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庭やベランダに動物のふんがあると、ハクビシンなのかたぬきなのか気になる。ハクビシンとたぬきのふんは、ふんだけを見ても、どちらか判断するのは難しい。場所や、周りの足跡、食べ跡などが手がかりになる。この記事では、ふんを見つけた時の対処法から、相談先が変わるのかまでを順番に説明する。
ハクビシンとたぬきのふんは、形と大きさだけでは決めきれない
農林水産省の「野生鳥獣被害防止マニュアル【中型獣類編】」や草加市のウェブサイト「アライグマ・ハクビシン・タヌキについて」には、ふんの長さや太さの具体的な数字は載っていない。形や大きさの数字で2種類を分ける公的な基準は、この2つの資料からは見つけられなかった。他の公的機関の資料に数字があるかは、私は確認していません。
公的な資料に書かれているのは、ふんをする場所の違いだ。草加市のページには、タヌキについて次のように書かれている。
「排泄物を特定の場所に集中する溜めフンをします。」
農林水産省のマニュアルには、ため糞の意味も書かれている。
「ため糞は生活エリアの境界に作られる。」
さらに、「「ため糞」は生活エリアの境界を主張するものなので掃除してもすぐに作られるやっかいな被害である」とある。片付けても同じ場所にまたふんがあるのは、たぬきのため糞の性質と合っていると言える。
ハクビシンについては、JA東京みどりの広報誌の記事にこう書かれている。
「巣やネグラ以外では「溜め糞」はしませんが、ハクビシンは移動中水のあるところに排泄します。」
ただし、ハクビシンも巣の中ではふんをためることがある。農林水産省のマニュアルには、ハクビシンが寝ぐらの中で排泄し、天井裏に糞尿が溜まった例が書かれている。ふんが同じ場所に溜まっているというだけでは、どちらか一方に決めつけることはできない。
ハクビシンとたぬきのふんを分ける手がかりは、見つかった場所とまわりの跡
ふんそのものよりも、周りに残っているものを見る方が区別しやすい。農林水産省のマニュアルには、登る力、足跡、食べ方の違いについて書かれている。
登る力の違い
たぬきについて、マニュアルは次のように説明している。
「タヌキは登ることが得意ではない。」
「地上付近の対策が重要である。」
ハクビシンはこれとは逆だ。
「ハクビシンは木登りなどの立体的な移動能力に長けており、細い電線の上も移動できる。」
「雨樋のようなツルツルした素材の柱でも登ることができる。」
足跡の指の数
たぬきは「イヌ科の動物なので地面につく指の数は4本である」。
ハクビシンは「前肢、後肢ともに丸形の5本指で分厚い肉球を持つ」。
ふんの近くに足跡があれば、指が4本か5本かを見てみる。マニュアルには「マルチや除草シート上は確認しやすい。」とある。
食べあと
ハクビシンについては、「ぶどうやトマトなど、外皮が口に残るものは、器用に皮のみ吐き出す。」と書かれている。
たぬきは「被害作物をどこかに運んで食べる」。運ぶ場所は決まっていないため、食べられたものが色々な場所に散らばることになる。
姿を見たとき
草加市のページによると、ハクビシンの尻尾は40センチメートルだ。たぬきの尻尾の長さは15~20センチメートルだ。ハクビシンは「鼻から頭にかけて白い縦線があり、夜行性で木登りが得意です。」と書かれている。
庭・ベランダ・玄関前、場所ごとに考えられる動物(アライグマも含めて)
庭で見つけたとき
片付けても同じ場所にまたふんが出るなら、たぬきのため糞の性質と合う。庭に池や水を張った鉢があり、その近くでふんが見つかるなら、ハクビシンも候補になる。ハクビシンは「移動中水のあるところに排泄します」と書かれているためだ。庭だけで判断せず、足跡や食べ跡も合わせて見る。
ベランダ・2階で見つけたとき
農林水産省のマニュアルと草加市のページには、ベランダで見つけた時の話は出てこない。分かるのは、登る力の違いだけだ。ハクビシンは雨どいのような滑りやすい柱でも登ることができる。たぬきは登るのが得意ではない。2階のベランダであれば、ハクビシンを候補から外すことはできない。ただし、これは登る力の違いから考えられることで、資料が断定しているわけではない。
玄関前・窓の下で見つけたとき
地面の高さで見つかった場合は、どちらも候補になる。建物の周りなら、床下も確認してみる。JA東京みどりの記事には、「タヌキは屋根裏ではなく、床下に巣をつくります。」とある。ハクビシンも、夏場は涼しい床下を日中の休憩場所として使うと、農林水産省のマニュアルに書かれている。床下の通気口や基礎の周りに隙間がないか確認する。
アライグマの場合
JA東京みどりの記事には、アライグマは「ハクビシンのように「溜め糞」はしません」と書かれている。猫のふんとハクビシン・たぬきのふんの見分け方については、私は確認していません。
ふんが小さく、ネズミのものか迷うなら、ハツカネズミの糞の見分け方|米粒大の正体と今夜の片付け方という記事で詳しく説明している。
ふんを見つけた今夜すること(触らずに写真を残す・片付けの順番)
1. 触らずに写真を残す
ふんを片付ける前に、写真を撮っておく。ふんがある場所がわかるように、周りの様子も一緒に写すとよい。日付も記録しておけば、同じ場所にまたふんが出たかどうかの確認に役立つ。
2. まわりの足跡と食べあとを見る
ふんの近くに土やシートがあれば、そこに足跡がないか探してみる。指が4本か5本かを見ると、動物の種類がわかることがある。近くの果樹や野菜に食べられた跡があれば、皮だけが残っているのか、実ごとなくなっているのかを見てみる。
3. 水を張った浅い入れ物を置く
JA東京みどりの記事には、ハクビシンがいるかどうかを確認する方法が書かれている。
「浅い入れ物に水を入れて置いておくと、そこに糞をしますので、近くにいるかどうかの確認ができます。」
4. 片付ける
庭に落ちているふんの片付け方については、農林水産省のマニュアルや草加市のページ、JA東京みどりの記事には載っていない。JA東京みどりの記事に書かれているのは、屋根裏にいるハクビシンを追い出した後の片付け方についてだ。
「糞をしっかり掃除して、殺虫剤と消毒薬(逆性石鹸など)を散布しておきましょう。」
ふんをどのようにゴミに出せばいいのかは、私は確認していません。お住まいの市区町村のゴミの出し方を確認する。
5. 動物に餌を与えない・触れない
草加市のページには、次のように書かれている。
「ハクビシンやタヌキに餌を与えたり、触れたりしないようにしましょう。」
たぬきかハクビシンかで相談先は変わるのか(自治体の窓口と業者)
ハクビシンもたぬきも、法律で保護されている動物だ。草加市のページからそのまま引用する。
「ハクビシンやタヌキなどの野生動物は人間との共存が原則となっており、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」で保護されています。生活衛生面で被害を受けている場合を除き、捕獲できないことになっています。草加市でも特定外来生物のアライグマとは異なり、ハクビシンやタヌキの捕獲・駆除は行っておりません。」
草加市の場合、アライグマについては市の職員が現地調査を行い、被害を確認した上で捕獲器を設置する。しかし、ハクビシンとたぬきについては、市は捕獲も駆除も行っていない。駆除を希望する場合の依頼先として、草加市のページでは専門業者や埼玉県ペストコントロール協会を挙げている。
草加市の例では、ハクビシンでもたぬきでも、相談先は同じだ。アライグマかどうかで対応が変わってくる。相談窓口や手続き方法は、市区町村によって異なる。お住まいの市区町村の対応については、その市区町村のウェブサイトや窓口で確認する。
自分でできることの限界と、業者に頼む目安
自分でできることとしては、写真を撮っておくこと、足跡と食べられた跡を観察すること、ふんを片付けること、餌になるものを屋外に放置しないこと、までだ。草加市のページでは、ハクビシンもたぬきも、生活衛生上の被害がある場合を除いて捕獲することはできないとされている。寄せ付けない方法については、ハクビシンを寄せ付けない方法|庭のぶどう・果樹と家で今夜することという記事にまとめてある。
業者に依頼するかどうかを考える目安は、ふんの正体よりも、建物に侵入しているかどうかだ。農林水産省のマニュアルでは、ハクビシンについて次のように書かれている。
「6cm×12cmの隙間があれば侵入でき、夏場は涼しい床下を、気温が下がってくると暖かい天井裏(1階と2階の間の空間、屋根下)を日中の休憩場所として利用する。」
ベランダや2階でふんが続き、建物の周りに6cm×12cmの隙間がある場合は、侵入口を調べる段階になる。天井や天井裏から物音がする場合は、ドタドタはネズミかハクビシン・タヌキか|駆除の前に今夜確かめることとハクビシンの親子かタヌキか|屋根裏の正体の見分け方という記事で、音と屋根裏の状況の確認方法を説明している。
ベランダや2階でふんが続き、建物の周りに隙間があるときに、ハクビシンの侵入口の現地調査と見積もりを無料で頼めるか、害獣プロガードの公式ページで対応エリアと合わせて確かめる
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
まとめ
ハクビシンとたぬきのふんを、形や大きさの数字で区別する目安は、農林水産省のマニュアルや草加市のページには記載されていない。
手がかりは、ふんの周りにある。同じ場所に何度もふんが出ているか。足跡の指が4本か5本か。食べられた跡に皮だけが残っているか。ベランダや2階など、登らないと届かない場所に出ているか。
今夜は、ふんには触らずに写真を撮り、足跡と食べられた跡を確認してから片付ける。草加市のページでは、ハクビシンもたぬきも法律で保護されており、生活衛生上の被害がない限り捕獲はできないとされている。狩猟の期間や場所によっては許可が要るので、捕まえる前に市役所など市区町村の窓口で確かめる。建物に侵入している様子が見られる場合は、侵入口を調べておくと安心だ。
建物に入られている様子があり、侵入口の場所が分からないときは、ハクビシンの侵入口の調査と見積もりの対応エリアを害獣プロガードの公式ページで先に確かめる
※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山
この記事で見た資料(すべて 2026-10-29 に確認)
- 草加市「アライグマ・ハクビシン・タヌキについて」(更新日:2024年10月31日) https://www.city.soka.saitama.jp/cont/s1704/020/010/040/PAGE000000000000032930.html
- JA東京みどり 広報誌みどり 2016 新春号 Vol.94 営農レポート「獣害に備える~ハクビシンとアライグマの基礎知識~」 https://ja-tokyomidori.or.jp/newsletter/94/einou.html
- 農林水産省「野生鳥獣被害防止マニュアル【中型獣類編】」2-2 ハクビシン https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/manyuaru/R5_tyuugata/r5_tyuugata_2_2.pdf
- 農林水産省「野生鳥獣被害防止マニュアル【中型獣類編】」2-3 タヌキ https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/manyuaru/R5_tyuugata/r5_tyuugata_2_3.pdf
竹内 亮太(たけうち りょうた)
家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。
害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。
音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

