古い家にネズミが出る理由と対策|古い家で見る場所と今夜すること

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古い家にネズミが出ると、「家が古いから仕方ない」と思いがちだ。でも、開いた東京都の資料には、家の古さそのものをネズミが出る理由にしている記述は無かった。

この記事では、東京都保健医療局の資料4件と建築基準法施行令をもとに、古い家とネズミの関係、古い家で見る場所、今夜することを分けて書く。

天井や壁から音がしても、それが必ずしもネズミとは限らない。ここでは、ネズミの姿やフンを見た、あるいはそう疑わしい場合を前提として話を進める。

古い家にネズミが出るのは古いからか|先に答え:開いた資料は古さを理由に挙げていない

東京都の「ねずみ防除指針」には、品川区の住宅を調査した結果が載っている。平成10から11年にかけて、無作為に選んだ322件に聞き取り調査をしたものだ。

この調査では、「75世帯(23.3%)が過去2年以内にクマネズミの侵入を受けていた。」

同じ調査の分析結果に、家の築年数についての数字があった。「生息のある住宅の6割以上が、築21年以上であった。」というものだ。

ただし、これはネズミがいる、またはいた住宅の中での割合だ。調査した322件全体のうち、築21年以上の家がどれくらいの割合だったかは、開いた範囲の資料には書かれていなかった。開いた範囲に比べる数字が無いため、この数字だけを見て「古い家ほどネズミが出やすい」とは断定できない。比較対象の数字は、私は確認していません。

また、この築年数のデータは、平成10~11年当時の品川区のものだ。現在の全国的な状況を示すものではない。

家が古いこととネズミが出ることの関連性については、記事の後半で説明する「隙間」「家の周りの物」「巣になりやすい場所」という点から見ていくことにする。

古い家にネズミが出る理由|資料にある「出る家」の条件

同じ調査で、築年数のほかに出ていたこと

品川区の調査結果の分析では、築年数以外にも3つの結果が示されている。

  • 「ねずみ被害は戸建住宅の割合が高かった。」
  • 「生息のある住宅の4割以上が、近くに植木や粗大ごみ置き場など、ねずみの潜み場所があった。」
  • 「飲食店や食料品店が近くにあること、及びペットの飼育の有無は、ねずみの生息割合に無関係であった。」

年月とともに増えるもの

調査を行った麻布大学の浅井は、ネズミの被害が増えたことには5つが影響していると結論付けている。そのうちの2つ目が、「年月とともに増加する家屋周辺の雑多なもの」という点だ。

浅井が挙げた5つの中に、家の古さそのものは入っていない。入っていたのは、年月とともに家の周りに物が増えることだった。

品川区が挙げた対策

同じ指針には、品川区の取り組みについても書かれている。品川区は、効果的に進める必要があると考える対策の一つに、「建築物の予防保全による老朽化の抑制」を挙げている。

ネズミ対策の基本的な考え方としては、次のように書かれている。「餌を与えないこと/巣材を与えないこと/住まいへの出入りを防ぐこと」

古い家でも、やることはこの3つだ。3つ目の「出入り」については、木造住宅の侵入口を次のところで見ていく。

家の中でネズミが増える理由と数の見当は、家にネズミが大量にいる?|増える理由と数の見当、今夜することで書いた。

古い家でネズミが入りやすい場所|木造の家の隙間・床下・戸袋

木造住宅の侵入口

東京都の回答集によると、木造住宅の侵入口はこう書かれている。

「木造住宅では、ねずみはエアコンのダクトや電線を通すために外壁に開けた貫通部分の隙間、屋根と壁の間の隙間、外壁にできた割れ目や穴、家の基礎の通気口などがねずみの侵入口となっている場合が多い。」

隙間の大きさについて、こう書かれている。「クマネズミの場合、1.25㎝ の隙間があれば通り抜けることができる。」

同じ回答には、こうも続いている。「また、歯がかりがあれば齧って通路にしてしまう。」

床下・天井・戸袋

壁の中の音についての質問への回答では、ねずみが入りやすい場所が挙げられている。

「入る。特に床下や天井、戸袋から侵入しやすい。場合によっては壁の割れ目からも侵入する。」

壁の中については、さらにこう説明されている。「内壁と外壁の間には断熱材などが入れられており、さらに雨風や外敵からも守られているので暖かく、ねずみにとって絶好の営巣場所である。」

かじられる建材

建材については、こう書かれている。「ほとんどの建材はかじられる。金属でも、アルミニウム程度だとかじられる。」

床下の換気孔

建築基準法施行令の第二十二条には、床下の換気孔に関する決まりがある。最下階の居室の床が木造の家では、外壁の床下部分に「壁の長さ五メートル以下ごとに、面積三百平方センチメートル以上の換気孔を設け、これにねずみの侵入を防ぐための設備をすること。」と定められている。

これは家を建てるときの基準で、床下をコンクリートなどで覆う場合はこの限りでない、というただし書きもある。古い家の換気孔の設備が今も付いているかは、条文には書かれていない。床下の換気孔は、見る場所の手がかりになる。1階の天井裏と床下の造りは、1階の天井裏の記事で書いた。

木造と鉄筋コンクリートの違い

開いた資料の侵入口についての回答は、「木造住宅では」と限定している。木造と鉄筋コンクリートで、ねずみの出やすさを比べた資料は、私は確認していません。

侵入口の見つけ方

回答集では、侵入口の見つけ方についても触れている。「ねずみの侵入口には、体の汚れがついて黒く汚れていたり、足跡、齧り跡などのいわゆるラットサインがあったりするので、これらを目安に侵入口を見つけて塞ぐことが大事である。」

侵入口の探し方とふさぐ順番は、壁の中のネズミはどこから入ったか|侵入口の探し方と今夜することで書いた。

古い家のネズミ対策|今夜すること

食べ物をしまう

回答集は、部屋に入ってしまったねずみについて、こう説明している。「部屋に侵入したねずみは、そこが営巣するのに適した環境であれば、居続けて繁殖する。また、食べ物が得られやすいことがわかると餌場に利用する。」

食べ物のしまい方についても、こう書かれている。「室温で保存するものは、缶やプラスチックなどのふたつきの容器に入れるか、ねずみの侵入口がなくしっかりと閉まる戸棚に入れる。ダンボールの箱は容易に齧られるので不可。」

巣になる物を片付ける

食べ物をしまっても、ネズミが出ることがある。回答集は、その理由をこう書いている。「ねずみは営巣場所と採餌場所を分けて生活することができる。」

対策の基本の「巣材を与えないこと」は、ここに当たる。紙や布なども、ネズミが持ち出せないように片付ける。

夜と留守のあいだの様子を見る

家の中のネズミがいつ動くかについても、回答集はこう説明している。「屋内に生息するねずみは、人に依存して生活しているので、人の生活パターンに左右され、人が寝静まった夜間や留守で人が不在の時間帯等に活動することが多い。」

今夜は、新しいフンや、かじった跡、黒い汚れがないか探して、見つけたら場所をメモしておく。そこが、ネズミがどこから入ってくるかを見つけるヒントになる。

隙間は目に付くところから

隙間をどうやってふさぐかについて、回答集はこう書いている。「侵入のポイントとなる外部とつながった隙間は、通常はそれほど多くはない。たくさんある場合、一挙にすべての侵入場所を塞ぐのは難しい。目に付く隙間から塞いでいけば、次第に侵入ポイントが絞られてくる。」

材料については、「金属タワシや亀甲金網などの扱いやすくかつねずみの嫌う材料を使用すればよい。」と書かれている。

餌をしまうだけでは足りない理由

回答集には、餌と隙間の両方についての答えがある。「屋内での餌の保管方法が完全なら、ねずみは餓死する。しかし、隙間は逃げるだけではなく、侵入にも使用されているので、家屋内の状況がそのままなら、従来どおり生息し続ける。」

天井で音がするときについては、回答集はこう答えている。「外から天井に至る間に侵入口があると思われる(壁と屋根の隙間、電線の貫通部分の隙間、壁の破損による開口部など)。」天井の音の見方は、ねずみの音で天井を叩く前に|東京都の資料が答えているのは侵入口にある。

超音波・忌避剤の前に確かめること

隙間を探すよりも先に、手軽な道具を使いたくなることがある。回答集は、忌避剤についてこう述べている。「効果を過信しない方がよいが、効く場合もある。ただし、長期間使用していると「慣れ」が生じることもある。」

超音波についても触れられている。「実験的には音圧が 130 デシベル以上あると、ある程度忌避する行動が見られるという結果が得られているが、実用的には評価はまちまちであり、また仮に効果がある場合でも絶対ではない。」

同じ回答の最後は、「総合的に見ると実用効果については否定的な意見のほうが多いように思われる。」と締めくくられている。

道具を使うかどうかよりも、まずは食べ物と巣材を片付けて、どこからネズミが入ってくるかを見つけることが大切だ。

古い家の借家・実家でネズミが出たとき|大家・家族と決めること

借家のとき

品川区の取り組みでは、相談を受けた側の経験が語られている。

「クマネズミの相談を受けていると、具体的に餌や巣材の除去や侵入経路を塞ぐなどの情報を得ても、人手の都合がつかなかったり、近隣や管理組合、家主と借り手など関係者間との話し合いを疎んじるなど、人の側の要因で解決が頓挫することをしばしば経験する。」

借りている家で穴を見つけたら、自分でふさぐ前に大家さんか管理会社に連絡しておく。賃貸物件で駆除を誰が頼むか、費用を誰が払うかは、私は確認していません。

実家を空けるとき

空き家について、回答集はこう説明している。「ねずみは外敵から守られ、巣材が手に入りやすい環境を好むため、人がいなくて静かで、かつ巣材になる衣類や紙などが残っている空き家は絶好の繁殖場所になる。」

答えの最後はこうだ。「従って、空き家になる場合は、事前に侵入防止対策をとることが大事である。」

古い実家をしばらく空けることになったら、衣類や紙類は片付けておく。誰が家を見に行くかは、家族で先に話し合っておく。

自分でできることの限界と、業者に頼む目安

自分でできるのは、ここまで説明してきた次のことだ。

  • 食べ物をふたつきの容器や閉まる戸棚にしまう
  • 巣になる紙や布を片付ける
  • フンやかじり跡、黒い汚れの場所を書き留める
  • 目に付く隙間から、金属タワシや亀甲金網でふさぐ

回答集は、業者に頼む場面もこう書いている。「高所のため危険であったり、広範囲にわたって塞ぐ必要があるなどの場合は、専門の業者に頼む手もある。」

天井の音については、「ねずみが出て行かない場合は、指針第三部5を参考に、駆除を行うこと。」とある。

業者に頼むべきかどうかの判断基準は、資料の書き方から考えると次の4つになる。

  • 侵入口が見つからない
  • 隙間が高い所にある、または広い範囲にある
  • 隙間をふさいでも、夜の気配が続く
  • 天井裏や床下に入れず、巣を探せない

業者の選び方についても、回答集は営業の仕方に触れている。「点検商法、飛び込み営業、脅かし営業等により、不必要に顧客の危機感をあおる営業形態も不適切と言わざるを得ない。」

床下作業についての答えもある。床下換気扇や調湿剤を勧められて100万円以上を請求されたという苦情が消費者センターに持ち込まれることを挙げたうえで、こう書いている。「ねずみ駆除ではこのような作業は必要ない。」

駆除にかかる期間は、こう書かれている。「一回で発生が収まる時もあるが、複数回の処置が必要なこともあり、期間も短期間で済むものから、2ヶ月程度かかるものもあり、状況によりさまざまである。」

侵入口が見つからないときや、隙間が高い所・広い範囲にあって自分でふさげないときの相談先として、害獣プロガードの公式ページで対応エリアと見積もりの出し方を確かめる

※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山

まとめ|古い家のネズミ対策の順番

開いた東京都の資料には、ネズミが出る理由として家の古さそのものを挙げた記述は無かった。品川区の調査の「6割以上が築21年以上」は、ネズミがいた家の中での割合だ。

古い家で見るのは、木造の家の隙間や床下、天井、戸袋などだ。クマネズミは1.25cmの隙間を通り抜けられる。

今夜は、食べ物と巣の材料になりそうなものを片付け、フンや、かじられた跡のある場所をメモしておく。目につく隙間からふさいでいく。

借家なら大家さんや管理会社に、実家なら家族に、先に伝えておく。

古い家の隙間をふさいでも夜の気配が続くとき、天井裏や床下に入れず巣を探せないときは、害獣プロガードの公式ページで対応エリアと見積もりの出し方を先に確かめる

※見積もりと相談に対応している地域:東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山

この記事で見た資料

  • 東京都保健医療局「東京都ねずみ防除指針」(平成17年2月発行)https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/eisei/yomimono/nezukon/nezumi/boujoshishin
  • 同 資料(1)「行政担当者のためのねずみについてよくある質問&回答集」https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/hokeniryo/shiryou_2
  • 同 第一部「2) 生息の実態」https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/hokeniryo/seisoku
  • 同 第二部「1 品川区の取組-福祉・建築技術者との連携-」https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/hokeniryo/shina
  • e-Gov 法令検索「建築基準法施行令」第二十二条 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338

(資料は 2026年10月27日に開いた)


竹内 亮太(たけうち りょうた)

家で聞こえる音の正体を絞り込んで、次に何をすればいいかまで決められるようにするために、
このサイトを書いている。

害獣の駆除業者ではないし、自分の家に何かが出たこともない。だから体験談は書かない。
やっているのは、公的機関の資料を1件ずつ開いて、書いてあることと書いていないことを分けることだ。

音だけで正体は断定しない。
どこまで分かって、どこから先は天井裏に上がらないと分からないのかを分けて書く。

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