~1.2mとする」

設置する時期については、成果情報にこう書いてある。

「大粒ブドウの熟期より少し前の8月上旬に設置すれば、効果は主要品種の収穫が終了する9月下旬まで維持されるため、途中で交換する必要はない。」

7月下旬に付けた場合は、9月中旬まで効果があったという。

毛の入手先は、成果情報によれば「トリミング店や動物病院」とのことだ。

この試験から言えないこと

成果情報には、効かないケースも載っている。

一つは付け方だ。「部分的な設置では食害は完全に回避できない」とある。効果が安定したのは、すべての主幹、支柱、周囲柱に設置した場合だ。

もう一つは動物の種類だ。成果情報はこう言っている。

「アライグマ等、ハクビシン以外の動物による食害防止効果は明らかではなく、これらの被害防止を保証するものではない。」

もし食べたのがアライグマなら、この方法で防げるかはわからない。食べ跡の確認が、ここで役立つ。

それに、試験はぶどう園の平棚で行われた。家の庭にある一本の木で同じ効果が得られるかは、成果情報には書かれていない。

庭木から屋根へ渡らせない|家にハクビシンを寄せ付けない剪定と侵入口

家に接した庭木を剪定する

山形市は、庭木から家へ侵入する経路についてこう説明している。

「ハクビシンは庭木などから屋根に飛び移り、人家に侵入する場合もあります。」

その上で、「家屋に接した庭木は剪定などを行い、屋根に移らないようにすること」を勧めている。

昼間のうちに、屋根に届いている枝がないか確認しておくといい。

木から木へは飛び移らないという資料もある

東松山市の資料には、次のような観察結果が書かれている。

「運動能力が高い割に木から木へ飛び移ることがほとんどないことでした。」

これは、ぶどう園や果樹の株と株の間を移動するときの話だ。東松山市の資料は、株と株の間の移動は、枝から枝ではなく、地上からの方がずっと多いとまとめている。

山形市が言っている「庭木から屋根へ」という状況とは場面が違う。木と木の間を飛び移らないことと、家に接した木から屋根へ移ることは、別々の話として考えるべきだ。

侵入口の大きさの目安

山形市は、侵入口の大きさについてこう述べている。

「ハクビシンは頭部が入るところであれば、そこから人家に侵入してきます。」

東京都環境局は、もう少し詳しく説明している。ハクビシンは「8センチメートル四方の隙間にも入り込む」そうだ。

山形市が挙げる主な侵入口はこうだ。

「主な侵入口は、基礎コンクリートの通風口、朽ちた外壁などの穴です。」

これらの穴をふさぐ方法についても言及されている。

「そのような穴を鉄の網や柵でふさぐことが有効です。」

「侵入口をふさぐ方法については、建築業者へご相談ください。」

ハクビシンを自分で捕まえる前に|鳥獣保護管理法と市区町村の窓口

庭での対策だけでは不十分な場合、自分で捕獲することを考える人もいる。しかし、これには法律の決まりがある。

鳥獣保護管理法の第八条には、こう書かれている。

「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。」

「ただし書き」に該当するのは、許可を得た場合などだ。

環境省によると、ハクビシンは狩猟鳥獣46種類の一つだ。狩猟を行う場合について、環境省はこう説明している。

「狩猟を行うためには、狩猟免許を取得した上で、狩猟をしようとする都道府県に狩猟者登録し、狩猟ができる区域・期間・猟法など、法令で定められた制限を遵守する必要があります。」

箱わなを使った狩猟は、わな猟免許の範囲になる。

庭で捕獲したい場合は、まず市区町村の担当窓口に相談するのがよい。山形市では箱わなの貸し出しをしており、こう書かれている。

「捕獲申請の手続きが必要となりますので、詳細は鳥獣被害対策課にご相談ください。」

これは山形市の例だ。他の市区町村で貸し出しがあるか、どのような手続きが必要かは、私は確認していません。

無許可で捕獲した場合に適用される罰則についても、私は確認していません。

自分で駆除できない理由と、捕まえたあとのことは、別の記事に書いた。

自分でできることの限界と、業者に頼む目安

庭でできることには、資料の上でも限界がある。

  • イヌの被毛は、部分的に付けただけでは食害を完全には防げない
  • イヌの被毛がアライグマなどに効くかは、明らかになっていない
  • 侵入口のふさぎ方について、山形市は建築業者への相談を案内している
  • 捕獲について、山形市は専門業者による捕獲を勧めている

家屋の近くで以下のような状況があれば、庭の対策よりも先に家の中を確認する必要がある。

  • 屋根裏から音がする
  • 同じ場所にふんや尿の跡がある

山形市は、屋根裏からハクビシンを追い出した後の対応について、こう述べている。

「屋根裏から追い払った後は、侵入口をふさぐことが重要です。」

入られたあとの順番は、屋根裏のドタドタ、ハクビシン駆除は何から?にまとめてある。

侵入口のふさぎ方や捕獲を相談するなら、害獣プロガードの公式ページで、対応エリアと現地調査・見積もりの扱いを先に確かめる

※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山

まとめ|庭と家でハクビシンを寄せ付けないために

  • 山形市によると、ハクビシンは果実の取り残しやペットフードなどを食べるために家に近づく
  • 今夜は、木に残った熟した実を取り、ペットフードを家の中にしまう
  • ぶどうの皮が残っているだけでは、ハクビシンかアライグマかは決められない。袋の破れ方・泥・爪痕を合わせて見る
  • 農研機構のぶどう園の試験では、イヌの被毛10gずつを主幹とすべての柱に付けると、ハクビシンの食害はほとんどなくなった。部分的な設置では完全には防げない
  • 家に接した庭木は剪定し、屋根に移らないようにする(山形市)
  • ハクビシンは8センチメートル四方の隙間にも入り込む(東京都環境局)
  • 捕まえる前に、市区町村の窓口に聞く

屋根裏から音がする、同じ場所にふんの跡があるときの相談先として、害獣プロガードの公式ページで対応エリアと見積もりの出し方を確かめる

※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山

資料(すべて 2026-10-27 に確認)

  • 農研機構「ブドウ栽培園におけるイヌの被毛設置によるハクビシン食害防止」(担当:神奈川農技セ)https://www.naro.go.jp/org/carc/seika/kanto22/04/22_04_02.html
  • 山形市「ハクビシンの被害防止について」 https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/kurashi/kankyohozen/1006552/1002399.html
  • 農研機構 鳥獣害痕跡図鑑「ぶどう」 https://www.naro.go.jp/org/nilgs/choju/sign/pdf/grape.pdf
  • 東松山市「野生動物被害対策資料 ハクビシン アライグマ」 https://www.city.higashimatsuyama.lg.jp/uploaded/attachment/2200.pdf
  • 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000088
  • 環境省「狩猟制度の概要」 https://www.env.go.jp/nature/choju/hunt/hunt2.html
  • 東京都環境局「アライグマ・ハクビシンについて」 https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/raccoon/habit

竹内 亮太(たけうち りょうた)

家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。

害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。

音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

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