換気口の鳥対策と鳥よけ|網を付ける前に今夜確かめること

換気口の鳥対策が気になるきっかけは、3つある。夜に鳥が来てフンが落ちる、換気扇の中からバタバタと音がする、枯れ草が落ちてきて換気が悪くなった、の3つだ。

どのケースでも、鳥よけの網などを取り付ける前に、まず換気口の中に鳥や巣がないか確認することが大切だ。もし鳥やヒナが中にいるのに塞いでしまうと、外に出られなくなってしまう。だから、今夜は換気扇を回さずに、外から見て確認するところから始める。

この記事では、換気口の鳥対策について、確認する順番、鳥よけの取り付け場所、そして付けた後に起こりうる問題について説明する。

換気口に来る鳥は、寝に来ているのか巣を作っているのか|時間帯と音で分かること

換気口に鳥が来ているからといって、必ずしも巣を作っているとは限らない。夜だけ来て、朝にはいなくなることもある。鳥よけを付けて良い時期は、このどちらなのかで見分ける必要がある。

見分ける一番の手がかりは、鳥が来ている時間帯だ。

  • 夜に来て、朝にはいない:寝る場所に使っている場合がある
  • 昼に何度も出入りする:巣の材料や餌を運んでいる場合がある
  • 換気扇の奥から細い鳴き声が続く:ヒナがいる場合がある
  • 換気扇から枯草や小枝が落ちてくる:ダクトの中に巣の材料が入っている場合がある

ただ、音だけで鳥だと断定するのは早計だ。換気扇から聞こえる音は、鳥以外にも原因がある場合がある。三菱電機の浴室の換気システムの FAQ には、給気不足や外の風で、ガラリやダクトから風切り音が出る場合があると書かれている。例えば、「ヒュー」「キーン」「バサバサ」などの音が、風の音である可能性もある。換気扇の周りで聞こえる「バサバサ」という音が、必ずしも鳥の仕業とは限らないのだ。

鳥の種類についても、音だけでは分からない。もし鳥の種類を知りたいなら、外から出入りする鳥の姿を見るのが一番だ。

換気口からの音が鳥ではないと感じるとき(例えばカタカタという音や、コウモリの可能性)は、マンションの換気口から音がする|カタカタは風か虫か動物か で詳しく解説しているので参考にしてほしい。

換気口ではなく、天井裏や屋根裏から音がするなら、屋根裏に何かいる|音と鳴き声で正体をどこまで絞れるか で、ネズミ・ハクビシン・コウモリなどの音と鳴き声からどこまで絞れるかを書いている。

換気口の鳥対策の前に、中に鳥・巣がいないか確かめる

鳥よけを取り付ける前に、やるべきことが3つある。

  1. 換気扇を回さない。中に鳥やヒナがいる場合に備える
  2. 外から換気口のフードやガラリを見る。巣の材料、フン、出入りする鳥を見る
  3. 巣があり、卵やヒナがいるなら、鳥よけはまだ付けない

3つ目のポイントは、法律に関わることだ。鳥獣保護管理法の第8条はこう定めている。

「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。」

違反したときの罰則は第83条にある。一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金だ。

環境省の捕獲許可制度のページでは、許可捕獲の対象を「鳥獣及び卵(狩猟鳥獣以外の鳥獣も含む)」としている。申請先は都道府県知事などだ。卵やヒナに手を出すには、この許可が必要になる。

法律の条文には「巣」という言葉は直接出てこないが、巣の扱いは自治体の案内で確認する。西東京市のページにはこう書かれている。

「巣が空の状態なら、野鳥の種類に関係なく誰でも巣を撤去できます。」

しかし、巣にヒナや卵がいる場合は話が変わってくる。西東京市の案内では、カラスやドバト、ムクドリの巣は、撤去に東京都の鳥獣捕獲許可が要る。それ以外の野鳥は、農業被害が出た場合を除き、ヒナが巣立つまで撤去できない。東京都以外の窓口は私は確認していません。

屋根裏の巣と法律の関係については、屋根裏の鳥の巣|ピヨピヨと鳴くとき今夜は触らず確かめること で詳しく解説している。

換気口の鳥よけ|どこに何を付けるか

家の換気口にも、いくつか種類がある。

  • キッチンの換気扇の外の屋外フード
  • 浴室やトイレの換気扇の外の屋外フード
  • 24時間換気の給気口
  • 壁のガラリ

自治体の案内を見ると、鳥よけとしては防鳥ネットが挙げられている。浦安市のページには「防鳥ネットを張る」とあり、こう書かれている。

「軒下や戸袋などに張っておくと、鳥が侵入しにくくなる効果があります。」

ただし、浦安市のこの案内は軒下や戸袋の話で、換気口に特化したものではない。ここで引用した法令・環境省・西東京市・浦安市のページには、換気口専用の鳥よけについては具体的に触れられていなかった。ほかの自治体のページは私は確認していません。

メーカーの部品についても調べてみた。三菱電機の換気扇用システム部材の一覧を見ると、屋外フードとして深形フード、丸形フード、ベントキャップなどがある。その中で、名前に網付きと書かれているのは「深形フード(防雨形・ステンレス製・防虫網付)」の1つだった。「防鳥」という名前の部品は、この一覧には見当たらなかった。

防虫網は、その名の通り虫を防ぐためのものだ。これが鳥にも効果があるかは、三菱電機のページには書かれていなかった。後付けで、鳥よけ専用の網部品があるかどうかは、他のメーカーも含めて私は確認していません。

鳥が侵入できる隙間が何cmかは、開いた公的資料とメーカーのページには書かれていなかった。網の目の大きさの目安も、私は確認していません。

自分で鳥よけを付ける場合、手が届く範囲にあるフードに限られる。2階の外壁など、はしごが必要な高さのものは、無理せず専門業者に任せるのが安全だ。

換気口の鳥よけを付けると困ること

網を取り付けると、掃除の手間が増える。三菱電機の FAQ(No.4401)にはこう書かれている。

「特に防虫網付きの屋外フードは目詰まりしやすいため、定期的な清掃をしてください。」

また、同じ FAQ には、屋外フードや排気口の汚れや目詰まりが、異音の原因になる可能性があるとも書かれている。

三菱電機の屋外端末部材の注意事項には、次の2つがある。

  • 「点検清掃が可能な場所に据付けてください。」
  • 「防虫網付商品の場合、防虫網より小さい虫が侵入する恐れがあります。(しょうじょうばえ、うんかなど)」

網を取り付ける際は、後で掃除がしやすい場所かどうかを事前に考えておくことが重要だ。手が届かない高さに網を付けてしまうと、詰まっても掃除ができなくなってしまう。

網を取り付けた場合に、換気がどれくらい落ちるか、またキッチンの油で網が詰まる速さについての具体的な数値は、私は確認していません。

賃貸・マンションの換気口に鳥が来たら

賃貸物件やマンションにお住まいの場合、自分で網を取り付ける前に、必ず管理している人に相談する必要がある。

浦安市のページでは、巣の場所によって担当の窓口が分かれている。私有地や民間施設に作られた巣の窓口は「私有地の管理者または施設の管理者」だ。

浦安市はこうも書いている。

「私有地(自宅敷地内・マンション敷地内)に作られてしまった場合は、所有者の権限で対応することになります。撤去は所有者が行うか、専門業者に依頼してください。市では私有地内の巣の撤去は行えません。」

マンションの換気口が共用部分にあたるかどうかは、私は確認していません。網を付ける前に、管理会社や大家さんに確認する。

換気口の鳥の巣を見つけたとき

もし換気口に巣を見つけたら、まず中に卵やヒナがいるかどうかを確認する。

西東京市のページでは、野鳥は「4月から7月にかけて」繁殖期に入り、民家の戸袋や街路樹などに巣を作るとしている。換気口の名前は出てこない。

巣立ちまでの日数も、西東京市が書いている。

「営巣してから1か月から1か月半くらいでヒナが巣立って、巣は空になります」

ヒナがいる場合は、鳥よけを取り付けるのは、巣立って巣が空になってからにする。空になった巣は、西東京市の案内によれば、誰でも撤去できる。

浦安市は「巣が空の状態であれば取り外してごみとして処分できますが、すでに卵や幼鳥がいる場合は、捕獲などの許可を受けた事業者などで作業を行う必要があります。」と書いている。

巣を作られる前の対策については、西東京市のページにこうある。

「ダニの発生や糞害を防ぐためには、巣を作り始めた時点で巣を壊すか、ネットやミラーCD等、野鳥が寄り付かない対応が必要です。」

鳥よけを付けるなら、巣が空になった後にする。西東京市の書く繁殖期(4月から7月)が始まる前に行うのが、時期の目安となる。

巣立ちまでの日数とムクドリの巣のことは、ムクドリはなぜ駆除しない?|ギャーギャーの群れと巣に今夜できること に書いた。

自分でできることの限界と、業者に頼む目安

自分でできることとしては、手が届く範囲のフードの外観を確認することや、巣が空の時に網やカバーを取り付けることくらいだ。

以下のような場合は、自分で対処せず、専門家に相談する。

  • 中に鳥・卵・ヒナがいる
  • 巣がダクトの奥にあり、外から手が届かない
  • フードが2階の外壁など、はしごが要る高さにある
  • 換気扇から枯草が落ちる、換気が弱いなど、ダクトの中に何か詰まっている様子がある

相談先は、問題のある場所によって異なる。フードの外側にある巣や鳥よけについては、鳥の巣の撤去を専門とする業者に相談する。ダクトの奥の方に問題がある場合は、換気設備の工事や清掃を専門とする業者に相談することになる。

三菱電機の FAQ(No.4401)には、こう書かれている。

「当社サービス会社では、製品外のため屋外排気口及び屋内排気ダクトの点検、手直し、清掃等は出来ない場合がございます。設置された施工業者様にご相談ください。」

メーカーのサービスに頼れない場合は、家を建てた会社や、換気扇を取り付けた施工業者にまず確認する。

業者に連絡する際は、鳥の巣の撤去や鳥よけの取り付けに対応しているか、事前に確認しておくとスムーズだ。特にヒナや卵がいる場合は、許可が必要な作業になるので、その点も伝えておく。

まとめ|換気口の鳥対策と鳥よけ

  • 換気口に鳥が来ても、巣とは限らない。夜だけ来る場合もある
  • 音だけで鳥とは決められない。換気扇のあたりのバサバサが風切音のこともある
  • 鳥よけを付ける前に、換気扇を回さず、中に鳥や巣がいないかを外から見る
  • 卵やヒナには手を出さない。鳥獣保護管理法の第8条で禁止され、罰則は一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金だ
  • 巣立ちは営巣から1か月から1か月半(西東京市)。網を付けるのは巣が空になってから
  • 網は目詰まりしやすい。掃除できる場所かを先に考える
  • 賃貸・マンションは、管理している人に先に伝える
  • ダクトの奥や高い所は、自分でやらずに相談する

この記事で引用した資料


竹内 亮太(たけうち りょうた)

家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。

害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。

音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

おすすめの記事