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ネズミがいるとゴキブリがいなくなる、という話を聞いたことがあるかもしれない。家でゴキブリを見かけなくなった代わりに、屋根裏から足音が聞こえるようになったら、それがネズミのせいなのか、ネズミをそのままにしておいていいのか、気になるだろう。
まず結論から言うと、ネズミがゴキブリを減らすという公的な資料は、東大阪市のページや東京都の読本(読めたページ)には見当たらなかった。家の天井裏にいるのは主にクマネズミで、このネズミは植物質を好むとされている。ゴキブリがいなくなった理由をネズミのせいにする根拠は、これらの資料からは見つからない。それに、ネズミは家に置いたままにしておくべき動物ではない。
ネズミがいるとゴキブリはいなくなるのか|資料に書いてあること
ネズミはゴキブリを食べるか
東京都が発行している「都民のためのねずみ防除読本」(令和7年12月発行)には、家ねずみの種類ごとの食性が書かれている。
ドブネズミは動物質を好む。
クマネズミは植物質を好む。
ハツカネズミは植物質(穀類や種子)を好む。
ただ、読めたページの範囲では、これらは「好む」というだけで、ゴキブリを食べるかどうかまでは書かれていなかった。ゴキブリに関する記述も、読んだページにはなかった。読本の残りのページは私は確認していません。
家の天井裏・屋根裏にいるのはどのネズミか
日本国内にはネズミが18種類いるが、住まいで問題になる家ねずみは、クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種類だ。
クマネズミは体長15〜20cmで、ビルの高い場所や壁の中、天井裏に住み着く。
ドブネズミは体長22〜26cmで、植え込みや下水溝など、地面に近い場所にいる。
ハツカネズミは体長6〜9cmで、畑にいる。
東京の住宅地では、昔はドブネズミが多かったが、今はクマネズミが主流になったと考えられている。自治体に寄せられる相談でも、ネズミの種類が特定できるものは、ほとんどがクマネズミだ。
もし屋根裏の足音がネズミなら、これらの住み分けから考えるとクマネズミの可能性が高い。クマネズミは植物質を好む。だから、「ネズミがゴキブリを食べて減らした」と言える材料は、この情報にはない。これは、読本の2つの記述を合わせた推測であって、読本自体にそう書いてあるわけではない。
自治体の資料は関係をどう書いているか
東大阪市の「家の中のゴキブリやネズミの対策」というページでは、ゴキブリとネズミの対策が一緒にまとめられている。どちらについても、「住みにくい環境を作ることが重要」と書かれている。
そのページによると、ゴキブリは何でも食べる雑食性で、植物質・動物質・腐敗物など、色々なものを餌にする。ネズミがゴキブリを食べたり、数を減らしたりするという記述はなかった。
厚生労働省や国立感染症研究所の資料に、この二つの関係について書かれているかは、私は確認していません。
ゴキブリを見なくなったときに、屋根裏のネズミを確かめる順番
ゴキブリを見かけなくなったことを、ネズミがいるサインにするような書き方は、東大阪市のページにも、東京都の読本(読めたページ)にもなかった。確認すべきは、ネズミが残す痕跡の方だ。
ネズミが動き回るのは、人が活動していない夜中がほとんどなので、姿を見るのは難しい。読本では、「ラットサイン」と呼ばれるネズミの痕跡を手がかりにするように書かれている。
ラットサインには、音、かじった跡、フン、足跡、体がこすれた跡などがある。
足跡や体がこすれた跡というのは、ネズミの体の油や汚れが、通り道に黒く光る筋となって残ったものだ。
物音は、こうしたサインのうちの一つにすぎない。足音だけでネズミがいると決めつけず、他の痕跡がないかどうかも調べるべきだ。
確かめる順番は次のとおり。
- 押入、家具や冷蔵庫の裏に糞が無いかを見る
- 天井や壁に、黒光りしたこすり跡が無いかを見る
- ふすまやケーブルにかじり跡が無いかを見る
- 足音がする時刻と場所をメモする
読本によると、巣ができやすい場所は、天井裏や物置、家具の裏、押入れやタンスの中、壁の中、家電の裏などだ。ネズミは暖かくて人目につかない場所に、紙や布、ビニールなどを集めて巣を作る。
壁の中から聞こえるカリカリ音とゴキブリの関係は、壁の中のカリカリ音はゴキブリ?|資料に音が出てくるのはネズミで扱っている。屋根裏でネズミが何をしているかは、ネズミは屋根裏で何してる?|昼間も音がする理由と巣・エサにある。
ネズミをそのままにしたとき家で起きること
東大阪市のページによると、ネズミは病原体を運ぶことがある有害な動物だ。食中毒や感染症の原因になったり、食べ物や衣類、家具をダメにしたりする。
東京都の読本では、電線やガス管がかじられて、停電や火事につながる危険性も指摘されている。
読本では、ネズミがいることで感じる不安やストレスも、大きな被害だとされている。
もしゴキブリを見なくなったのがネズミと関係していたとしても、ネズミをそのままにしておく理由にはならない。
ネズミとゴキブリのどちらにも効く、今夜できること
東大阪市のページでは、ゴキブリとネズミ、どちらにも共通する対策として、住みにくい環境を作ることが挙げられている。両方に共通するのは、餌になるものを片づけることだ。
今夜できることは3つある。
- 食べ残しと生ごみを、密閉できる容器やフタ付きのごみ箱に入れる。ネズミはペットフードや花も食べる
- 段ボール・新聞紙・布きれを片づける。どれもネズミの巣の材料になる
- 家のまわりのすき間を見る。ねずみが出入りできる穴の大きさは1.25cmだ
1.25cmは、東京都の読本にある「クマネズミとドブネズミの運動能力」の表の数字だ。
読本によると、ネズミが侵入しやすい場所として、次のような場所が挙げられている。
- 電線・電話線の導入部と壁の間のすき間
- 屋根の下の通気口
- 汚れて閉じない換気扇
- 屋根のひさしの下のすき間
- 配管が壁を通る部分のすき間
- 網戸の戸袋のすき間
- 扉のすき間
- 壁のひび割れ
- 建物の基礎のすき間
クマネズミは、電線やパイプをつたって、粗い壁や閉じたシャッターをよじ登って家に入ってくる。同じ表では、垂直に1m、水平に1.2m跳べるとしている。屋根裏の足音がするなら、高い場所の隙間も確認してみるといい。
東大阪市のページでは、雨どいの排水管を通って屋根の隙間から入ってくるネズミもいると書かれている。
すき間の探し方は、壁の中のネズミはどこから入ったか|侵入口の探し方と今夜することにまとめてある。
自分でできることの限界と、業者に頼む目安
東京都の読本によると、クマネズミには殺そ剤やトラップによる捕獲が有効でない。だから、餌や巣材を与えないようにして、環境を整えるのが大事だと書いてある。
東大阪市のページでは、ネズミは用心深いから、駆除に時間がかかることを覚悟しておいた方がいいと教えている。
東大阪市の保健所では、ネズミの駆除も、駆除剤や道具の配布もしていない。東京都の案内ページでは、ネズミの相談窓口は、住んでいる地域の保健所になっている。自分の住む市区町村がどこまで対応してくれるかは、それぞれのページで確認してみるといいだろう。
もし、以下のどれかに当てはまるなら、ネズミ駆除の専門業者に相談する目安になる。
- 糞やかじり跡が見つかった
- 天井裏の高い所に入口がありそうで、自分で上がれない
- すき間をふさいでも足音が続く
読本には、業者に頼むときの注意点も書かれている。
効果的に駆除するには、事前の生息状況調査、捕獲作業、防そ修繕、効果判定が必要だ。だから、作業は複数回になる。
費用は、周りの環境や家の作りで変わってくる。見積書をもらって、納得いくまで説明を聞くのが良いだろう。
業者に頼む前に、いくつか確認しておきたいことがある。
- 事前の生息調査と、駆除のあとの効果判定をするか
- 環境の対策について説明や助言があるか
- すき間の修繕の内容と方法を説明するか
- 見積書を出すか
賃貸なら、管理会社にも伝える。伝え方は天井がネズミ臭い|賃貸で今夜できることと管理会社への伝え方にある。
糞やかじり跡が見つかった・天井裏の入口に上がれない・すき間をふさいでも足音が続くときのネズミの相談先として、害獣プロガードの公式ページで対応エリアと現地調査・見積もりの扱いを確かめる
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
まとめ
ネズミがいるとゴキブリがいなくなる、というような話について、公的な資料は東大阪市のページや東京都の読本(読めたページ)には載っていなかった。ほかの資料は私は確認していません。
天井裏にいるのはクマネズミが多くて、植物質を好む。ゴキブリを見なくなった理由をネズミのせいにするのは、この2つの資料だけでは根拠がない。
ネズミは食べ物や電線をかじるから、家にそのままにしておくわけにはいかない。
今夜は、ネズミの糞や、こすった跡、かじった跡がないか探して、餌になりそうなものや巣材になりそうなものを片づけよう。あと、1.25cmの隙間がないかもチェックする。もし、それらしい跡が見つかったら、ネズミ駆除の業者に相談してみよう。
屋根裏のネズミの跡が見つかったときは、害獣プロガードの公式ページで対応エリアと見積もりの出し方を先に確かめる
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
この記事で見た資料
調べた日:2026年10月29日
- 東京都保健医療局「都民のためのねずみ防除読本」(令和7年12月発行) https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/hokeniryo/nezumidokuhon_r7
- 東京都保健医療局「ねずみ・衛生害虫|読み物・パンフレット」 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/eisei/yomimono/nezukon/index.html
- 東大阪市「家の中のゴキブリやネズミの対策」 https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000002653.html
竹内 亮太(たけうち りょうた)
家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。
害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。
音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

