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天井裏でドタドタと足音がするのは、ネズミなのか、ハクビシンやタヌキなのかで、駆除の前にやることが変わってくる。
足音の重さだけでは、どちらか特定するのは難しい。
ネズミ3種類は鳥獣保護管理法の対象外なので、自分で捕獲しても構わない。しかし、ハクビシンやタヌキは、許可なく捕まえることはできない。
そのため、まずは音以外で、どちらの可能性が高いかを考える。その上で、住んでいる市区町村に相談するか、業者に頼むかを決める。
天井裏の足音だけでは、ネズミかハクビシンかは決まらない
東京都環境局は、「屋根裏で大きな音がする」ことを、アライグマやハクビシンのサインの一つとして挙げている。
ただし、そういった場合でも、「住み着いている可能性があります」という書き方で、断定はしていない。
足音の重さでネズミかハクビシンかを見分ける方法は、私は確認していません。
音でどこまで絞れるかは、屋根裏に何かいる|音と鳴き声で正体をどこまで絞れるかに書いた。
音の時間帯でも区別するのは難しい。市川市によると、ネズミもタヌキも夜行性だ。東京都環境局でも、ハクビシンは夜行性だと書かれている。
ネズミとハクビシン・タヌキで違う手がかり(入口の大きさ・フン・足跡)
→ 表は横にスクロールできます。
| 入口の大きさ | 足の指 | フン | 体の大きさ | |
|---|---|---|---|---|
| ネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ) | 「1センチほどのすき間」があれば侵入可能といわれる(市川市) | 私は確認していません | 私は確認していません | 私は確認していません |
| ハクビシン | 「8センチメートル四方の隙間」にも入り込む(東京都環境局) | 5本(市川市) | 「雨どいやベランダの一角にまとまって何かの糞がある」をアライグマ・ハクビシンのサインの一つに挙げる(東京都環境局) | 体長40〜60センチ・体重2.0〜5.5キロ(東京都環境局) |
| タヌキ | 私は確認していません | 4本(市川市) | 「排泄を1か所で行う習性」(市川市) | 体長50〜60センチ・体重3〜5キロ(市川市) |
入口の大きさ:1センチか、8センチ四方か
市川市のネズミに関するページには、「ネズミは1センチほどのすき間があれば侵入可能といわれています。」とある。
一方、東京都環境局は、ハクビシンについて「電線を伝い歩きする、8センチメートル四方の隙間にも入り込む」と説明している。
今夜できることとしては、家の外周をよく見てみることだ。1センチほどの隙間しかないのか、それとも8センチ四方ほどの穴があるのかを確かめる。
これはあくまで目安であり、動物の正体をこれで決められるわけではない。
フン:1か所にまとまっているか
市川市は、「タヌキは排泄を1か所で行う習性があります」と教えてくれている。
東京都環境局は、「雨どいやベランダの一角にまとまって何かの糞がある」のを、アライグマやハクビシンのサインの一つとして挙げている。
「天井にシミができた」というのも、同じ一覧に入っている。
足跡:指は5本か、4本か
もし足跡が残っていれば、指の数を確認するのも手がかりになる。
市川市のハクビシンのページには、「足の指の数は5本です。(タヌキは4本)」と書かれている。
ハクビシンの顔については、市川市は「額から鼻にかけての白い筋模様と黒い尾」と説明している。
ハクビシンとタヌキの見分けは、ハクビシンの親子かタヌキか|屋根裏の正体の見分け方にまとめた。
体の大きさは重なる
市川市によると、タヌキは体長50~60センチ、体重は3~5キロくらいだ。
東京都環境局によると、ハクビシンの体長は40~60センチ、体重は2.0~5.5キロとなっている。
これらの数字を並べると、範囲が重なっているのがわかる。
東京都環境局も、ハクビシンやアライグマは「在来種のタヌキやアナグマと顔の特徴が似ているため、見間違えられることがよくあります」と注意を促している。
ネズミなら自分で駆除してよい。ハクビシン・タヌキは許可が要る
ネズミとハクビシン・タヌキでは、法律上の扱いが異なる。
ネズミ3種は、鳥獣保護管理法の対象外
鳥獣保護管理法の第80条第1項では、環境省令で定められた鳥獣については、この法律の規定を適用しないとしている。
そして、施行規則の第78条で定められているのが、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種類だ。
ネズミ科のすべてではない。施行規則 第78条第1項の表に載っているのは、この3種だけだ。
福島県のホームページにも、「ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミは、鳥獣保護管理法が適用されませんので、いつでも捕獲することができます。」と書かれている。
市川市によると、家屋で問題になるのもこの3種類で、これらをまとめてイエネズミと呼んでいる。
ネズミの法律の扱いは、ねずみは殺してはいけない?|鳥獣保護管理法が適用されない3種に書いた。
ハクビシンとタヌキは、許可が要る
鳥獣保護管理法の第8条は、鳥獣の捕獲などを原則として禁止している。
捕獲などを行うには、第9条第1項に基づき、環境大臣または都道府県知事の許可を得る必要がある。
環境省によると、多くの都道府県では、捕獲許可の権限の一部が市町村長に移されている。
市川市のページでは、タヌキもハクビシンも「県からの許可なく捕獲することが禁止されている」と明記されている。
この法律には罰則がある。第83条第1項は、「一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」と定めている。
ハクビシン・タヌキだったとき、市役所は何をしてくれるか
自治体によって対応は異なる。開いた資料から、2つの例を挙げる。
市川市(千葉県):捕獲も駆除もしない
市川市のハクビシンに関するページには、「市では、ハクビシンの捕獲や駆除を行っておりません。」と書かれている。タヌキのページにも同様に、「市では、タヌキの捕獲や駆除を行っておりません。」とある。
被害対策をしても改善しない場合は、「県からの許可を得た専門の業者に駆除のご依頼をすることをご検討ください」と案内されている。
市では、民間の駆除業者で構成される組合として、市川市ビル管理事業協同組合を紹介している。
費用については、市川市は「※相談は無料ですが、現地調査や駆除等にかかる費用は有料となります。」と伝えている。
ネズミについても、「市では職員による駆除作業は行っておりません。」とのことだ。
その代わり、市川市では殺そ剤を無料で配布している。受け取るには本人確認書類が必要だ。
東京都:区市町が捕獲をしている
東京都環境局のページを見ると、「区市町は、東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画に基づき、アライグマ・ハクビシンの捕獲を実施しています。」とある。
この計画に参加している自治体は50とのことだ(2026年4月6日更新のページ情報)。
計画では、「小型の箱わなを使用して、アライグマ・ハクビシンの捕獲を実施しています。」と書かれている。
計画の名前には、アライグマとハクビシンが含まれている。
東京都環境局は、「被害にあった場合、まずは各区市町の環境部署や清掃部署等にお問い合わせ下さい。」と勧めている。
捕獲器を貸してくれるか
住民に捕獲器を貸し出している自治体があるかどうかは、私は確認していません。
住んでいる市区町村のウェブサイトで、ハクビシンやタヌキに関する相談窓口を確かめてほしい。
自分でできることの限界と、業者に頼む目安
ネズミの見込みが高いとき
ネズミ3種類であれば、自分で捕獲しても構わない。
市川市は、自分でできる対策として、忌避剤、超音波、殺そ剤を挙げている。
ただし、市川市は、「天井裏などに住み着くクマネズミの場合は、市で配布する殺そ剤(ワルファリン)に耐性を持つ個体が多く、殺そ剤が効かないことがあります。」とも付け加えている。
自分で対処するのが難しい場合は、専門業者に頼む。市川市によると、その場合の費用は自己負担となる。
ハクビシン・タヌキの見込みが高いとき
無許可で捕獲することはできない。
東京都環境局は、くん煙式などの忌避剤について、「数を減らすという根本的な解決策には繋がりません」と述べている。
どちらか決めきれないとき
はっきりしないまま自分で対処しようとすると、許可が必要な動物を誤って捕獲してしまう可能性がある。
ネズミかハクビシンか決めきれないときは、まず業者に天井裏を見てもらい、何の動物かを確かめてもらう。
下の業者の公式の対応一覧にネズミとハクビシンは入っているが、タヌキの対応は書かれていない。
費用の目安は、害獣駆除が高い|見積もりの内訳の読み方と契約前に聞くことに書いた。
▶ 天井裏の足音がネズミかハクビシンか決めきれないときに、その動物に対応しているかと捕獲の許可の有無を、害獣の業者に電話かメールで相談する
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
業者に相談するとき、ネズミかハクビシンかの根拠と許可を聞く
相談するときは、次の3点を確かめる。
- 何の動物と見たか
- そう見た根拠は何か(フン・足跡・入口の大きさ)
- ハクビシンやタヌキなら、捕獲の許可を取って作業するか
3点目は、市川市が「県からの許可を得た専門の業者」への依頼を案内していることによる。
まとめ|天井裏の足音がネズミかハクビシンか分からないとき、今夜すること
- 足音の重さだけで、ネズミかハクビシンかを決めない
- 家の外回りで、1センチほどのすき間か、8センチ四方ほどの穴かを見る
- フンが1か所にまとまっているか、足跡の指が5本か4本かを見る
- ネズミ3種なら、自分で駆除してよい。ハクビシンとタヌキは、許可なく捕まえられない
- 住んでいる市区町村の環境部署や清掃部署のページで、相談先を確かめる
- ネズミかハクビシンか決めきれないときは、業者に「何の動物と見たか」「その根拠」「許可を取って作業するか」を聞いて相談する
▶ 足音の正体を自分で決めきれないときに、何の動物と見たかとその根拠、ネズミやハクビシンに対応しているかを害獣の業者に電話かメールで相談する
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
この記事で見た資料
確認日:2026-10-20
- 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 第8条・第9条・第80条・第83条(e-Gov 法令検索)
- 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則 第78条(e-Gov 法令検索)
- 環境省「捕獲許可制度の概要」ページ
- 東京都環境局「アライグマ・ハクビシンについて」ページ
- 東京都環境局「アライグマ・ハクビシン対策について」ページ
- 東京都環境局「被害を防ぐために」ページ
- 東京都環境局「被害及び対策の状況」ページ
- 市川市「タヌキについてのご案内です」ページ
- 市川市「ハクビシンについてのご案内です」ページ
- 市川市「ネズミについて」ページ
- 福島県「野生鳥獣の捕獲について」ページ
竹内 亮太(たけうち りょうた)
家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。
害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。
音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

