
※このサイトには広告を含みます。
家でネズミを何度も見かけるようになった。天井や壁から聞こえる音も増えている。姿を見た回数だけで、家にネズミが大量にいるかどうかは分からない。中野区のウェブサイトを見ても、ネズミの数については書かれていなかった。鳴き声が聞こえると「複数いる可能性が高い」とだけ書かれている。今夜できるのは、食べ物を片付けることと、ネズミを見た場所、残された跡、聞こえる音を記録することだ。その後に、わなや毒餌のことを考える。
この記事で参考にしたのは、中野区の「ネズミの被害にご注意を」、東京都が作成した「東京都ねずみ防除指針」(2005年)の中の「行政担当者のためのねずみについてよくある質問&回答集」(以下、都の回答集)と「生息の実態」、そして東京都多摩府中保健所の「ねずみ対策」(2009年)だ。
家にネズミが大量にいるか|「1匹見たら何匹」は資料で数字がそろっていない
業者の記事に出てくる数字と、出典の有無
「ネズミ 大量」で検索すると、業者の記事がたくさん出てくるが、その中には「1匹見たら10匹以上」「10〜30匹」などの具体的な数字が書かれている。しかし、これらの記事は、その数字の出典を示していない。
中野区のウェブサイト、都の回答集、「生息の実態」、多摩府中保健所の資料には、1匹見たら何匹いる、という数字は書かれていなかった。東京都が発行している「都民のためのねずみ防除読本」という資料もあるが、本文は、私は確認していません。
都の回答集には、ネズミの増え方についての計算が載っている。ネズミは生後3か月から子供を産み始める。条件が良ければ、年に6〜7回出産し、1回に6〜10匹程度の子を産む。1組のネズミが1年で9434匹に増えるという計算がある。
ただ、同じ回答集には、そこまで増えることはないと書かれている。餌の量や巣を作る場所、仲間同士の争いなど、ネズミが増えるのを抑える要因があるからだ。
東京都内にどれくらいネズミがいるのか、その数について、都の回答集は「そのような調査はないので実態は明らかではない」と述べている。しかし、相談件数から考えると、住宅地に住むネズミは増えていると考えられるとしている。
中野区のページが書いていること
中野区は、ネズミの音について「鳴き声が聞こえる。複数いる可能性が高い。」と説明している。具体的な匹数については触れていない。
鳴き声だけで、ネズミの数がどれくらいかを判断することはできない。数の見当をつけるには、鳴き声に加えて、フンや壁についた汚れの数や場所も考慮する必要がある。
ネズミが大量に増える理由|餌・巣の場所・出入り口
都の回答集によると、餌や巣を作るための材料があり、外敵から身を守れる安全な場所があれば、ネズミはそこに定着して繁殖する場所にする。家の中でネズミが増えたと感じたら、まずは餌がある場所、巣を作りそうな場所、そして家への出入り口の3つを確認することが大切だ。
餌がある
中野区が片付けるものとして挙げているのは、調味料、乾麺、お菓子、野菜類、生ごみ、石けん、ペットフード、そして仏壇に供えたお供え物や花だ。石けんや花も含まれている。
食べ物をきちんとしまっている家や、空き家であっても、ネズミが侵入することはある。都の回答集では、ネズミは巣を作る場所と餌を食べる場所を分けて生活できると説明している。
巣を作る場所がある
中野区が巣を探す場所として挙げているのは、押入れの奥、流しの下、段ボールの中、引き出しの中、そして冷蔵庫や電化製品、家具の下や裏側だ。
都の回答集によると、クマネズミは天井裏、押入れ、壁の中、冷蔵庫やテレビの後ろなどに巣を作る。冷蔵庫やテレビの後ろは、放熱板があって暖かい。
家の中と外を出入りしている
中野区は「ほとんどの場合、屋内と屋外の出入りを繰り返しています」と説明している。「ネズミは寒さに弱いため、冬期や夜に家の中に侵入してきます」とも書かれている。
都の回答集を見ると、寒くなる10〜11月ごろに相談件数が増え、3月頃になると少なくなる。平成11年から15年度までの月別の平均で見ると、最も相談が多かったのは11月の2,572件、最も少なかったのは7月の1,017件だった。冬場の相談件数は、夏場の1.5〜2倍程度になる。もし10月から11月にかけて、ネズミが増えたと感じたなら、資料にある季節ごとの動きと時期が一致している。
中野区は「最近では、繁華街で増加したネズミが周辺の住宅街へと生息範囲を広げています」とも述べている。
都の回答集には、近所で大きな工事や建物の解体が行われると、住む場所を失ったネズミが民家に入ってくる、という考え方が有力だと書かれている。ただ、同じ資料で、解体作業の際に起こる現象については、具体的に証明された例はない、とも付け加えている。
「生息の実態」という資料には、品川区の住宅322件を対象に行った聞き取り調査(平成10〜11年)の結果が載っている。そのうち75世帯(23.3%)が、過去2年以内にクマネズミの侵入を受けていた。ネズミが生息している住宅の6割以上が、築21年以上だった。
住宅地で捕獲されるネズミのほとんどはクマネズミだ。多摩府中保健所のページも「ねずみの被害のほとんどがクマネズミによるもの」と述べている。
家のネズミの数の見当をつける手がかり|鳴き声・フン・ラットサイン
都の回答集によると、ネズミは人が寝静まった夜間や、外出している留守の時間帯に活動することが多い。姿を見る回数と、家にいるネズミの数は必ずしも一致しない。数の見当をつけるには、残された跡の数や場所が重要になる。
鳴き声が聞こえる
中野区の説明によると、ネズミがかじる音は「カリカリ、ガリガリ」、天井裏を走る音は「ドドド、バタバタバタ」と表現されている。断熱材のある屋根裏では「カサカサ」という音がする。鳴き声は「チューチュー、キーキー」で、複数いる可能性が高いとされている。
音だけでは、それがネズミの音なのか、また何匹いるのかを判断することはできない。音がした場所の近くで、次のフンや壁の汚れを探すことが大切だ。
天井裏から聞こえる鳴き声がネズミのものかを確かめる順番は、天井裏の鳴き声はネズミか|今夜確かめることに書いた。
屋根裏でネズミが何をしているのか(巣作り、餌探し、昼間の物音など)については、ネズミは屋根裏で何をしているかに詳しく書いている。
フンの大きさと形
中野区の表によると、ドブネズミのフンは丸みを帯びていて、大きさは10〜20mmだ。
クマネズミのフンは、散らばっていて細長く、形が不揃いで、大きさは6〜10mmだ。
ハツカネズミのフンは4〜6mmだ。
体長についても触れており、ドブネズミは22〜26cm、クマネズミは15〜20cm、ハツカネズミは6〜9cmだ。中野区では、最近ハツカネズミはあまりみられないとされる。
住む場所も異なる。ドブネズミは下水管や植え込みなどの地面にすむ。一方、クマネズミは壁の中、天井裏、ビルの高いところなどに住み着く。
フンが見つかった部屋とその場所を記録しておくと、家の中のどこまでネズミが移動しているかの見当がつく。
壁の黒い汚れ(ラットサイン)と巣を見る場所
中野区は、体の汚れたネズミが歩き回ると、壁の一部が汚れると説明している。その汚れた場所の近くに、巣や侵入路がある。
多摩府中保健所の資料では、フン、こすり跡、かじり跡をまとめて「ラットサイン」と呼んでいる。こすり跡というのは、ネズミの体の脂分や汚れが付着して黒光りした跡のことだ。ネズミは、決まった通り道を通ることが多い。
巣を探す場所は、先ほど挙げた押入れの奥、流しの下、段ボールの中、引き出しの中、家電や家具の下や裏側などだ。
都の回答集によると、クマネズミの行動範囲は半径約30mだが、ドブネズミはそれよりも広い範囲を移動する。
今夜すること|食べ物をしまい、見た場所と跡を書き留める
今夜できることは2つある。
1つ目は、食べ物を出しっぱなしにしないことだ。中野区が挙げた調味料、乾麺、お菓子、野菜類、生ごみ、石けん、ペットフード、そして仏壇のお供え物や花などを、ネズミが届かない場所に片付ける。
2つ目は、記録をつけることだ。ネズミを見た場所と時間、フンがあった場所、壁の黒ずみ、音がした場所などをメモしておく。
この記録があると、どこに粘着シートを置けばいいか判断しやすくなる。多摩府中保健所の資料でも、ラットサインを手がかりに粘着シートを仕掛けるようにと書かれている。業者や管理会社に相談する際にも、この記録は役立つ。
ネズミが大量にいる家でわな・毒餌が効きにくいとき|片付けが先、毒餌は種類で違う
巣に餌を貯め込んでいると毒餌やわなに反応しない
中野区は、「わなや毒餌をただ置くだけでは、すべてのネズミはなかなか捕れません」と指摘している。
その理由として、中野区は「巣に餌を貯め込んでいると毒餌やわなに反応しません」と説明している。
都の回答集も、残った食べ物や食材があると、ネズミは毒餌を食べないとしている。毒餌以外に食べるものがない状態にしておく、という考え方だ。
餌がなくなってからの日数については、資料によってばらつきがある。中野区では「何も食べないと2日から4日で死んでしまいます」と書かれている。一方、都の回答集と多摩府中保健所の資料では、気温によって異なり、寒いと1日以内、暖かいと4〜5日で餓死するとされている。
中野区が推奨する手順では、まず3つの環境対策を行う。食べ物を片付ける、巣をなくす、ネズミの侵入経路を塞ぐ、という3点だ。これらの対策ができてから、わなを仕掛けることになる。
粘着シートを置く場所と、かからない理由
中野区は、室内では粘着シートと毒餌を併用する方法を勧めている。
粘着シートは、部屋の隅や壁際など、ネズミが通る場所に置く。足が油や水で汚れていると、ネズミは粘着シートにかからない。シートの上に餌は置かない。
餌を置かない方が良い理由として、都の回答集は、餌が傷むとネズミに避けられることがあること、餌の周りが粘着されず逃げられる場合が多くなることを挙げている。多摩府中保健所の資料は、シートの上に餌を置くとネズミが警戒して立ち止まり、餌だけを取られることがあるとしている。
多摩府中保健所の資料では、ネズミの体全体がくっつくように、粘着シートを複数枚仕掛けることを勧めている。都の回答集では、わなにかからない理由として、トラップの数や配置方法が関係しているのではないかと推測している。
クマネズミにワルファリンが効かないことがある
中野区の資料によると、毒餌の有効成分はネズミの種類によって異なる。ドブネズミにはワルファリン、クマネズミとハツカネズミにはジフェチアロールが有効とされている。
中野区は、「クマネズミでは、ワルファリンは効かないことがある」と注意を促している。「ドブネズミには防水型のワルファリン(ブロック剤)が向いている」とも付け加えている。
多摩府中保健所の資料では、クマネズミは殺そ剤に対する感受性が低いため、毒餌の効果が薄いとしている。また、警戒心が強く、わなにもかかりにくい種類だと説明されている。都の回答集によると、クマネズミは籠型のわなにはきわめてかかりにくい。
都の回答集では、強い抵抗性を持つクマネズミの集団は、都内の繁華街の一部で見られる程度であり、一般家庭ではあまり心配する必要はないとも述べている。
フンが細長く不揃いで、長さが6〜10mmであれば、中野区の資料によればクマネズミにあたる。毒餌を選ぶ際は、この資料の有効成分の項目を見る。
毒餌を食べたネズミに家の中で死なれたくない場合は、都の回答集では、トラップのような殺そ剤以外の方法を挙げている。
超音波捕そ器について、都の回答集は、実用効果については否定的な意見のほうが多いように思われる、としている。においを利用して追い払う薬剤についても、効果を過信しない方がよいが効く場合もある、ただし長期間使っていると「慣れ」が生じることもある、としている。
保健所・区の窓口と、入り口を塞ぐこと
中野区の3つの環境対策の3つ目は、侵入経路を塞ぐことだ。中野区は、「1センチメートル程度の隙間や穴からでも、自由に出入りができます」と述べている。
塞ぐ材料としては、多摩府中保健所の資料で、金属たわし、きっこう金網、外壁用のパテなどが挙げられている。
都の回答集は、隙間がたくさんある場合、目につく隙間から順番に塞いでいくことで、徐々に侵入箇所が絞られてくると説明している。
侵入口の見つけ方や塞ぐ順番、中野区での粘着シートと毒餌の無料配布や相談窓口については、壁の中のネズミはどこから入ったかで詳しく説明している。
多摩府中保健所が2009年に発行した資料によると、保健所はねずみに関する相談を窓口や電話で受け付けており、駆除作業は行わないとされている。
賃貸・集合住宅でネズミが大量にいるとき
中野区は、「自分の家だけ駆除しても隣近所に逃げ込んだのでは効果が半減します」と述べている。
都の回答集も、集合住宅の場合、自分の家だけ駆除しても、他の場所からネズミが来る可能性があるとしている。その上で、近隣住民と協力して一斉に駆除や防そ工事を行う方法を提案している。
都の回答集によると、マンションでは管理組合が主体となって対応する。管理組合の役割としては、被害状況の把握、防そ工事の実施、ごみの出し方に関するルール作りなどが挙げられている。防そ工事の費用については、修繕積立金から支出するか、臨時で徴収するかなどを決める必要がある。
賃貸物件の場合、駆除費用を誰が負担するかについては、私は確認していません。管理会社や大家さんに状況を伝える際には、ネズミを見た場所や残された痕跡の記録を見せる。
自分でできることの限界と、業者に頼む目安
壁の中に巣がある場合、都の回答集では、壁を開けられない場合は殺そ剤の粉剤を使用する方法を挙げている。その上で、専門業者に依頼するのがよいと述べている。
多摩府中保健所の資料では、天井裏や高い場所など、危険な場所での作業は、専門業者に依頼した方が良い場合もあると指摘している。
業者による駆除は、1回で終わるとは限らない。都の回答集には、日本ペストコントロール協会の調査結果が掲載されている。作業回数を見ると、3回が18%、2回と4回がそれぞれ14%、6回以上が13%、5回が7%だった。1回で完了したのは2%だった。
同じ回答集では、一度で解決する場合もあれば、複数回の作業で2か月程度かかる場合もあると書かれている。
業者を選ぶ際の目安として、都の回答集は3つの点を挙げている。生息調査と効果判定を行うこと、環境対策についても指導してくれること、防そ工事について説明してくれることだ。点検商法や飛び込み営業、脅かし営業は不適切だとされている。
床下換気扇や調湿剤について、都の回答集は、ねずみ駆除においてはこれらの作業は必要ないと明記している。
フンがあちこちの部屋で見つかる。片付けて粘着シートを置いても減らない。壁の中や天井裏に巣がありそうだ。このような場合は、業者に相談する段階と言える。
業者に相談するなら、害獣プロガードの公式ページで、対応エリアと現地調査・見積もりの扱いを先に確かめる
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
まとめ|家にネズミが大量にいそうなときの順番
「1匹見たら何匹」という数字は、資料によって統一されていない。家にネズミが大量にいるかは、フンや壁の汚れの数や場所で見当をつける。
手順は以下の通り。
- 今夜、食べ物をしまう。石けん・ペットフード・お供えや花も入れる
- 見た場所と時間、フン、壁の黒い汚れ、音がした場所を書き留める
- 押入れの奥・流しの下・段ボールの中・家電や家具の裏で巣を探す
- 目に付く隙間から塞ぐ
- 片付けたあとで、通り道に粘着シートを複数枚置く。毒餌は、フンの形から種類の見当をつけて有効成分を選ぶ
- 減らないときや、壁の中や天井裏に巣がありそうなときは、業者に相談する。駆除は1回で終わるとは限らない
片付けて粘着シートを置いてもネズミが減らないときの相談先として、害獣プロガードの公式ページで対応エリアと見積もりの出し方を確かめる
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
この記事で見た資料
調べた日:2026年10月27日
- 中野区「ネズミの被害にご注意を」 https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kenko_hukushi/pet-eisei/pet-doubutsu/nezumi.html
- 東京都保健医療局「東京都ねずみ防除指針」(平成17年2月) https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/eisei/yomimono/nezukon/nezumi/boujoshishin
- 同 指針 資料「行政担当者のためのねずみについてよくある質問&回答集」 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/hokeniryo/shiryou_2
- 同 指針「生息の実態」 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/hokeniryo/seisoku
- 東京都保健医療局「都民のためのねずみ防除読本」の案内ページ https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/eisei/yomimono/nezukon/nezumi/nezumidokuhon
- 東京都多摩府中保健所「ねずみ対策 ~クマネズミってご存知ですか?~」(平成21年1月) https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/hokeniryo/nezumi_taisaku
竹内 亮太(たけうち りょうた)
家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。
害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。
音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

